タグチメソッド わが発想法
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【今週の一冊】
●『タグチメソッド わが発想法』
なぜ私がアメリカを蘇らせた男なのか
著:田口玄一(経済界)
1999.10 / ¥1,400
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◆ 燃える一言 ◆
『技術者は問題が出ないうちに設計を変えて、比較をしなければならない。
その設計が市場でトラブルを生まないかどうかを、
事前に予測することが重要なのである。』
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筆者は1997年、日本人としては本田宗一郎、豊田英二に次いで3人目のアメ
リカ自動車殿堂入りを果しました。
ホンダ、トヨタの社長である二人と比べて、知名度では劣る田口氏が選ばれ
たことに当時のマスコミでは「なぜ?」という反応もありました。
受賞の理由は、氏が提唱した「品質工学(タグチメソッド)」によって、当
時日本の自動車業界に比べて、品質改善の取り組みが遅れていた、フォード
やGMに著しく貢献したことが認められたのです。
それほどインパクトのある「タグチメソッド」ですが、一方で拒否反応を示
す人が多いのも事実です。
それは、直行表やSN比など、やや難解な理論が展開されることが一つであ
り、更に、一見これまでの常識に反するような考え方が飛び出してくるから
です。
例えば、冒頭のコメントに対し、技術者は「問題があるかどうか分からない
のだから設計をどう変えていいか分からない!」と言います。
田口氏の答えは、「勝手にどんどん変えて、ばらつきを比較しなさい」。
問題が出てからそれを直す設計変更を繰り返す「モグラ叩き」では、効果的
な改善には結びつきません。
自分で自由に決められる設計条件をできるだけ多く選んで、それらを組み合
せて実験を行い、その使用条件を変えてばらつきの大きさを比較することで
、市場でのトラブルを予測してしまうのです。
その組み合わせを効率的に行う道具が「直行表」であり、ばらつきの比較方
法が「SN比」と呼ばれるものです。
本書は品質工学のテキストではなく、田口氏が独特の手法を考案するに至っ
た背景を軸に著されています。
現NTT、以前の電電公社の管理下にあった電気通信研究所で、実験計画法
の専門家として、所内の研究者に指導を行い、後にアメリカのベル研究所で
通信理論と実験計画法の研究を行います。
通信の世界では、測定機の機能を示す尺度として信号対雑音比(Signal
Noise Ratio=SN比)が用いられます。
このSN比の考えを全ての技術分野で使えるように発展させたことが、田口
氏のお手柄なのです。
例えば、車のハンドルを切るという「信号」に対し、路面の差という「ノイ
ズ」があっても、車の曲がり方という「出力」が影響されにくいのが良い設
計です。
これを濡れた路面ではどうか、雪道ではどうか、と一つ一つの問題を「モグ
ラ叩き」で設計していては、あらゆる環境での機能評価を行うことは困難で
す。
SN比を機能の良し悪しを表す尺度として、設計研究することで、ユーザー
の多様な使用条件を考えた設計が可能となるのです。
やまさん自身が最近、タグチメソッドを業務に使い始めているところで、実
に印象的に田口氏のエピソードを楽しむことができました。
これからタグチメソッドを学ぶ入門書として、またかつて取り組んだけど挫
折した人の再挑戦のきっかけとしても、一読をお勧めします。
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◇ カンドコロ! ◇
工程能力指数と損失関数は数学的には同等の関係にある。
ただし、工程能力指数は「1」や「1.33」を尺度にするが、0.98と1.00では
どう違うのか、実感できない。
損失関数は、この工程能力指数に経済的な根拠を与えたものだ。
ばらつきが少なくなったことが金額で表されるため、改善にかけたコストと
の比較ができる。
効果が実感できれば、自発的な改善に繋がるのだ。
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◆ 熱い行動 ◆
「特性」「寸法」の結果の測定だけではなく、「SN比」の機能評価を取り
入れよう。
問題が出てからの対策で忙しいから、新しい手法が学べない。
この「悪循環」から早く抜け出そう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
アメリカ発『タグチメソッド』
統計学との出合い
実験計画法の専門家として
「直交表」を効果的に応用
アメリカでの研究生活を通して
QCRGと品質管理
青山学院大学での日々
アジア諸国とのかかわり
SN比マニュアル分科会の発足
品質とコストのバランスを考える損失関数
進化する総合計測法「MTS法」
デトロイト復活とアメリカでの「論争」
二十一世紀への提言
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◇ 関連blog ◇
・『神戸の技術士 鈴木裕のブログ』
やまさんと同じ技術士(機械部門)の方のblogで、本書の書評をされてい
ました。奇遇ですね~!
・『1000冊の本で幸せな成功をつかもう!』
品質工学の基本書ともいえる「開発・設計段階の品質工学」の書評です。
タグチメソッドを使ったblogのアクセス数アップに成功されています!


Comments
おはようございます。神戸の技術士鈴木裕です。
私のブログにTBとコメントありがとうございました。こちらこそよろしくお願いします。
Posted by: 鈴木裕 | April 28, 2005 at 02:59 AM