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June 29, 2005

ムダとり

mudatori
 【今週の一冊】
 ●『ムダとり』
  現場の変革、最強の経営

  著:山田日登志(幻冬舎)
   2002.04 / ¥1,400

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『ムダとりは、明日やることを考えるのではなく、今日やることを考える。
 
              それを毎日続けることで実力をつけるのだ。』
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 中部国際空港や郵便局、最近は学校の運営にまで「カイゼン」が取り入れら
 れ、「トヨタ生産方式」のセンセイは引っ張りだこです。
 
 トヨタ生産方式の生みの親、大野耐一氏については、以前に紹介しましたが
 (http://tinyurl.com/ca9ky)、今回は大野氏から薫陶を受けた「カイゼン」
 の伝道師、山田日登志氏の著書です。
 
 ソニー、キャノン、NEC、三洋電機など、名立たる企業の現場を再生した
 「ムダとり」の手腕を、覗いてみましょう。
 
 
 生産現場における「ムダ」とは何でしょう?
 
 山田氏は分かりやすく、3つにまとめています。
 
 まず一つ目の「停滞のムダ」とは、材料、仕掛品、製品が停滞していること
 で、それをどう少なくするかを考えるところに、ムダが見えてきます。
 
 次に「運搬のムダ」が挙げられ、守衛室の前を通って材料が入って、製品と
 して出て行くまでの間、モノをどれだけリフトや手で運んだところで1円も
 儲からないのであって、「工場内の運搬はすべて悪としてなくせ!」と言い
 切ります。
 
 最後に「動作のムダ」があり、たとえば部品を右の作業台から左へ移すと、
 1個2秒のロスでも、5000個扱えば時間単位の損失になります。
 
 
 これらの視点から編み出されたのが「一人屋台生産方式」や「セル生産方式」
 なのです。
 
 従来のベルトコンベアーによる大量生産で生じていた、作業スピードの差に
 よる仕掛=「停滞のムダ」を省き、コンベアーという「搬送のムダ」を除き、
 手の動きを最小限にして「動作のムダ」をなくす。
 
 その結果、鳥取三洋電機の工場では、5ヶ月間で364人もの工数が減ったの
 です。
 
 
 一方で、「ムダを省く」「標準動作」とか、「多能工化」と聞くと、「秒単
 位で管理をされて、しかもいろんなことをやらされるのはシンドイ!」と非
 難する声も聞こえてきます。
 
 しかし、ベルトコンベアー方式の生産では、同じ作業を長時間繰り返し、人
 間を「単能工」の枠に押し込んで、せっかくの「向上心」や「意欲」を奪っ
 ていたのではないか。
 
 また、ムダがない動作、とは、最も楽な動作であり、スポーツのように鍛錬
 することで、動作は洗練されていきます。
 
 
 「ムダとり」は、決して生産性重視の非情な論理ではなく、また利益優先で、
 労働力を酷使するシステムでもありません。
 
 人間を大事にする、幸福を追求する考え方なのです。
 
 
 冒頭の言葉をはじめ、章の合間合間に収められた、35の熱い「山田語録」は、
 氏が長年のコンサルタントの中で発した珠玉の言葉です。
 
 その輝かしい実績とともに、説得力を持って「ガツン」と響きます。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 「ムダとり」の指導で、山田氏が必ず見るのは、一番に「出荷」、次に「生
 産」の現場だ。
 
 生産計画は工場で立派に管理していても、出荷はロジスティックスとか外注
 先が工場の支持で行っているところが多い。
 
 さほど重要視していないのだ。
 
 結果、お客様の声や事情など、ほとんど考えていないことがある。
 
 そんなところでは、お客さんの欲しい商品は出荷できず、いらない商品は在
 庫の山で、倉庫を占領しているケースが多い。
 
 人やモノが多いところには、必ずといっていいほどムダがある。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 山のような在庫を抱えるならば、生産を止めたほうが負担は少ない。
 いざとなれば「生産しない勇気」を持っているか。
 
 オフィスワークも「標準作業」「生産管理」「サイクルタイム」を決めて、
 意識すれば生産性は上がる。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 第1章 「ムダとり」とはなにか
 第2章 脱「大量生産=分業」宣言
 第3章 「ムダとり」を成功させる経営とは
 第4章 なぜあなたにはムダが見えないのか
 第5章 常識を打ち破らなければ組織は変わらない

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June 22, 2005

土木のこころ

dobokunokokoro
 【今週の一冊】
 ●『土木のこころ』
  夢追いびとたちの系譜

  著:田村 喜子(山海堂)
   2002.04 / ¥1,995

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『技術官は直接国民を災害から護り、国土を安定させ、産業の基盤を創り、
    文化向上の源泉を劃して、黙々と興す業績はいつか立派に結実して
                       永遠に国家に寄与する。』
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 今回は、かなりスケールの大きなものづくり、「土木」がテーマです。
 
 日本国内、今はほとんどどこへでも「地続きで」車を走らせ、電車で行ける
 ことに何の疑問もありませんが、その足元には「道」が通じ、「橋」が架か
 り、「トンネル」が通り、「鉄道」が敷かれています。
 
 まるで空気のように当たり前と思っているこれらの道程を、初めに切り開い
 たのは、多くの「土木屋さん=シビルエンジニア」の、使命感と汗でした。
 
 
 「日本の道路は信じがたいほどに悪い。工業国にして、これほど道路を無視
 している国は他にない」とアメリカの調査団に酷評されたのが、わずか50年
 前の道路事情です。
 
 当時の道路は人間と馬が通るためのもので、主要幹線道路の国道1号線でさ
 え、砂利道の連続でした。
 
 ほとんどゼロの状態から、日本列島をつなぐためには、道路政策の整備、高
 速道路の財源確保といった政治面も、関門トンネルや本州四国連絡橋などの
 難工事という技術面も、有名無名の土木屋達の活躍があったことを知らされ
 ます。
 
 「海峡の人柱となっても、かならず成功させねばならない。」
 関門海峡トンネル起工式で述べた、責任者 釘宮磐の岩をも通す信念が、雄
 弁に物語っています。
 
 
 また、一方の交通の雄、鉄道網の整備も、技術者の熱と技の積み重ねです。
 
 新幹線を走らせるには、車体や安全装置の技術が求められますが、時速200キ
 ロ以上を出す列車の走行を可能にする軌道の敷設は、欠かせない重要な要素
 です。
 
 莫大な費用をかけて建設する新幹線は、「世界の三馬鹿、万里の長城、戦艦
 大和、新幹線」と揶揄されながら、まさに万里の長城さながらに、長大な軌
 道を敷設しました。
 
 2キロメートルに及ぶロングレールに加わる、高速で通過する何百トンの列
 車の重量を支えるのが、PSコンクリートと呼ばれる材質の枕木と、日々夜
 夜繰り返される、「保線」という線路の補修です。
 
 特に、保線マンは、レールの2,3ミリのひずみを見抜き、レールの継ぎ目
 の長さを通貨列車の音で聞き分ける「匠」であり、安全を護る「シビルエン
 ジニア」なのです。
 
 
 本書には、主に20世紀に国内で活躍した20名の土木技術者をまとめられ
 ていますが、彼らの言動には、人目に触れない基礎づくりが、将来の豊かな
 社会を生み出すという、「誇り」と「自負」が溢れています。
 
 戦後、高度成長期と現代では、土木に求められる内容も大きく変化していま
 すが、技術者が持つべき「志」は、寸分も違うことはありません。
 
 ダム、道路、鉄道など、厳しい視線が注がれている今こそ、誰のために、何
 のためにつくるのか、彼らの使命感に学ぶべきでしょう。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 関門トンネルは、国を挙げてのビッグプロジェクトだった。
 
 全国的に物資、食料、衣類などの不足は深刻だったが、他の工事を取りやめ
 てでも、関門の現場に資材が注入された。
 
 釘宮がある時、厳しい語気で部下に工事の使命の重要さを説いた。
 
 「一本の釘が廊下に落ちていた。それを踏んで歩いたものがある。
 
  わたしはそれを拾い上げて、ここに持っている。
  
  一本の釘を軽んじるようで、どうしてこの難局を乗り切れると思うか」
 
 小を軽んじ、大を失う恐ろしさを、彼は痛感していた。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 自分の技術は、「今」と「将来」の人々を、豊かに、安全にできるか。
 自覚と誇りを呼び覚ませ。
 
 今の環境は、あって当たり前なのか。ないのが当たり前なのか。
 「当たり前」のつけどころを間違うな。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 |   | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 田辺朔郎 広井勇 八田与一 赤木正男 釘宮磐 宮本武之輔 永田年
 藤井松太郎 富樫凱一 粟田万喜三 仁杉巌 星野幸平 笹島信義 尾崎晃
 高橋国一郎 大西圭太 松島久光 吉田巌 高橋裕 小野辰雄

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June 15, 2005

カタツムリが、おしえてくれる!

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 【今週の一冊】
 ●『カタツムリが、おしえてくれる!』
  自然のすごさに学ぶ、究極のモノづくり

  著:赤池 学, 金谷 年展(ダイヤモンド社)
   2004.4 / ¥1,680

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『自然はわれわれの知性にとっては限りなく驚嘆すべきことを、

                最高の容易さと単純さとでつくっている』
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 明日は我が家の地域の「資源ごみ」の日です。
 
 溜まりに溜まった空き缶やペットボトル、壊れた電話や梱包材などを(今度
 こそ)一気に片付けようと、ウチの奥さんも張り切っています。
 
 こうして分別回収して再資源化することは良いことですが、化石エネルギー
 を大量消費していることは紛れもない事実です。
 
 果たしてこの生活、この技術で、人類は「持続可能」なのでしょうか?
 
 
 その一つの回答として、「ネイチャーテック」という概念が提案されており、
 実践している企業として、トイレなどで有名なINAX社が採り上げられて
 います。
 
 「ネイチャーテック」の一つ目の定義は、「持続可能な自然素材を活用して、
 従来の人工素材を上回る性能を実現させた技術で、かつ、ライフサイクルで
 著しい環境負荷の低減を可能にしたもの」です。
 
 
 例として挙げられた、「エコカラット」と呼ばれるタイルは、ナノレベルの
 微細な空孔を持つため、抜群の吸放湿性と有害物質や悪臭成分の吸収力を持
 った、優れた内装材料です。
  
 いわゆる「ナノテク」と呼ばれる技術が、莫大なエネルギーを使用するのに
 対し、厳選した天然の土を、従来のタイルよりも低温で焼き上げた「焼き物」
 ですから、「自然素材」「従来を上回る性能」「環境負荷の低減」の三拍子
 揃った、スーパータイルなのです。
 
 しかも、この開発が、日本家屋の蔵の「土壁」を徹底的に分析・調査し、そ
 の機能をタイルとして再現しようとしたところから生まれた技術であったこ
 とに驚かされます。
 
 
 もう一つの「ネイチャーテック」の定義は、生物や自然の持つ機能に学び、
 模倣する技術です。
 
 タイトルにもあるように、カタツムリの殻は、どうしていつも汚れずにツヤ
 ツヤ光っているのでしょう?
 
 カタツムリの殻は、材料的に「撥水性」(水をはじきやすい)があり、表面
 に形成されたシリカの細かい凹凸によって、油汚れを落としやすい性質も有
 していることが分かり、水周り製品には欠かせない「防汚性」の優れたお手
 本だったのです。
 
 このカタツムリにヒントを得て、INAXは実際に外壁、キッチンシンク、
 そしてトイレの防汚技術として応用、製品化しています。
 
 
 これまでの「ものづくり」は、石油から精製された「ベンゼン」や、精錬さ
 れた「炭素鋼」に、高温高圧をかけて「力任せに」創り出す技術が主体です。
 
 しかし、人間は37度の体温で、高度な化学反応を起こし、クモは石油繊維よ
 り軽く、鋼鉄より強い糸を紡ぎ出し、地中のマグマは岩石を「蒸し焼き」に
 して溶かしています。
 
 いずれも、人工的なものづくりよりも、ずっとエントロピーの低い、エネル
 ギーや資源の無駄がない変化です。
 
 自然の美しさに感動し、体験し、学び、模倣する。
 
 これまでの技術とは異なるアプローチの「ネイチャーテック」という視点が、
 21世紀のものづくりには必要です。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 「人間」という自然の一部に学ぶためには、人の感覚的な評価を測定するこ
 とが必要だ。
 
 人の感性を数値化することを、官能評価という。
 
 INAXでは、人の感覚と、物理量との相関を指標としている。
 
 例えば、「すべりやすさ」の評価。
 
 縦軸に、「すべりやすい」「すべりにくい」という実際に人が歩いたときの
 感覚をとる。
 
 横軸に、モデルで実験した「すべり抵抗係数」をとる。
 
 この関係をグラフ化すると、曲線が現れて、相関があることが分かる。
 
 これさえあれば、「すべり抵抗係数○~△」のタイルを開発しよう、と決め
 ることができる。
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 ◆ 熱い行動 ◆
 あなたの技術の、ライフサイクルを通じた環境負荷はどれほどだろうか。
 「ネイチャーテック」でブレイクスルーはできないか。
 
 子供と一緒に、「ムシキング」ではなく、本物の「ムシ」を観察しよう。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 序章 新たな、モノづくりのパラダイム ネイチャーテック
 第1章 土に学び、土を活かす
 第2章 水に学び、水を活かす
 第3章 生き物に学び、生き物を活かす
 第4章 人に学び、人を活かす
 第5章 歴史に学び、歴史を活かす
 終章 科学者よ、技術者よ、そして経営者よ、ネイチャーテックのドアを開
    け!

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June 08, 2005

はじめての工学倫理

hajimetenokougakurinnri
 【今週の一冊】
 ●『はじめての工学倫理』

  著:斉藤 了文、坂下 浩司(昭和堂)
   2005.04(第2版) / ¥1,470

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 ◆ 燃える一言 ◆
 『事故は、道徳的な悪ではなく、むしろ、技術者が道徳的責任を
 
           よりよく遂行するための価値ある研究材料である。』
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 JRの脱線事故から1ヶ月あまりが経過し、一時期の過剰な報道は収まって
 きました。
 
 明らかになった原因は、端的に言えば「速度超過による過大な遠心力」でし
 た。
 
 これまでの間に我々が見聞きしてきた事実から、安全のための教訓を得るた
 めに、今回取り上げた書籍から、「工学倫理」の観点で過去の事例を引いて
 みたいと思います。
 
 
 まず、アメリカの癌治療センターで起きた事故の事例。
 
 この放射線治療器は、金属板を介してX線を照射する機能と、直接弱い電子
 線を照射するモードを、キーボードの「X」と「e」を打つことで切り替えて
 いました。
 
 ところが、切り替えを「↑」「↓」のカーソルで行うとソフトのエラーが発
 生し、強烈なX線を誤って直接照射してしまい、人命が奪われるという事故
 が起きました。
 
 確かに、設計通りの「正しい」使い方ではなかったのかもしれませんが、人
 間は手順間違いや、作業の抜けなど、必ずエラーを犯します。
 
 「失敗を犯す」ことを前提に、人間工学に基づいた設計が必要なのです。
 
 
 今回、最も非難が集中したのは、運転士が制限速度70km/hを大幅に上回る速
 度でカーブに進入したこと、加えて運転士の技量やJRの教育方法について
 ですが、人のミスをカバーできる保安装置(ATS)がありながら、設けて
 いなかったことこそが、最大の問題ではないでしょうか。
 
 
 ニューヨークのマンハッタンに建てられたシティーコープタワーは、9階分
 の高さの4本の柱で、59階建のビルを支えるユニークな構造です。
 
 建築家ルメジャーは最新技術を駆使してこの設計を行いましたが、完成後に
 「16年に一度のハリケーン」には耐えられないという事実を突き止めました。
 
 当時の建築基準は満たしていたものの、彼はこの事実を公表し、再度設計を
 行って修理を行い、見事ハリケーンの前に完遂しました。
 
 この責任ある行動は、ルメジャーの名を優れた技術者として一躍有名にした
 のです。
 
 
 翻って、今回の事故直後、JR西日本が早々に公表した「置き石説」や「133
 km/hまでは横転しない」という説明は、事故原因の追究に誤った先入観を抱
 かせることとなり、混乱と不信を増幅させました。
 
 倫理面での責任を遂行する上での障害として、以下の8点が挙げられます。
 
 「利己主義」「意志の弱さ・恐れ」「自己欺瞞」「無知」「自己中心主義」
 「狭い視野」「盲従」そして「集団思考」。
 
 ルメジャーの勇気と知恵に、大いに学ばねばなりません。
 
 
 また、「衝突しても安全な強度が足りなかった」「過密ダイヤで利便性を追
 求しすぎた」などの意見に対して、安全性と経済性の観点から、果たして妥
 当な意見といえるか、疑問が出てきます。
 
 こうして、できるだけ具体的な事例と比較しながら、工学的な判断力と、倫
 理的な判断力をトレーニングしていくことが、ただの「きれいごと」ではな
 い、生きた「工学倫理」を身に着ける近道ではないでしょうか。
 
 複雑で、多面性のある問題だからこそ、21世紀の技術者にとって欠くべから
 ざるキーワードが「技術者倫理」なのです。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 倫理問題の解決方法の一案として、「セブン・ステップ・ガイド」がある。
 
 ステップ1:問題を述べなさい。
 
 ステップ2:事実関係を調べなさい。
 
 ステップ3:関連事項を確定しなさい。
      (誰が、どんな法律が、どんな制約が関わるか 等)
 
 ステップ4:思いつく限りの対策案を出してみなさい。
 
 ステップ5:それらの案について、以下のことを考えてみなさい。
  a)その案は、他の案より害が少ないか?
  b)その案は、新聞等で公にできるものか?
  c)その案は、議会の調査委員会などの前で擁護できるものか?
  d)その案は、自分が他の人からされることを望むものか?
  e)その案は、同僚が聞いたとしたら、何と言うか?
  f)その案は、自分が所属する専門団体の倫理委員会が知ったら何と言うか?
  g)その案は、自分が所属する企業の倫理委員会が知ったら何と言うか?
 
 ステップ6:ステップ1~5に基づいて選択しなさい。
 
 ステップ7:ステップ1~6を再検討しなさい。
       今回のような事態を避けるための予防策がないか考えなさい。
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 ◆ 熱い行動 ◆
 「自分ならどうする」と考えることを習慣付けて、今の目の前のことに応用
 しよう。
 
 過去の失敗を繰り返さないことは、技術者にとっての「責務」と自覚せよ。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 1 事例分析
 (専門知見の研鑚、有名な事故、専門家の責任、倫理規定、トレードオフ、
  安全性と設計、消費者を守る責任、製造物責任、知的財産権、企業秘密を
  守る、技術者と組織の対立、内部告発、セクシャル・ハラスメント、わい
  ろ、経営や社会制度を視野に入れる必要)
 2 工学倫理の基礎知識
 (リスクについて知るべきこと、知的財産権について知るべきこと、製造物
  責任法について知るべきこと、ビジネス倫理について知るべきこと、倫理
  要綱について知るべきこと、応用倫理について知るべきこと、倫理概念に
  ついて知るべきこと、工学の倫理概念について知るべきこと)

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June 01, 2005

カイゼン・ポエム

 【今週の一冊】
 ●『カイゼン・ポエム』
  迷えども、愛しきリーダーたちへ

  著:松崎俊道(三五館)
   2004.11 / ¥1,050
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 ◆ 燃える一言 ◆
 『あなたが抱えている その問題も 今すぐカイゼンに取りかかろう。
 
             少しだけ変えると 少しでも変わるのだから。』
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 「ものづくり」や「カイゼン」に、ポエム??
 
 なんとも奇妙な取り合わせですが、そこに惹かれて手に取りました。
 
 改善をはじめとする仕事のノウハウや思想は、通常ビジネス書や参考書とし
 てまとめられますが、果たしてどれだけ「現場」で、とっさに使うことがで
 きるでしょうか。
 
 もっとシンプルに、的確に、そして「激しく」カイゼンを伝える手段として、
 ポエム形式でまとめられたのが本書です。
 
 
 例えば、「段取り八分」というポエムの中から。
 
 「仕事前の手順や準備を 整えることで
  仕事の成果の80%は決まってしまう。」
 「才能の良し悪しは 一朝一夕にはカイゼンできないけれど、
  段取りの良し悪しは すぐにでもとりかかれるよ。」
 
 このポエムに、「イケイケドンドン!」が信条の、「ミスター・イケドン」
 というキャラクターが、「まず行動!段取りを考えているうちに日が暮れて
 しまう」と突っ込みを入れます。
 
 
 しかし、体は動いても、頭を使っていないのでは?
 だから進歩がなく、いつまでたっても同じ間違いを犯します。
 
 段取りのことを考えないから日が暮れてしまうのではないですか?
 
 段取りは、どういう手順で物事を進めたら一番早く、正確にコトが運ぶか、
 ということです。
 
 
 次に、「あなたのガンバリだけでは限界がある」から。
 
 「パイを焼く 若い女性を見てごらん。
  彼女は焼きたての パイを売るお店を始めたよ。
  若かったのにあっというまに おばあさんになってしまったよ。」
 「専門能力(パイを焼くこと)と 経営能力(パイ屋を始めること)とは
  全く違う!」
 「『システムを作ろう!』 何のために?
  『あなたのガンバリに頼らないですむように』」
 
 
 「今さらそんなこと…」が口癖の、何に対しても疑い深い「今さら先生」は、
 「彼女はパイを焼くことが好きだったわけで、お店を経営することには興味
 がなかったろうから、それでいいんじゃない?本望だ。」と冷めたコメント。
 
 しかし、おばあさんが若い頃のパイへの情熱の炎がまだ消えていなければ、
 自分の味を残したい、お店も何とか残したいと切望しているはずです。
 
 そこで、「合理的手抜き」が必要です。
 
 しなくてもいいことはしない、しなくてはならないことはする。
 
 勤勉なおばあさんが、自分ではしなくてもいいことをして、若い人の伸びる
 可能性を奪っているかもしれないのです。
 
 
 さらりと読め、脇役のキャラクターも手伝って、実用書とはちょっと違う、
 印象深いメッセージが伝わってきます。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 松下幸之助さんのコメントを引用したポエム。
 
 「あのな、3%のコストダウンは難しいで。
  せやけどな、30%のコストダウンは 簡単やで。」
 
 「3%は今までの延長線上のカイゼンだ。
  乾いた雑巾をなお絞り上げるような 難しさだ。」
 
 「30%の答えは延長線上にはない。
  でも今までのやり方を全否定したら 簡単にできる。」
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 ◆ 熱い行動 ◆
 愚痴をこぼす前に、いま少しでも変えられることはないか。
 小さく変えるは、大きく変わるにつながっている。
 
 自分の熱い思いを、ポエムにしてみよう!
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 ◎ 目 次 ◎
 1 カイゼン・スピリッツ
 2 成功者は知っている
 3 リーダー御法度抄
 4 ココロのスタミナ
 5 魔法の言葉

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