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February 23, 2005

ロケット工学の基礎知識

rokettokougakunokisotishiki
 【今週の一冊】
 ●『自作ロケットで学ぶロケット工学の基礎知識』
  基礎から最先端のロケット工学技術までをやさしく解説

  著:久下 洋一,渡井 一生,山田 誠(技術評論社)
   2004.7 / ¥1,239

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『打ちあがって行くロケットはそんなに速くないイメージだが、
       目に見えないライフル弾の10倍近い速度にまでなるのだ。』
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 フランスの小説家ジュール・ベルヌのSF「月世界旅行」から始まり、映画
 やアニメーションで描かれる宇宙旅行の姿に、(特にエンジニアは)胸躍ら
 せます。
 
 そんな空想を現実のものとしてきたのが、ロケット開発の歴史と言えます。
 
 本書はロケットの開発史から最新技術、また運動力学の基本、構造、制御方
 法まで、実に分かりやすくまとめられています。
 
 今日に至るまで、ロケットの運動を支配するのは、3つのニュートンの運動
 法則です。
 
 まずロケットが発射台から飛び立つのは「作用・反作用の法則(ニュートン
 の第3法則)」で説明されます。
 
 ロケットエンジンは、高速のガスを下方に噴射し、その作用の方向が反対で
 大きさが等しい反作用で推力を得ます。
 
 この推力=不均衡な力が作用することで、ロケットが発射台から離れること
 を説明したのが「慣性の法則(ニュートンの第1法則)」です。
 
 そして、ロケットエンジンの推力は、燃料の質量と、噴射速度をいかに速く
 できるかで決まり、これが「運動の法則(ニュートンの第2法則)」です。
 
 燃料がエンジンの中で爆発した圧力で噴射される一方、ロケットの重量は燃
 料の分だけ軽くなり、(推力)=(質量)×(加速度)となるために、ロケ
 ットはどんどん加速していきます。
 
 結果として、地球を周回する速度(7.9km/秒)や、重力を振り切って飛び出
 す速度(11.2km/秒)という、冒頭に上げたような日常からは想像だにできな
 いスピードを得るのです。
 
 この速度を得るためには、できるだけたくさんの燃料を、できるだけ高速で
 噴射することが必要だと分かりますが、理想的なロケットの場合、実に全重
 量の91%!が推進剤であり、タンクやエンジンなどの構造体は3%、そして
 人工衛星などの荷物は、たった6%しか充てられないのです。
 
 この欠点を克服するために考えられたのが多段ロケットであり、大きいロケ
 ットを次々と切り離して加速することで、月や他の惑星への航行も可能とな
 ります。
 
 ちなみに、少しでも初期速度を稼ぐため、地球の自転速度が大きくなる赤道
 に近い種子島が、日本ではロケットの打ち上げ基地として選ばれています。
 
 ロケットの基礎を学ぶためのマッチ棒を使った実験や、ペットボトルロケッ
 ト、また学校教材などに用いられる火薬燃料の「モデルロケット」の打ち上
 げ方法も、本書には詳しく掲載されています。
 
 ロケットエンジンの構造や燃焼の理論、航路の考え方、姿勢制御など、楽し
 みながら物理・化学が学べる素晴らしい教材です。
 
 明日24日に予定されていた、国産ロケットH2A7号機の打ち上げは、悪天
 候により26日以降に延期となりました。
 
 前回失敗した6号機から1年半。次期気象衛星を搭載した今回の打ち上げが
 上手くいくよう、見守りたいと思います。
 
 (↓こちらから、打ち上げの様子がライブで見れます!)
  H-IIA F7カウントダウン
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 ◆ 熱い行動 ◆
 昔の「夢」を、今の技術で実現できないか、ワクワクしながら想像しよう。
 
 ロケットがなぜ「矢印」型になっているか、考えてみよう。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 第1章 ロケットの歴史
    ―ロケットの歴史は紀元前にまでさかのぼる
 第2章 ロケットの運動力学
    ―ロケットの運動とニュートンの運動法則の関係を見る
 第3章 簡単にできるロケット運動実験
    ―運動法則を簡単にできる実験で確かめてみよう
 第4章 モデルロケットを飛ばそう
    ―火薬を使った本格的ロケットに挑戦してみよう
 第5章 ロケットの推進器と姿勢制御
    ―実際のロケットのエンジンと飛行中の姿勢制御はどのように
     行なわれるのか?
 第6章 ロケットの設計と構造から打ち上げ
    ―ロケットの設計および構造、そして材料は最新技術の集合体だ
 第7章 最新のロケット技術
    ―スペースシャトルなど最新の状況や技術について紹介
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 ● ひとこと ●
 先週、技術士第二次試験の合格発表がありました。
 
 合格された方も、涙を飲んだ方も、更に「科学技術の向上」と「国民経済の
 発展」に資するエンジニアとして、技を磨いていきましょう。
 
 そして、来年度の合格を目指す方々と、2/19に神戸にてお話する機会を頂き
 ました。
 
 志高く、燃える想いを感じ、たくさんのエネルギーを頂きました!
 
 技術士試験に関して、相談や不安事など、お役に立てることがあれば何なり
 とお問い合わせ下さい。

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Comments

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Posted by: Kissing Guide | February 17, 2011 at 05:15 PM

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