« April 2005 | Main | June 2005 »

May 25, 2005

現場発 ニッポン空洞化を超えて

genbahatu_nipponnkuudouka
 【今週の一冊】
 ●『現場発 ニッポン空洞化を超えて』

  著:関 満博(日本経済新聞社)
   2003.5 / ¥780

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『「空洞化」の時代とは、私たちの創造性を必要とする時代
                        ということでもある。
  そして、この刺激的なテーマを受けて「アジアの時代」と「地域の時代」
        にエネルギーを蓄えて踏み込んでいかなくてはならない。』
-----------------------------------
 「ニッポン空洞化」というタイトルを見て、一時期雪崩を打ったかのように
 中国に進出していた企業が、最近日本に戻りつつある昨今の情勢に合わない
 かな?と思いつつ、ページをめくっていきました。
 
 ところが、「現場の空洞化」とは、そんな目先の問題ではなく、日本の、そ
 してアジアのものづくりの根幹にかかわる、根深い潮流であることを知らさ
 れました。
 
 
 空洞化の議論では、「国内は高付加価値産業へ転換し、低付加価値部門をア
 ジア諸国へ展開する」という意見が聞かれます。
 
 しかし現実には、2つの大きな問題が挙がります。
 
 まず、国内の大多数の中高年や、下請け中小企業にとって、「高付加価値産
 業」に必要な知識や技術は持ち合わせていない可能性が高く、現実には弱い
 部分を「踏み潰して」次の局面へ移行することになります。
 
 また、アジアの中で日本が先頭を走ろうとするのは、すでに「思い上がり」
 であり、気がつけば誰も後をついて来ません。
 
 最近の中国の反日デモも、そんな気分と無関係ではないはずです。
 
 
 空洞化の問題は、「技術の空洞化」と「地域の空洞化」にあるのです。
 
 脚光を浴びる高付加価値の「ハイテク技術」といわれるものは、光技術やバ
 イオテクノロジー、情報通信技術などさまざまですが、それらの基盤となる
 技術は、共通した「機械金属工業」です。
 
 この基盤の上に生産技術が形成され、その上にそれぞれの特殊技術が構成さ
 れる「技術の集積構造」を考えたとき、根底の基盤技術が、歯槽膿漏のよう
 に危機に瀕しており、「技術の空洞化」が進行しています。
 
 また、全国の地方企業がそれぞれに形成した「企業城下町」は、単純労働を
 提供するだけではアジア諸国との競争には打ち勝てないことは明らかです。
 
 
 著者は採るべき道の考え方として、「マニュファクチュアリング・ミニマム
 」を提唱します。
 
 これは、「創造的なものづくりを行うための最低限の加工機能の集合」を意
 味し、上記の「技術の集積構造」の土台を、より広く安定したものにするこ
 とを指します。
 
 かつては大企業を誘致することが、地方の生き残る道と考えられていました
 が、それでは早晩、海外との競争に敗れます。
 
 地方でものづくりの基盤を育て、不足したものづくりの機能を周辺企業や、
 他の地域と補完し合い、切磋琢磨することで強靭な足腰を作り上げる。
 
 更には、「東アジア」という規模の地域で、技術の集積構造をネットワーク
 化するという姿勢で、日本は貢献することが望まれます。
 
 
 産業構造の分析や、地方・アジアのものづくりの現場を、実地に調べた緻密
 な研究成果は、今後10年間は指針として有用です。
 ----------------------------------
 ◇ カンドコロ! ◇
 
 メッキはかつては装飾と防錆が主な用途であったが、近年はエレクトロニク
 ス関連で新たな役割を担っている。
 
 半導体の貴金属による端子メッキや、プリント基板のメッキ処理がそれだ。
 
 他方、メッキ工場は「公害」の典型であり、廃水処理には生産設備の投資に
 匹敵する投資が必要だ。
 
 また、先端技術に用いるための膜厚等の測定設備の負担も増している。
 
 そして、「3K」のイメージから、若者が寄り付かない。
 
 こうして、ニーズは高いが、工場は大幅に減少している。
 
 地方や海外に進出したエレクトロニクス企業にとって、メッキ工場がないこ
 とが、最大のネックとなる。
 
 基盤となる「機械金属工業」が失われている、顕著な例だ。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 自身の企業がおかれた立場を、「技術の集積構造」の中で分析しよう。
 「弱み」と「強み」が分かる。
 
 アジアの「熱い風」を感じて、ものづくりの「志」を取り戻せ。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 プロローグ 空洞化の連立方程式を解く
 第1章 産業空洞化、何が問題なのか
 第2章 技術基盤が失われている
 第3章 モノづくり現場からの視点
 第4章 地域の空洞化、技術の空洞化
 第5章 加速する東アジア進出と技術移転
 第6章 アジア経済の自立にどうかかわるか
 エピローグ 空洞化は超えられたか

| | Comments (41) | TrackBack (2)

May 18, 2005

ティアダウン導入ガイド

teardown
 【今週の一冊】
 ●『ティアダウン導入ガイド』
  短期間でコストダウンを実現する

  著:堀口 敬(日刊工業新聞社)
   2004.12 / ¥2,100

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『ティアダウンはコストダウン活動だけにとどまらず、
    その企業の市場競争力が飛躍的にアップすることにつながります。』
-----------------------------------
 デジタル家電に代表されるように、製品のライフサイクルが短くなり、次か
 ら次へと新製品が出てきます。
 
 自身の設計した製品がいよいよ生産になる、と喜んでいた矢先に、競争相手
 の企業から自分の開発品よりも高性能な製品が発売されてしまったならば、
 泣くに泣けません。(・・が、よくある話です。)
 
 あるいは、自社が売り出した製品よりも、もっと安くライバル企業からすぐ
 に競合製品が売り出されてしまう、というのも、まま耳にします。
 
 このような「悲劇」を繰り返さないための有力な手段が「ティアダウン」な
 のです。
 
 
 「ティアダウン(Tear Down)」とは、「機械を分解する」ことを意味します
 が、別の表現では「リバース・エンジニアリング」とも言われます。
 
 つまり、競合製品を分解しながら「コスト・性能・作り方」の全てを効率良
 く分析する方法であり、他人の知恵の「いいとこ取り」をする手法なのです。
 
 「ティアダウン」を成功させるには「特許の抵触」や「手順の標準化」など、
 いくつかポイントがあります。
 
 中でも重要なこととして、ティアダウンを行うメンバーが「原価管理」に精
 通していることが挙げられます。
 
 ここで必要な「原価」とは、「製造原価」、具体的には材料費・部品費・組
 立費といった直接費であり、これらを見積もる能力が不可欠です。
 
 さらに、このメンバーはコストダウンのノウハウも身につけている必要があ
 りますから、本書では、製品開発メンバーに原価管理教育を徹底し、「原価
 管理部門」という組織にすることを勧めています。
 
 
 原価管理のスタッフが中心にティアダウンを行いますが、正確にコスト見積
 りを行うためには、購買や製造の助言が必要であり、設計ノウハウを見つけ
 るためには開発メンバーの目が必要です。
 
 こうして、ティアダウンの実践は、必然的に全社的な活動となり、その結果、
 新しい取引先の発見(購買)や、新たな組立方法の気付き(生産技術)、あ
 るいは競合との差を意識した営業戦略の立案(営業)といった効果が生まれ
 てきます。
 
 ただし、こうした結果が目に見えるのは、次の新製品開発の時期になること
 が多く、一方で多くの部門に渡る協力が必要ですから、トップが活動をよく
 理解して支えることも、大切なポイントの一つとなります。
 
 
 製品の原価の80%は、開発完了までに決まる、と言われます。
 
 製造段階のコストダウンの余地は小さく、更に製品寿命が短くなった今日、
 生産開始当初から「黒字」であることが求められます。
 
 明確な見積原価を設定し、開発段階でコストダウンを実施するために不可欠
 な手段がティアダウンですから、他社に自分の製品が丸裸にされていること
 を自覚せねばなりません。
 
 分解して眺めるだけから一歩進めるために、ますは標準的な手法を学ぶ、手
 頃なテキストとなる一冊です。
 ----------------------------------
 ◇ カンドコロ! ◇
 
 日々、無理やり押し付けられた開発目標に忙殺されている設計者に、今まで
 以上に高性能な製品や、低コストな製品開発を求めても、「そんなもん無理
 」と断られる。
 
 そんなとき、ティアダウンした他社製品を設計者に見せてみる。
 
 「他社ではこんなに性能が良く、コストも安い製品を開発している。
  それをなぜできないのか?」
 
 プライドと好奇心を刺激された設計者は、がぜんやる気を起こすだろう。
 
 その時、性能評価用など、分解しては困るものには「無断分解禁止」という
 表示を忘れずに・・。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 前例踏襲の「井の中の蛙」は、早晩駆逐される。
 他社の傾向から、ライバルのエンジニアの向かう、「その先」を考えろ。
 
 「ばらして眺める」だけから卒業。
 定量的な分析で、データベースを構築しよう。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 第1章 ティアダウンとは
 第2章 ティアダウンの目的と効果
 第3章 ティアダウン成功のポイント
 第4章 「成功のポイント1」ティアダウンで必要な原価管理知識
 第5章 [成功のポイント2]標準的なティアダウンの進め方
 第6章 [成功のポイント3]ティアダウンをコストダウンにつなげるには
 第7章 [成功のポイント4]ティアダウンで特許に触れないためには
 第8章 業界別のティアダウン実態
 第9章 少し変わったティアダウン
 第10章 原価企画を中心にした総合的なコストダウン活動の提案

| | Comments (155) | TrackBack (0)

May 13, 2005

機械設計6月号に登場!

zsek05060
 【今月の一冊】
 ●『機械設計2005年6月号』

  版:日刊工業新聞社
   2005.5.10 / ¥1,380

-----------------------------------
 日刊工業新聞社の月刊誌「機械設計」のコラム“機械技術士のよもやま話”
 を、『Net-P.E.Jp』(技術士・技術士補と、技術士を目指す受験者のネット
 ワーク)のメンバーで、リレー連載を行っています。
 
 先日発売になった6月号には、私やまさんが登場しています!
 
 □ 「機械設計」2005年6月号  □
 
 私自身の業務は、機械設計ではなく、生産技術が担当なので、「横から見た
 機械設計」というスタンスで書いています。
 
 ぜひ、ご覧になって下さ~い!
 
 感想を寄せてもらえると、嬉しいですねぇ。

| | Comments (28) | TrackBack (0)

May 11, 2005

デンソー 世界の車を支える最強技能集団

denso
 【今週の一冊】
 ●『デンソー 世界の車を支える最強技能集団』
  モノづくりの原点・人づくりの源流

  著:大河 滋(マネジメント社)
   2004.3 / ¥1,680

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『技術者は、もっと勉強してアタマ(頭脳)を鍛えたいと思う。
    技能者は、まだ技能が足りない、もっとウデを磨きたいと思う。
                      それがデンソー人間です。』
-----------------------------------
 愛知万博の開催、中部国際空港の開港と、いま、中部が注目の的です。
 
 中部と言えば、今や日本経済を支えるトヨタ自動車がその中心ですが、トヨ
 タグループの最大手である「デンソー」を忘れてはなりません。
 
 その名の通り、自動車用の電装品=発電機や始動機、カーエアコンやカーナ
 ビなどを供給しており、トヨタのみならず、世界中の自動車メーカーにとっ
 て、デンソーの製品なしに車の製造はままならないまでになっています。
 
 トヨタの電装品部門から生まれた同社が、世界のトップに肩を並べるまでに
 なった秘訣は何なのでしょうか。
 
 
 石原都知事が黒鉛入りのペットボトルを振りかざして、「ディーゼル車NO
 」を叫んだように、ディーゼルエンジンの排ガスをクリーンにする事は、待
 ったなしの問題です。
 
 その切り札と言えるのが、燃料を高圧にして霧状にエンジンに噴射する「コ
 モンレール」システムです。
 
 この「高圧」とは1,800気圧にも達し、しかも1ミリ秒の噴射を1万分の4秒
 の間隔で5回繰り返す、というのが1回の燃焼のサイクルになるのですから、 
 気の遠くなるような精密加工技術、電子制御技術などが必要です。
 
 これを実現したのが、デンソーの技術と技能からなる総合力なのです。
 
 
 特筆すべきは、「技能者」を育てる徹底した仕組みです。
 
 生産現場を支える人材を育てるために、中卒者のための工業高校過程、高卒
 者のための1ヵ年の専門過程、そして高卒後2ヵ年の短大課程と、三つもの
 企業内教育の体制を採っています。
 
 更にその中から選ばれた特待生を、ベテラン技能者がマンツーマンで指導す
 ることで、国際技能競技会(技能オリンピック)で金メダルを取れる技能者
 を次々と排出しています。
 
 世界NO1の腕を持った彼らが、「工機部」や「試作部」に入り、製品を生
 み出すマザーマシンや、高精度な試作品の製作にいそしむことで、デンソー
 の、生産技術を重視する土壌が形成されているのです。
 
 
 「人を大事にする」と、どんな会社でも称えますが、デンソーのこうした人
 材育成は、他社が機械化や合理化で縮小したのと対照的に、50年に渡り一
 貫して持続しています。
 
 「トヨタ生まれの三河育ちは、みな、真面目に働く」と社長が言うように、
 派手なM&Aや、安易な中国進出よりも、こつこつと技能を磨き、伝承し、
 製品に昇華することが、日本のものづくりの原点であることが知らされます。
 ----------------------------------
 ◇ カンドコロ! ◇
 
 二輪車用のフライホイールをネジ締めしていた二十歳の女子作業員が、「今
 日のネジは変だ」と声を上げた。
 
 寸法やネジ山の形状、材料など調べても全く異常がない。
 
 「大丈夫だから作業をして良い」と言っても、「絶対に変だ」と頑として言
 うことを聞かない。
 
 彼女を納得させるためにも、念のためネジを切断してみると・・、ネジの首
 下にクラックが入っていた!
 
 もし、フライホイールを締めたネジが振動を受ければ、ネジが破断して大事
 故に繋がることは目に見えていた。
 
 若い女の子が身につけた熟練技能の鋭い感覚と、自身が担当する製品が果す
 役割を理解した上でクレームをつけた勇気に、救われたのだ。
 
 二十歳の女子従業員も、「技能のデンソー」を支えている。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 会議の報告やメールではなく、現場で触れ合って、心を伝えよう。
 
 図面通り作るのが品質ではない。
 品質を決めるのはお客さんだ。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 |   | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 第1章 コモンレールに賭けた「モノづくり世界一」
 第2章 「技術×技能=デンソー」の源流を探る
 第3章 技能オリンピック金メダリスト続出の背景
 第4章 メーカーの原点は「人」にあり
 第5章 いまこそ「モノづくりニッポン」再び

| | Comments (62) | TrackBack (1)

May 05, 2005

科学技術はなぜ失敗するのか

kagakugijyutu_sippai
 【今週の一冊】
 ●『科学技術はなぜ失敗するのか』

  著:中野不二男(中央公論新社)
   2004.11 / ¥800

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆
 『日々起きている事件や事故には、
            かならず一歩踏み込んだ背景があると私は思う。
  科学・技術がからんでいる場合には、
                そこにこそ本質があるといってもよい。』
-----------------------------------
 連日、尼崎脱線事故の報道が繰り返されています。
 
 過密な運行ダイヤ、オーバーランの遅れを取り戻すための速度超過、旧型の
 ATS(列車自動停止装置)の速度オーバー未対応、等々。
 
 メディアは次々と情報を流しますが、我々はこの悲惨な現実から、何を学ぶ
 べきなのでしょうか。
 
 最近のニュースを、科学や技術の側面から眺めた本書を開いてみました。
 
 
 03年には原子炉の炉心隔壁などにクラックが検出されながら、隠蔽してい
 たニュースが何度となく取り上げられました。
 
 これは、原発の建設規格が、経年劣化やばらつきを考慮せず、建設時の新品
 状態でなければならないと定めており、この「建前」を守るために記録が書
 き換えられていたのです。
 
 過去を振りかえると、第2次世界大戦の日本の主力戦闘機、零戦は、アメリ
 カの戦闘機と比して、攻撃力と旋回性能を優先し、防御能力を犠牲とした「
 攻撃は最大の防御なり」を体現したような機体でした。
 
 「攻撃は最大の防御」とはいっても、それは心構え、建前であり、戦闘状態
 では被弾という「失敗」の確率がゼロになることはありえません。
 
 
 日本人は、「失敗率0パーセント」にこだわりすぎる、と筆者は説きます。
 
 “安全神話”という言葉自体が、情緒的な期待であることを忘れてはなりま
 せん。
 
 「失敗率0パーセント」は建前、希望的観測であり、実社会に持ち込むべき
 ではなく、私たちは「成功率0パーセント」から始めるべきです。
 
 そして、失敗の研究を重ねて、成功率0パーセントから100パーセントの
 どの地点に到達したかを正確に評価してこそ、向上するのです。
 
 
 03年2月1日にスペースシャトル「コロンビア号」は、大気圏突入時の事
 故により、7名の乗員が犠牲となりました。
 
 直後に事故調査委員会が設置されましたが、空中分解した機体部品は、カル
 フォルニア州から、ネバタ、ユタ州にかけての空域から落下し、回収は思う
 ように進まず、事故原因の究明は困難を極めます。
 
 しかし地道に分析が進められ、その都度調査の進捗は公表されるに連れ、事
 故の経緯が明らかになってきました。
 
 事故後しばらくは、燃料タンクから脱落した断熱材が、機体下面の耐熱タイ
 ルに衝突したことが原因と推測されましたが、丹念な調査と顕正の結果、燃
 料タンク取り付け部の断熱材が左翼付根に衝突した際に生じた亀裂が要因と
 の見方に変わりました。
 
 こうして最終報告が出たのは事故の半年後、8月26日のことでした。
 
 
 この調査の間は、再発防止のための原因究明に重点が置かれ、「責任追及」
 が先行するようなことはありませんでした。
 
 原因が明確になっていない段階では、責任の所在も明確ではなく、責任追及
 に過剰な重点を置くことは、むしろ原因究明の障害とさえなります。
 
 
 二度と再び、致命的な過ちを繰り返さないために、まずは感情的に過ぎた報
 道に流されす、冷静に、正確に調査し、公表することが不可欠です。
 ----------------------------------
 ◇ カンドコロ! ◇
 
 昨年起きた、美浜原発の蒸気漏れ事故は、冷却配管のオリフィス(絞り)の
 下流に生じたキャビテーションが、管の壁を削ったために生じた。
 
 高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故は、配管に“直角”に刺し込
 まれた温度計に、カルマン渦が発生し、振動でさや管が疲労破壊したために
 起きた。
 
 いずれも大きな問題になったが、それは「原子力」特有の現象ではない。
 
 技術屋ならば、設計に際し当然想定せねばならない条件だ。
 
 「原子力」だから問題にするのではなく、技術の本質に問題があることを見
 抜かねばならない。
───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 感情論や責任追及の前に、事実の究明が優先だ。
 真実が明らかになれば、自ずと責任は明確になる。
 
 「成功率0パーセント」から、対策を積み上げよう。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 |   | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 ◎ 目 次 ◎
 第1部 「科学技術立国」は幻想である
 第2部 超大国アメリカの産業戦略
 第3部 国際舞台での科学技術外交
 第4部 日本の科学技術ビジョンを問う

| | Comments (18) | TrackBack (1)

« April 2005 | Main | June 2005 »