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October 27, 2004

技術者発想を捨てろ!

 【今週の一冊】
 ●『技術者発想を捨てろ!』
  実践的MOTでキャリアが変わる

  著:大阪ガス実践的MOT研究会 監修:永田 秀昭(ダイヤモンド社)
   2004.9 / ¥1,680
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 ◆ 燃える一言 ◆
 『技術者は機械ではない。機械を支配する仕事だからこそ人生を語り、
         人間をマネジメントできる能力がなくてはならない。』
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 MOT(Management of Technology、技術経営)は最近よく耳にしますが、
 残念ながらまだ全体像がつかめていません。
 
 本書でも「教育内容は百家争鳴」とありますが、大事なことは、実際に技術
 を活かした経営を「実践」することに間違いありません。
 
 大阪ガスの現場で、技術者が経営で成功し、利益をもたらしたノウハウと、
 さらにその応用事例が詰め込まれた本書は、現場で磨かれた「技術経営」の
 生の姿です。
 
 「冷やしたぬき、売れてます」というガスヒーポン(ガスで動かすヒートポ
 ンプ)のCMを、関西地方の方は見たことがあると思います。
 
 夏場に不足する電力を、ガスで冷房する「ガスヒーポン」によって解消する
 という「夢の商品」でありながら、営業は苦戦し、夢のままで終わってしま
 う危機が訪れます。
 
 当事者意識が欠如した社内を、「シェア0%をシェア50%に!」という決
 起大会を経て、10年で実現するまでの過程から、技術者の発想を変える6つ
 の法則が導き出されました。
 
 中でも重要な法則の一つが、「『技術のロマン』に『ビジネスのロマン』を
 重ね合わせろ」です。
 
 技術者は「コア技術を磨く」(これも法則の一つですが)ことには脇目も振
 らず夢中になりますが、それだけを追及できる人はわずかであり、またビジ
 ネスとしての結果を生まねば「技術のロマン」で終わってしまいます。
 
 逆に、技術的に難題を抱えていても、顧客満足を第一に考える「ビジネスの
 ロマン」へと目を向けると、ブレイクスルーがあります。
 
 技術者、営業、メンテナンス等多くの人たちを「一つのビジネスのロマン」
 の実現に向かって走り出させるコンダクター(指揮者)がMOTなのです。
 
 ここでもう一つの法則「ドリームパワリングを発揮しろ」が出てきます。
 
 ビジネスのロマンを描いたら、それを共有する「夢」を供給するのです。
 
 一人、二人ではリードするのには限界があります。議論より先に、より多く
 の人に夢を提供し、共有することで、ビジネス成功のために一緒に戦ってい
 る、という喜びを実感できるようになります。
 
 そして「ビジネスの感動」を積み重ねていくことで、夢は広がり、感動は顧
 客にも伝わっていくのです。
 
 技術者がビジネスの成功のために、全員を引き連れて突き進む様子を、パリ
 の七月革命をテーマにしたドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」が、
 旗を高々と掲げるイメージとして筆者は想起しています。
 
 う~ん、燃えるねぇ!!
la-liberte.jpg

 夢の実現のために、法則「技術者の工程表を疑え」は耳に痛いところです。
 
 営業担当者が、日々の結果を求めて必死に過ごしているのに対し、開発2年
 と決めたら、同じ真剣さでエンジニアは毎日仕事をしているでしょうか?
 
 今の開発のスピードは、「ザ・ゴール」のTOCで言うところの、「ネック
 工程」になっていないでしょうか?
 
 技術のロマンからすれば雑用はなくとも、ビジネスのロマンを重ねると、い
 くつかは思い切ってカットして、スピードが出せるはずです。
 
 経営手法や技術管理の手法などのツール=小手先の前に、「えんぢに屋魂」
 に火を点けることの大切さを痛感した(ガスをも着火する!)熱い本です。
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 ◆ 熱い行動 ◆
 24時間、頭の片隅に問題意識を持ち、土日で考え、月火水で動き回り、木金
 で成果を出し、また土日で戦略を練る、というサイクルで動いてみよう。
 
 自分の取り組んでいる技術が、世の中を変えるロードマップを自ら作ろう。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 第1章 大企業病にかかった技術者たち
 第2章 技術者のジレンマを解決する「実践的MOT」
 第3章 技術者が営業の最前線に立つ日
 第4章 技術者の発想を変える6つの法則
 第5章 自由化の中での意識改革
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 ● ひとこと ●
 新潟地方で震災に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 自然の脅威を見せつけられ、愕然としていましたが、長岡にお住まいで被災
 された技術士の方が、無事の知らせに加えて、

 「工場の危機管理を実体験しながら勉強しています。」

 とのメッセージを寄せてくれました。
 その力強さ、前向きさに感激すると共に、自然と共生し、困難を知恵で乗り
 切ってこそ「えんぢに屋」であると、かえって勇気をもらいました。

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