« 勝つ工場 | Main | 人工臓器は、いま »

January 25, 2006

これだけは知っておきたい「職務発明制度」

syokumuhatumei
 【今週の一冊】
 ●『これだけは知っておきたい「職務発明制度」』
  技術者のための特許法の常識

  著:帖佐 隆(日刊工業新聞社)
   2002.09 / 1,575

-----------------------------------
 ◆ 燃える一言 ◆

『特許の創出、そして知的財産の創出は、個人レベルから国家レベルまで
 
        非常に大きな意味を持つものである。
 
                ぜひ特許創出活動に燃えるべきである。』

-----------------------------------
 エンジニアにとって、「特許」は、良きにつけ悪しきにつけ、切っても切り
 離せないものです。
 
 年も改まり、「今期中に○件出願!」というプレッシャーを、日々感じてい
 る方もいることでしょう。
 
 さて、そもそも「特許」とは何のためにあるのでしょう?
 
 
 著者曰く、「特許」は「お金が儲かるかもしれない」というニンジンです。
 
 このニンジンをぶら下げて発明を促すことで、技術を進歩させ、産業を発達
 させようというのが「特許法」という制度です。
 
 ということは、我々が発明をして特許出願するということは、ある種国策、
 世の中に貢献することであり、それで自分も「儲かるかもしれない」という、
 なかなか「いい話」なのです。
 
 
 この文脈からすると、当然特許は「発明者」のものでしかありえません。
 
 たとえば第三者が、発明にかかる費用を負担したから「特許権」を得られる
 とすると、発明者の「儲かるかもしれない」という発明の意欲を削がれるこ
 とになり、特許制度の理念に反するからです。
 
 つまり、発明者は「特許権は、本来的に自分のもの」という権利意識を持つ
 べきなのです。
 
 
 しかし、企業に勤める技術者の場合、登録された特許の「発明者」ではあっ
 ても「権利人」ではないことがほとんどでしょう。
 
 これは「職務発明制度」と言われ、従業者である発明者が、使用者である企
 業に、その発明の特許権等を使用者に「譲渡」したためです。
 
 そしてこの場合、発明者には「相当の対価」を受ける「権利」があることが、
 はっきり規定されています。
 
 ですから、この「対価」は、特許による独占性のお陰で、通常の利益以上に
 儲かった分について、貢献度に応じて決められるのが「スジ」なのです。
 
 
 ところが、主には雇用主側の意見として、「対価は雇用者側が総合的に決め
 るべきだ」「技術者には賃金を払っているのに対価を払うのは二重取りだ」
 などの声が聞こえます。
 
 前者の意見は、特許を使用者側のみのものと考え、「対価」を処遇とする誤
 解から生まれたもので、発明者が譲渡した際に得ている「権利」であること
 を忘れています。
 
 また後者は、利益の全てを発明者が持っていけ!と言っているのではなく、
 発明の特許権がたたき出す、独占による利益のうち、発明者の貢献分が「対
 価」であることの理解不足から生じた間違いといえます。
 
 
 これら「職務発明」に関して、中村修二氏の「青色発光ダイオード特許」裁
 判で、大いに注目を集めましたが、果たしてどれだけ特許法の趣旨に沿った
 議論が展開されていたか、はなはだ疑問です。
 
 (ちょうどホリエモンの容疑が何かを理解せぬまま、いたずらに騒ぎ立てて
  いる現状に似ています。)
 
 技術者にとっつきにくいのが法律ですが、こと「特許」に関しては、我々こ
 そが主役であることを自覚しなければなりません。
 
 本書は、特許法が昨年、改正施行される以前に記されたものですから、併せ
 て最新の知識を身につけましょう。
 ----------------------------------
 ◇ カンドコロ! ◇
 
 研究開発活動に疲れたら、話題の特許や面白い特許に触れてみるとよい。 
 
 おすすめは、「ドクター中松」。
 
 「特許電子図書館」で、発明者「中松義郎」として検索すると、彼の特許が
 何件も出てくる。
 
 これらは、とても楽しく読むことのできる特許だ。
 
 (参考になるかはわからないが…。)
 
 
 例えば、特開平06-189801「翔ッ靴」。
 
 ご存知、ピョンピョン靴こと、フライングシューズだ。
 
 また、「腕電話」なるものがある(特登録3227362)。
 
 あまりに名前のままで、図面も「そのまま」。笑ってしまった。
 
 普通の人には、いま一つ理解しにくいものもある。
 
 「生活リズム変更装置」というものは、堂々と特許として成立している(特
 登録2881690)が、本当にこの発明で効果があるのかは考えてしまう。
 
 
 氏の特許を見ていて考えるのは、発明を楽しく成すことや、特許を楽しく書
 くことの重要性だ。
 
 その発明を行うことで、世の中が便利になる。世の中が変わるかもしれない。
 
 そのような希望をもって発明活動に臨みたいものである。

───────────────────────────────────
 ◆ 熱い行動 ◆
 「特許」は発明者のものであり、「対価」を得るのは権利だ。
 誇りを持って、堂々と、そして紳士的に権利は主張しよう
 
 特許はエンジニアの技術の蓄積であり、軌跡であり、指標だ。
 技術者の評価として、特許の役割は高くなることを自覚せよ。
-----------------------------------
 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
 第1章 特許制度とは何だろう
 第2章 特許の世界を取り巻く環境とトピック
 第3章 知っておきたい職務発明制度のこと―職務発明で堂々と稼ごう
 第4章 職務発明制度ケーススタディー
    ―発明で堂々と稼ぐために(従業者が発明をした時の行動のヒント)
 第5章 自分で出願してみよう
 第6章 職務発明制度の立法論―改正論議へ向けて

|

« 勝つ工場 | Main | 人工臓器は、いま »

Comments

This is such a great resource that you are providing and you give it away for free. I love seeing websites that understand the value of providing a quality resource for free. It is the old what goes around comes around routine. Did you acquired lots of links and I see lots of trackbacks??

Posted by: payday loans | August 30, 2010 at 07:46 PM

I am Glad i discovered this blog.Added endinear.way-nifty.com to my bookmark! Check out my Kissing Guide !

Posted by: Kissing Guide | February 17, 2011 at 05:16 PM

Hello Everyone! I like watching BBC Football online.

Posted by: football | April 13, 2011 at 01:40 AM

私達は送料無料。弊社のしょうひんはEMS(国際速達郵便) 4~7日以内にお宅に到着できます。
だから、もらうことがなれば、ご連絡して下さい。
弊社は一番いいショッピになることを努めります。
あなたのご光臨を期待致します。
花痴:http://www.花痴.net
三便宝:http://www.三便宝.net
三便宝:http://www.三便宝.com
巨人倍増:http://www.巨人倍増.net

Posted by: 威哥王 | November 07, 2012 at 05:14 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48474/8327363

Listed below are links to weblogs that reference これだけは知っておきたい「職務発明制度」:

« 勝つ工場 | Main | 人工臓器は、いま »