« August 2004 | Main | October 2004 »

September 29, 2004

流れのふしぎ

nagareno_husigi.jpg
 【今週の一冊】
 ●『流れのふしぎ』

  編集:日本機械学会流体(講談社)
   2004.08 / ¥903

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『難しい理屈はさて置いて、「流れ」を楽しんだり、
              そのふしぎさに、まず触れてみてください』
-----------------------------------
 今も大して変わりませんが、特に学生時代は「流体工学」がニガテでした。
 
 教科書は、数学と見紛う程の数式のオンパレードで、試験問題を解こうとす
 ると、どの数式が当てはまるのか見当がつかない。
 そのうち粘ったり(粘性)、潰れたり(圧縮性)した日にゃ、どこぞの世界
 のお話じゃ、とお手上げでした。
 
 一方で、身の回りには、流体に関する事柄が日常的に多々起きています。
 
 先日の美浜原発の事故も、冷却配管中の「蒸気」という流体に起因した惨事
 です。
 また、金メダルラッシュに沸いたアテネでの日本水泳陣の水着にも、水の抵
 抗を減らす工夫が施されていました。
 
 本書は、そんな身近でありながら、正に「つかみどころがない」流体の性質
 を、簡単にできる遊びなどを通して「実感」できるよう解説しています。
 
 例えば、前述の美浜原発の配管破裂が起きたのは、オリフィス(管の一部を
 狭めた絞り)の下流に発生したキャビテーションによる腐食が原因と見られ
 ています。
 
 ・・こう書くと、分かった気にはなりますが、「キャビテーション」を見た
 ことありますか?
 
 まず、透明なホースを蛇口に取り付け、水の通り道ができるだけ細くなるよ
 うに、ホースの一部を潰します。
 
 蛇口を少しずつ開けて流量を増やしていくと、泡が発生し、シャーという音
 がします。
 これが「キャビテーション」であり、水が沸騰しているのです。
 
 実に簡単なことですが、これが「沸騰」だと言われたり、こんな泡が分厚い
 鋼管に穴をあけるとなると、思わず「へぇ~」。
 
 「そりゃまたなんで?」と興味が出てくると、飽和蒸気圧やベルヌーイの定
 理といった流体力学の数式が、生き生きと語りかけてきます。
 
 こうして理論と体験(実感!)を対にして理解をしていくと、流体力学は面
 白い・・かも。
 
 ちょっと時期を逸してしまいましたが、夏休みの自由研究などで、本書で紹
 介されている遊び(実験)をお子さんと楽しんで、「何でこうなるかってい
 うとやなぁ・・」と教えれば、お父さんの株が上がること、間違いなし!
 
 例えば・・
 
 ・紙の帆を立てたヨットを早く動かすのは、追い風?向かい風?
 
 ・湯飲み茶碗の中の茶葉は、かき混ぜると外側に寄る?真ん中に集まる?
 
 ・5円玉の穴に水を張って新聞を覗いたら、見える字は大きい?小さい?
 
 などなど、(流体力学的に)ためしてガッテンしてみましょう。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 まずはお茶と5円玉、そしておもちゃのヨットで遊んでみよう。
 次に流体力学の教科書を開いて、遠心力と表面張力、流線曲率の定理を思い
 出そう。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 |   | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 1.流体とは 2.粘性 3.圧縮性 4.空気の質量 5.物体まわりの流れ
 6.圧力 7.水深と圧力 8.浮力1 9.浮力2 10.渦 11.表面張力1
 12.表面張力2 13.層流と乱流 14.キャビテーション 15.加速度運動1
 16.加速度運動2 17.流体のエネルギー 18.ベルヌーイの定理
 19.ピトー管 20.ジェット推進 21.流線曲率の定理 22.コアンダ効果
 23.はく離1 24.はく離2 25.境界層 26.流線形 27.揚力1 28.揚力2
 29.マグナス効果 30.はく離渦 31.管摩擦損失 32.絞り 33.回転翼
 34.付加質量

| | Comments (83) | TrackBack (0)

September 22, 2004

OJTでいこう!

ojt_deikou.jpg
 【今週の一冊】
 ●『OJTでいこう!』

  著:中川 淳一郎、編集:OJTソリューションズ(翔泳社)
   2004.02 / ¥1,554

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『やってみせ、やらせてみせるOJT型の指導により、
                 スキルと魂を伝授していくのです』
-----------------------------------
 表紙のアフロのおっさんと、ファンキーなタイトルで想像した印象からは、
 良い意味で裏切られました。
 
 センスが悪ければ、『現場改善の勘所』とでもタイトルをつけそうなほど、
 中身は生産や物流を改善する「現場」の匂いがします。
 
 ものづくりの企業が、問題点の解決のためにコンサルタントを招いて、指導
 を受けている間は「変わった」ように見えても、コンサルタントがいなくな
 ったら元の木阿弥。
 
 結局、コンサルタントの指導の意図を十分理解しないままだから、維持し向
 上していくことができません。
 
 それに対して、OJT(On the Job Training)では、現場において、実際に
 その仕事を行いながら「学ぶ」。
 
 「いや、入社したときにOJTは受けたけど、現場を改善できるほどの効果
 はなかったで?」と首をひねる方のために、OJTを「徹底して」行った企
 業の例が4つ挙げられています。
 
 いずれも劇的な改善効果があげられていますが、その過程は、実に地味な、
 「当たり前」なことばかりから始まっています。
 
 その当たり前なこととは・・、
 
 【分ける】「いるもの」と「いらないもの」に分ける。
      色紙などを貼ったり、専用の置き場を設けて明確にする。
 
 【捨てる】いらないものを分けたら捨てる。
      曰く、「捨てて失敗したことはあまりない」
 
 【測 る】生産能力や作業にかかる時間や距離などを計測する。
      何かおかしいと思ったら、思っているだけではなく、まず測る。
 
 【決める】仕事のルール作り。
      考えたり、判断しなくてもいい位まで決めてしまう。
 
 【見せる】測った結果、決めたルールを見せる。
      現状を知り、職場の状況が分かることで、課題が共有される。
 
 の5つのアクションです。
 
 トヨタ生産方式というと、すぐに「カンバン」や「JIT」を考えがちです
 が、まずこの5つを「なぜそこまでするのか!」と思うほど、徹底して実践
 し、「なるほど!」と身をもって実感することが、継続して変わり続けるた
 めに必要です。
 
 OJTのトレーナーは、先生として指導に行くのではなく、自ら同じ作業着
 を着て「入社」し、埃まみれになって掃除をし、一緒に考え、一緒に活動し
 ます。
 
 その姿勢が共感と感動を呼び、問題に「気付く」眼が養われていくのです。
 
 ものでも、人でも、動き始めがもっともイナーシャ(慣性)が大きく、エネ
 ルギーが必要です。
 
 そこをトレーナーの情熱と経験で乗り越え、現場の人たちがアクションを起
 こせば、自ら改善点を見つけられるようになります。
 
 1回改善をすると、さらに改善点が見つかり、それを人に伝えることで、改
 善の輪は広がっていきます。
 
 この「人材育成」による改善のスパイラルこそ、OJTの狙いであり、同時
 に本書のトレーナーを育てた、トヨタの強みであると痛感します。
 
 小集団活動のキックオフなどに、回し読みすることをお奨めします。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 さあ、自分の机の「いるもの」と「いらないもの」をまず分けよう。
 ストップウォッチを持って、現場に出よう!
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 はじめに コンサルタントじゃ、変わらない
 第1章   5つのアクションで現場は変わる
 第2章   基本動作の徹底で工場が変わった!
 第3章   現場改善ノウハウで物流倉庫も変わった!
 第4章   工場が変われば営業も変わる!
 第5章   現場の変化は会社も変える!
 第6章   ボトムアップ+αですべてが変わる!
 おわりに OTJでいこう!

| | Comments (12) | TrackBack (2)

September 17, 2004

Net-P.E.jpのご紹介

gijyutusi_ichiji_kikai.jpg
 【今日の一冊】
 ●『技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題解答と解説』

 著:Net‐P.E.Jp(日刊工業新聞社)
   2004.06 / ¥2,520

今回は、私も参加しております「Net-P.E.Jp」をご紹介いたします。

Net-P.E.Jpとは、Net Professional Engineer Japanの略でインターネット上の技術士・技術士補と、技術士を目指す受験者のネットワークです。
本blogの「技術士リンク」も、Net-P.E.JpのメンバーのHPを紹介しています。

日頃はネット上のお付き合いが中心ですが、各地の支部での勉強会や、全体でのOFF会で、実際にお会いして交流を行っています。

その第2回のNet-P.E.JpのOFF会が、下記の予定で開催されます。

開催日時:平成16年11月6日(土)13:00-17:00 (終了後、懇親会有り)
開催場所:東京(錦糸町) アビリティガーデン
参加費 :1000円(会場費、飲み物代など)

技術士や技術士補の方、受験を考えている方、興味をお持ちの方、はたまた異業種の「えんぢに屋」と交流を持ちたい方は、大いにご参加ください!

【申込み先】
参加を申し込む方は下記をクリックして必要事項をご記入ください。
 第2回Net-P.E.Jpオフ会申し込み 

なお冒頭の書籍は、今年発刊した、Net-P.E.Jpメンバーの著作による、技術士第一次試験機械部門の過去問題の解答・解説書です。

単なる問題を集めた「問題集」ではなく、平成15年度の全問題、また「材料力学」「機械力学・制御」「熱工学」「流体工学」「その他」について、解答と詳しい解説を満載しています。
機械工学の参考書としてもお奨めですよ!

(私も執筆に参加しています。受験体験談なども載せていますので、ご覧下さ~い>^_^< )

| | Comments (49) | TrackBack (1)

September 15, 2004

誇り高い技術者になろう

hokoritakai_gijyutusya.jpg
 【今週の一冊】
 ●『誇り高い技術者になろう』
  工学倫理ノススメ

  編集:黒田 光太郎, 伊勢田 哲治, 戸田山 和久(名古屋大学出版会)
   2004.04 / ¥2,940

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『一見平凡な日常業務の中にこそ、技術者としての社会的責任を自覚し、
  それを果たそうと努力するという、誇り高い技術者にとって最も大切な
  ことがらが隠れているのです』
-----------------------------------
 「リンリ!」というと、とかく理系(といわれる人)は敬遠します。
 
 曰く、
 
 ・数学や物理のように割り切れる問題ではなく、ややこしい
 ・規則や責任を押し付けられるようで、息苦しい
 ・「内部告発」をしろと言われても、クビになったらどうする!
 
 等々の声が聞こえてきます。
 
 本書は、それらの疑問に対して、工学倫理とは何か、またなぜ技術者に倫理
 が求められるのかを、豊富な事例と読みやすい語り口で解説しています。
 
 例えば、先月、関西電力の美浜原発で起きた配管破裂による死傷事故と、95
 年に発生した高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩とは、同じ原子力事
 業における「事故」です。
 
 前者は5名もの犠牲者を出した惨事であるのに対し、後者は事故レベルでは
 レベル0からレベル7のうち、低いほうから2番目の「レベル1」に分類さ
 れる程度でした。
 
 「だから、美浜原発事故の方が『大きな』問題だ」と片付けてしまっては本
 質を見誤ります。
 
 「もんじゅ」の事故では、事故現場の撮影ビデオを隠蔽するなど、原子力自
 体に対する社会の不信感に対して、説明責任を果たさなかったことが問題な
 のです。
 
 「事故の発生は過失であるが、不適切あるいは不正な報告は故意である」点
 からも、理解できるでしょう。
 
 このように、科学技術がもたらす様々な影響や対応について、我々技術者が
 備えておくべき「ものさし」を、詳しく挙げています。
 
 私達は、近すぎる眉毛も、遠すぎる人工衛星も見ることができません。
 
 同じように、倫理的責任というと、消費者や地域住民のことはすぐ思いつい
 ても、身近な家族や同僚も、まだ見ぬ未来世代の人たちも、共に責任を負う
 べき人たちであることを忘れがちです。
 
 すべての関係者を満足させることは困難ですが、自身が果たすべき役割の自
 覚なしには、ものづくりはできないと言えます。
 
 技術者は、人工物を自分の意思で生み出し、他の人々に影響を与えるやりが
 いのある仕事であるからこそ、代償として責任が生じる。
 
 その責任を果たすことを喜びとし、自分への報酬とする。
 
 これを「誇り高い技術者」と編者らは呼んでいます。
 
 大学で工学倫理を学ぶ学生向けに書かれていますが、すでに実務を行ってい
 るエンジニアにこそ読んで頂きたい一冊です。
 (技術士を志す人は必携です!)
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 自身の業務が影響を及ぼす人たちを、小さな視点・大きな視点で見直そう。
 予想される問題を、周囲を巻き込んで解決していこう。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 第I部 技術者になるとはどういうことか
  1 誇り高い技術者とは
  2 技術とは何か、技術者とはどういう人なのか
 第II部 技術者としての社会への責任
  3 技術者は何に配慮するべきか
  4 技術者はどう行動するべきか
  5 責任ある技術者を社会はどうサポートするべきか

| | Comments (17) | TrackBack (0)

September 12, 2004

一冊の手帳で夢は必ずかなう

issatuno_tetyou.jpg
 【今日の一冊】
 ●『一冊の手帳で夢は必ずかなう 』
 なりたい自分になるシンプルな方法

 著:熊谷正寿(かんき出版)
   2004.03 / ¥1,470

今回は、ものづくりにこだわらずに、一冊紹介します。
今年前半のベストセラーですから、手にした方も多いでしょう。

インターネットベンチャーとして、熊谷氏が自ら「夢」をかなえたプロセスは、一言で言えば「手帳に書いた事を実行した」積み重ねです。
夢を具体的に表して、現状との差を認識し、15年というスパンを区切って工程を年毎、月毎、日毎までブレークダウンする。
それを睨みながら着実に進んできたから、「夢がかなった」ということです。

いわゆるノウハウ本というよりも、手帳という切り口で、熊谷氏の人生哲学が語られています。


さてさて、私も大いに刺激されて、読了後さっそく6穴バインダーを購入したのですが、どうにも左ページを書くときに、リングが手に当たるのが書きにくくて好きになれません。
また、えんぢに屋としては、現場にあまり分厚い手帳を持ち歩いたりするのも、しっくりこないんですよね。

コンセプトは大賛成なのですが、自分に合ったスタイルを編み出さねばならないようです。

思うに、世の「手帳術」の本は、作家やジャーナリストの作者の立場や、営業の人向けに書かれたものが多いのではないでしょうか。
例えば、現場監督の方や、研究者、設計や生産技術の「えんぢに屋」さんたちは、どのように自分の予定や、業務の進捗を管理しているのでしょう?

皆さん立派なプロジェクト管理のパソコンソフトを使っているのでしょうか?
あるいはPDA、またシステム手帳でしょうか。

私は結局、業務は気楽に使えるA5ノートが中心ですが、スケジュール管理やToDoのメモなど、試行錯誤中です。
えんぢに屋の皆様、お奨めの「手帳術」や業務管理の方法がありましたら、ゼヒ教えてください!

| | Comments (81) | TrackBack (0)

September 08, 2004

エンジン屋たちのDNA

engineya_DNA.jpg
 【今週の一冊】
 ●『エンジン屋たちのDNA』

  著:河野浩一と「日産パワートレイン開発本部」取材班(中経出版)
   2004.06 / ¥1,575

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『できないから、あなたが、やるんでしょう。
       誰にでもできるんだったら、エンジニアなんかいらない』
-----------------------------------
 98年には2兆円を越える有利子負債を抱え、倒産の危機にまでさらされた
 日産自動車。
 ところが4年後には負債を完済し、驚異的なV字回復を遂げた。
 
 その“奇跡の”復活は「コストカッター」カルロス・ゴーンの経営手腕によ
 るもの、との評価が多く聞かれる。
 
 ところが当のゴーン氏曰く、「日産の復活は無から生まれたものではない。
 日本企業の成功の鍵である“現場の力”を引き出しただけである」と断言し
 ている。
 
 本書は、その日産の「現場」の技術者達の姿を追ったものだ。
 
 日産のエンジニア最高役職である「技師長」大城義孝氏が、入社以来エンジ
 ン開発に携わった経験を軸として、日産の歴史が語られています。
 
 実は大城氏が技師長になるまでの日産では、経験を積んだエンジニアでも、
 “誰かが部長になれば同期の誰かがいなくなる”という、まるで役所のよう
 な職制になっていたようです。
 
 「エンジンの開発は経験工学」と言われるほど、既に成熟した技術であるガ
 ソリンエンジンの開発は、現場で蓄積した経験こそ命。
 
 命である技術を伝承するために、赤字に陥った昭和60年頃やバブル崩壊後の
 リストラの中で、先行開発を死守する悪戦苦闘ぶりが生々しく描かれていま
 す。
 
 その逆境の中で経験を受け継いできたからこそ、今の日産を支える技術が花
 開きました。
 
 例えば・・
 
 ・10年連続ベストエンジンに選ばれたVQエンジン
  (新型フェアレディーZに採用されているエンジンですね)
 ・3.5リッターカーのCVT(無段変速機)
  (もうすぐ日本でも発売になるムラーノに積まれています)
 ・超低排出ガスシステム
  (炭化水素は大気並という、ガソリン車で世界最高のクリーン度)
 
 等々、よくぞここまで!と驚く成果をユニークな技術で実現しています。
 
 華々しい新技術の開発舞台裏では、大城氏のようなヒーローだけではなく、
 プロジェクトの調整を行う管理職など、等身大のエンジニアの姿が垣間見え
 ます。
 
 「もしかして解がないんじゃないか」と不安になりながらも、ひたすらに現
 物を観察し、考え、あきらめない―。
 
 その技術を脈々と受け継いだ土壌の上に、ゴーン氏のマネージメントが加わ
 ってのV字回復だ、と胸を張る、熱き「エンジン屋」が目に浮かびます。
 
 「不具合の予兆は研究所の試作現場にある」「身に付かなければ教育とは言
 わない」など、さりげない言葉の中にも、経験に裏付けられた、ものづくり
 のヒントが散りばめられた一冊です。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 開発や生産性・品質の向上は、決して途切れてはならない。
 不断の研鑚からしか、明日の技術は生まれない。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 第1章 エンジン屋のDNA
 第2章 エンジニアに求められる三つのC
 第3章 排出ガス規制との闘い
 第4章 四気筒を担うエンジニア魂
 第5章 三リッター無段変速機への挑戦
 第6章 躍進するVQエンジン工場

| | Comments (3) | TrackBack (1)

September 03, 2004

予測は可能だった?美浜原発事故(日経ものづくり9月号より)

メールマガジン「ものづくりを応援! えんぢに屋の『燃える100冊』」の登録をしていただいた皆さん、ありがとうございます。
創刊号は次週、お送りいたしますので、もうしばらくお待ちください。
(まだの方は登録ページからどうぞ。)

さて、今日は「日経ものづくり」9月号の紹介です。
以前の「日経メカニカル」「日経デジタルエンジニアリング」の2誌が統合された、ものづくりの総合誌です。
メールマガジンでも今後紹介したいと思っています。
今月号には緊急解説として、「予測は可能だった 美浜原発蒸気噴出事故」の記事が目に飛び込んできました。

5人の犠牲者を出した大惨事について、現在分かる範囲で原因と背景について解説されています。
これまで報道されているように、二次系冷却配管のオリフィス(絞り構造)の下流に起きた腐食・減肉により、破損が生じたようです。

しかし同じような事故は米国などでも既に起きており、専門家による危険性の指摘は再三なされていました。
にもかかわらず、設計・電力会社・検査のいずれもが、「お粗末」な失敗を重ねて起きた結果が、今回の悲惨な結果を引き起こしてしまったのです。

設計のWesting House社の、熱や流体力学の考慮が不十分な配管構造。
自ら技術管理を行わず、下請けに「丸投げ」していた関西電力。
三菱重工から検査漏れを指摘されながら、報告を怠った検査会社。

誰かが、どこかで事の重大性に気付けば防げた事故だったのではないか。
いや、担当者が気付かなければ漏れてしまう、管理体制に問題が合ったのではないか。

「たら」「れば」は、真実が明らかになってから言えることではありますが、我々エンジニアは失敗の要因をよくよく理解し、他山の石とせねばなりません。


P.S.実は、この記事以外はまだ読んでいませんので、これからゆっくり目を通したいと思います。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

September 01, 2004

台風と日常

台風16号が、猛烈な被害をもたらして、列島を駆け抜けました。

先ほどTVで、昨日の大風に煽られて全焼した喫茶店の映像が映し出されました。
そこはまさに、火事の2日前、私がコーヒーを啜りながら、のほほんと読書にふけっていた店でした!
落ち着いた雰囲気で、最近気に入ってよく利用していました。

その店が、突風の中で消火作業もままならず、焼け落ちていく様には愕然としました。
他の台風の映像を見ても、人事として、野次馬のように見ていたのが、突然身近に迫る「惨事」として感じられました。

何気なく過ごしている日常も、いつ「無常の風」に誘われるか分かりません。

日は替わり、9月1日の今日は防災の日。
停電で切れていることに気付いた懐中電灯の電池を取り替え、非常時の準備を備えると共に、何気ない毎日こそ、大切に過ごさねばならないと感じました。

| | Comments (211) | TrackBack (1)

« August 2004 | Main | October 2004 »