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March 02, 2005

大野耐一の現場経営

onotaiichinogenbakeiei
 【今週の一冊】
 ●『大野耐一の現場経営』

  著:大野耐一(日本能率協会マネジメントセンター)
   2001.5 / ¥1,575

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『かくすれば、かくなるものと分かりなば、
               やむにやまれぬ改善魂(トヨタダマシイ)』
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 今年3月での通期の純利益に、1兆2,000億円を見込むトヨタ自動車。
 販売台数では世界一のGMに対し、利益は3倍に達する勢いです。
 どこまで強いのか!と世界が注目する「トヨタウェイ(トヨタ生産方式)」
 の生みの親が、大野耐一氏です。
 
 今でこそ「トヨタ方式」と言ってはばかりませんが、大野氏が立ち上げた当
 時は、あくまで「大野方式」と呼ばれていました。
 
 ジャスト・イン・タイム、かんばん方式という「危なっかしい」「一つ間違
 えば会社が潰れる」方法を、「腹切る覚悟で」完遂するために、自らの名前
 を冠して実行したのです。
 
 大野氏の眼には、現場の「常識」の中に潜む「錯覚」が映ります。

 量産すれば原価は下がる、というのは「適正な量」の場合であり、ほとんど
 の場合、増産すると「高くつく」。

 極端な例では、100個しか使わないのに、200個作る能力があるから、「たく
 さん作った方が安くなる」と信じて在庫を積み上げてしまう。
 
 「できちゃった」から、在庫を管理するために倉庫を作る。

 どこに何があるか分からないから、自動取り出し設備を追加する・・・。

 「要るものを要るときに要るだけ、できるだけ安く」作るための理屈で考え
 れば、錯覚がムダを産む温床になっていると気付きます。

 逆に少量生産は高コスト、という「常識」があるから、安く作って儲ける。
 
 そのためには、仕事ができない時間を極力排除するのが「理屈」であり、段
 取り替え時間の短縮が必須になります。
 
 結局、量の多少にかかわらず、「限量生産」(限られた量を、できるだけ安
 くつくる)のための理屈から、「大野方式」を考え出したのです。
 
 だから「理屈」が分からずに、中途半端にかんばん方式を使うことを禁じ、
 分からせるためには工場長自らが、現場の班長に語りかけ徹底します。
 
 限量のための理屈だから、今のトヨタのように大量生産ではなく、生産量の
 少ない中企業にこそトヨタ方式は相応しい、というのが大野氏の主張です。
 
 たいしてデメリットもないがメリットもないことを、錯覚の固まり同士が、
 こうなるより仕方ないと「常識化」したものが相当あります。
 
 「脱常識」のためには、議論や数字の上で侃侃諤諤やっても埒があかない。
 
 大きなメリットには必ず大きなデメリットがあるから「やらない」のではな
 く、デメリットの大きな口を塞いでしまえば大きなメリットだけ残る、と考
 え方をひっくり返す「意識改革」が必要なのです。
 
 「トヨタ本」は、あまた世に溢れていますし、大野氏自らが語りかける本書
 は、体系化されておらず、読みやすい文章でもありません。
 
 しかし、現場=会社を変える「トヨタ方式」の原点であり、世界随一のもの
 づくりの智恵と経験が散りばめられた、必読の一冊です。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 「自動停止装置付きの機械を自働機という」というのが、ニンベンの付いた
 「自働機」の定義。
 
 不良が出ても、止まらずに「自動」でつくるのは働いたことにならない。
 
 不良を減らせば、原価が安くなる。だから止める。
 
 自動で止まらなければ、ストップボタンをたくさんつけて、作業者が遠慮な
 く止める。
 
 止められたら困ると考えるのが、品質改善にどんどんつながる。
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 ◆ 熱い行動 ◆
 算術や常識に惑わされず、「こうあるべき」から発想する。
 
 あるべき姿を試してみて、自分の目の前で「失敗」してみよう。
 
 失敗したら、する前より、もう一つ改善すればいい。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 君子豹変す
 間違ったら素直に認める
 錯覚が能率を下げる
 失敗は目で確かめる
 常識の中にひそむ錯覚
 算術計算の盲点
 機会損失を恐れるな
 限量経営とは安くつくること
 在庫減の仕掛増
 量産は安いという錯覚〔ほか〕

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