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April 20, 2005

強い工場

tuyoikoujyou
 【今週の一冊】
 ●『強い工場』
  モノづくり日本の「現場力」

  著:後藤康浩(日経ビジネス人文庫)
   2005.03 / ¥750

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『中国の人件費が日本の三十分の一と考えると諦めが先に立つが、

  日本の人件費が中国の三十倍と考えると対策を考える余地が生まれる。』
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 昨年から、日本経済の復活が実感できるようになりました。
 
 原動力となったのは、間違いなく「ものづくり」の底力でしょう。
 
 トヨタを筆頭とする自動車産業の活況、デジタルブームや高付加価値の白物
 家電による電機製品の復調、また素材産業の好調振りも目を見張ります。
 
 「失われた10年」と言われたバブル崩壊後、いかに地道にカイゼンを重ね
 た現場の努力があったのかを、豊富な事例を通して描き出しています。
 
 
 好調を取り戻した企業の事例からは、「現場の力」を「自社に合った形で」
 取り込むことがカギであると知らされます。
 
 かつての100メートルに及ぶコンベア生産では、多品種少量生産には対応で
 きません。
 
 有効な手段として「セル生産」が取り上げられていますが、セル生産自体も
 不断の進化が必要です。
 
 NEC埼玉での5人一組のセル生産では、5人の間隔が肩を寄せ合うほど狭まった
 り、広く開いたりと変幻自在。
 
 前後工程の遅れを支援する「工程フリー型ライン」によって、作業の遅い人
 がボトルネックとなることを、自律的に解消する独自の仕組みなのです。
 
 
 一方でリコーの複写機ラインでは、コンベアを残しつつ、部品の自動供給装
 置を人が台車で配送する方式に変えるなど、「人を活かした自動化」へと切
 り替えています。
 
 巨大投資をした自動化工場を無駄にせず、多能工の作業者の柔軟性で再生す
 ることが現実的です。
 
 
 「現場の力」の活かし方として、キヤノンでは部品点数一万点もの複写機を
 一人で組み立てることができる「マイスター」を認定しています。
 
 そしてマイスターを、設計・試作・量産などの混成部隊からなる「コンカレ
 ント・エンジニアリングチーム」の一員に迎え、新製品の設計に現場の智恵
 を取り込んでいます。
 
 新製品の直行率(手直しせずに合格する割合)が90%以上になるまで、従来
 であれば1年近くかかっていたものが、現在は1ヶ月まで縮まっています。
 
 
 筆者は、90年代末から2002年頃までの「中国脅威論」は、戦後の「石油危機
 」「円高危機」に並ぶ、第三の危機だったと説きます。
 
 これらに共通するのは、危機は逆に日本を強くしているということです。
 
 「中国危機」は、バブル経済と社会の成熟化で生じた高コスト体質を映し出
 し、日本のものづくりの自己変革を進める原動力となりました。
 
 乾いた雑巾を絞る、とも例えられますが、冒頭のコメントで社内を鼓舞する
 スズキの鈴木会長は、「まだまだやれる」と胸を張ります。
 
 私も豊富な事例に刺激されて、アイデアが沸々と溢れてきました!
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 マツダでは、自動車部品の樹脂成型によるモジュール化を実現するため、強
 度の高いプラスチック樹脂の開発が必要だった。
 
 強度を増すためには、ガラスなどの長繊維を樹脂に混ぜれば良い。
 
 しかし、10ミリのガラス繊維を混ぜて射出成型しても、細かく寸断されてし
 まう。
 
 繊維が短くしか残らない以上、樹脂の粘度を上げて強度を出すしかないと誰
 もが考えた。
 
 「味噌汁にそうめんを入れても切れないが、味噌にそうめんを入れてかき混
 ぜたら全部切れてしまう。」
 
 突拍子もない意見だが、粘度を下げた樹脂で成型してみると、果たして繊維
 は長いままで残った。
 
 成型品は、十分な強度を有していた。
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 ◆ 熱い行動 ◆
 仕掛かり品など在庫は工場の万病の元。
 「目と目」「手と手」で前後工程を分かり合えるレイアウトに変えよう。
 
 電気・水・空気は金がかかる。
 タダで使える太陽の照明と、重力の動力を活かそう。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 1章 世界最強の現場―ニッポンの自動車の底力
 2章 生産現場を救え―業師たちの想い
 3章 小粒で強い現場―こだわりのコストダウン
 4章 セルが工場を変える―リードタイム・イズ・マネー
 5章 マイスターの誇り―人材活性化への道
 6章 部品こそ命―完成品メーカーを超える
 7章 ネットワークに活路―目指すは世界市場
 8章 日本回帰―これからの「強い工場」

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Comments

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