« 分解マニア! | Main | 技術士ポイント講座参加御礼! »

February 16, 2005

日本発次世代エネルギー

jisedaienagy
 【今週の一冊】
 ●『日本発次世代エネルギー』
  挑戦する技術者たち

  著:多湖 敬彦(学習研究社)
   2002.11 / ¥1,785

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『エネルギーは資源と技術があって初めて、エネルギーとなる。
    日本は次世代エネルギー技術、そして次世代エネルギー利用の
                   モデルを輸出することができる。』
-----------------------------------
 地球温暖化防止のために、温暖化効果ガスの排出削減を先進国に義務付ける
 「京都議定書」が、本日発効されます。
 
 日本は、2008~12年に1990年比で6%、03年比では14%もの削減が必要で
 あり、各種報道ではその実現性に疑問を呈し、対策として「環境税」や「排
 出権取引」が、かまびすしく語られています。
 
 しかし、いくら空気を取引しようとも、地球規模の問題の総量としては解決
 にならず、根本的には技術による省エネルギー、脱化石エネルギーが必要と
 なります。
 
 今、注目すべき「次世代エネルギー」とは何でしょうか。
 
 まず挙げられるのは「燃料電池」でしょう。
 
 「水素と酸素の反応により電気を取り出し、水しか排出しない」のが謳い文
 句の燃料電池こそ、次世代エネルギーの旗手と目されていますが、「商品」
 としての実用性には、まだまだ課題が山積しています。
 
 「発電できる給湯器」としての定置型の分散電源も、ホンダやトヨタがレン
 タルする燃料電池車も、「出来のいい小学生」に例えられています。
 
 そのココロは、「将来どうなるかは分からないが、期待はできる。」
 
 今は、欠点を挙げつらわずに、温かく見守ってほしい、というところでしょ
 うか。
 
 資源に乏しい日本において、再生可能な自然エネルギーとして注目されてい
 るのが「太陽光発電」「風力発電」、そして「バイオマス」です。
 
 中でも「バイオマス」は、いろいろな利用形態があり、最も原始的な「薪」
 も含まれます(効率も悪くCO2も出ますが)。
 
 もちろん、現在、模索されているのは自然に悪影響を与えない、再生可能な
 エネルギーを得る方法であり、森林の間伐材を燃料としたマイクロガスター
 ビンや、牛や鶏の畜産廃棄物のメタン醗酵による発電などが実用化されてい
 ます。
 
 バイオマスが、石油や原子力に取って代わるエネルギー源となるのは困難で
 すが、廃棄物の利用による循環型社会を形成する上で、大いに意味がありま
 す。
 
 面白い技術としては、スターリングエンジンによるコージェネレーションが
 紹介されています。
 
 ガソリンエンジンなどの「内燃機関」に対し、燃料を選ばない「外燃機関」
 のスターリングエンジンは、理論的には熱効率が高く、「夢の」エンジンと
 言われます。
 
 ただ、あくまで「夢」であり、教科書だけの理想論…と思っていたのですが
 、実はひっそりと(?)海外では生産され、日本にも輸入されているそうで
 す。
 
 マイクロガスタービンや燃料電池が不得意な、排熱や温度の低い熱源を利用
 したコージェネレーションでの活用が期待されます。
 
 「メタンハイドレード」「海洋温度差発電」「トリウム熔融塩炉」などの、
 珍しい技術も紹介されていますが、いずれもコスト・信頼性・規制等、問題
 が多いことがよくわかります。
 
 しかし、こうして手をこまぬいている間にも、事態は進行していきます。
 
 20世紀までの「大量生産、大量消費、大量廃棄」から舵を切り、地球規模で
 歯止めをかけようとする「京都議定書」を反故とせぬよう、今こそニッポン
 のエンジニアが歯を食いしばらねばならないのです。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 既得権や常識にとらわれていては、「14%削減」は実現できない。
 
 子孫に誇れる「次世代エネルギー」利用のモデルを、我々が作ろう。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 |   | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 はじめに 日本は「次世代エネルギー」を輸出する
 第1部 石油か天然ガスか
  第1章 「燃料電池革命」が持つ意味
  第2章 天然ガス時代は来るか―パイプラインとメタンハイドレート
 第2部 台頭するソフトエネルギー
  第3章 資源としての環境熱
   ―スターリングエンジン・廃熱発電・海洋温度差発電
  第4章 眠れる資源、バイオマス
 第3部 新たな原子力技術を求めて
  第5章 もう一つの原発―プルトニウムをいかにして消滅させるか
  第6章 常温核融合は死んだか
  終章 「廃炉の時代」の選択
-----------------------------------
 ● ひとこと ●
 先週に引き続き、歯医者へ通っています。
 
 実はかれこれ10年ぶりくらいに治療しているのですが、近頃の設備はなか
 なか見応えがあります。
 
 顔の周りをぐるっと回ってレントゲンを取る装置と、その写真の分かりやす
 さには感動すら覚えました。
 (私が知らなかっただけで、昔からあったのでしょうか?)
 
 そのままでは見えないものを、展開してみる、というのは、計測や加工では
 有効な方法ですね。

|

« 分解マニア! | Main | 技術士ポイント講座参加御礼! »

Comments

TBありがとうございます。科学技術の発達は同時に環境問題も引き起こしてしまいましたが、問題を解決するのもやはり科学技術です。エンジニアの皆さんの奮闘を期待します。

Posted by: kow1 | February 17, 2005 at 12:25 PM

エンジニアの皆さんのご活躍をお祈りいたします。

それにしても、規制が多いのも日本のおかしなところですね。

Posted by: U-1 | March 30, 2005 at 10:32 PM

Great concepts on this website. It's rare these days to find websites with data you are seeking. I am happy I chanced on this webpage. I will certainly bookmark it or even register for your rss feeds simply to be updated on your new posts. Keep up the nice job and I'm sure some other folks researching valued information will actually stop by and benefit from your website for resources.

Posted by: payday loans | August 29, 2010 at 09:08 AM

I am really Glad i discovered this site.Added endinear.way-nifty.com to my bookmark! Check out my Kissing Guide !

Posted by: Kissing Guide | February 17, 2011 at 05:15 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48474/2948622

Listed below are links to weblogs that reference 日本発次世代エネルギー:

» 京都議定書発効の日によせて [cocolog版「地学わいわい広場in福島」]
2月16日、京都議定書がようやく発効する。CO2削減に向けた世界の取り組みが一段 [Read More]

Tracked on February 16, 2005 at 03:11 PM

» 無価値な現実と無価値な人間 [占い日記]
 ―― 現実には価値がない 17歳少年による教職員殺傷事件。 不明な点の多い犯行理由について、 田口ランディさんと友人の会話。  「... [Read More]

Tracked on February 17, 2005 at 05:00 PM

» 中国・アジア最大級の洋上発電所を建設へ [ありがとう!風力発電]
中国・アジア最大級の洋上発電所を建設へ 2000キロワットの巨大風車100基を設置計画 浙江緑能投資有限公司は10日、浙江省舟山市岱山県と洋上風力発電所... [Read More]

Tracked on February 22, 2005 at 03:18 AM

» バイオ発電 続報。  夢の燃料メタン [炎と水の物語 2. Apprehensio ad ignis et aquarius.]
バイオメタン発電に興味を持ち、さらに調べてみました。 廃棄物からメタンを取り出す方式には、「湿式」、「乾式」の方式があることを知りました。 メタンは、中国語で... [Read More]

Tracked on March 30, 2005 at 10:47 PM

« 分解マニア! | Main | 技術士ポイント講座参加御礼! »