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March 29, 2006

アジア自動車産業の実力

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 【今週の一冊】
 ●『アジア自動車産業の実力』
  世界を制する「アジア・ビッグ4」をめぐる戦い

  著:土屋 勉男, 井上 隆一郎, 大鹿 隆(ダイヤモンド社)
  2006.01 / ¥2,310

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 ◆ 燃える一言 ◆

『アジアは、日本企業にとって、米国や欧州と並んで、あるいは
 
     それ以上に今後は収益性の高い地域になる可能性がある。
     
   焦点市場である米国に加えて、アジアで比較優位を発揮した企業が、
   
    今後のグローバル競争における勝者であることは間違いなかろう。』

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 北米、ヨーロッパ、そして日本の自動車販売台数は、それぞれ頭打ちとなっ
 ていますが、グローバルで見ると右肩上がりの傾向がはっきりしています。
 
 それは近年、BRICsと称される新興市場が急激に存在感を増しているか
 らに他なりません。
 
 中でも、I(インド)、C(中国)に、ASEANを加えたアジア市場が、自動車
 メーカにとって魅力の高い市場、というよりも主戦場になってきています。
 
 本書は、今後5~10年後をにらんで、激変するアジア事業、中国事業展開
 の羅針盤となるべく起こされています。
 
 
 中国市場については、著者らが描いたシナリオでは、2010年以降「アジア・
 ビッグ4」時代が出現すると見ます。
 
 厳密に言えば「アジア・ビッグ4」にGM、フォード、VWを加えた「アジ
 ア・ビッグ4、プラス欧米3」時代ですが、なかでもホンダ、トヨタ、日産
 自動車、そして韓国の現代自動車の「アジア・ビッグ4」が中国市場をリー
 ドすると考えます。
 
 ここ数年は、先行したVWにホンダ、GM、現代自動車が急速に追い上げて
 きており、これに加えて05~09年は、出遅れていたトヨタ、日産が総力をか
 けて追いかける展開となります。
 
 これはまさに、80~90年代に米国市場で起こった、グローバル競争時代の再
 現と言えるでしょう。
 
 
 しかしこれら企業の能力増強投資は累計すると異常な規模に膨らんでおり、
 中国の高度成長経済をもってしても、消化しきれない生産能力が計画されて
 います。
 
 これを乗り切るためには、アジア大の視点で製品・部品の国際分業戦略が重
 要となり、中国をASEANと共に、ものづくりの拠点と位置づけて、国際競争力
 のある製品を育て上げる戦略が問われることとなります。
 
 例えば、トヨタ自動車は、新しいピックアップ・トラックと多目的車(IMV)
 を開発する「IMVプロジェクト」を進めており、日本にベース車を持たず、か
 つ日本製部品にほとんど頼らないことなどを特徴としています。
 
 この結果、トヨタのASEANでの生産台数は、04年には前年比28%増となり、05
 年以降もIMVシリーズをタイ、インドネシアを中心として生産能力を拡大する
 勢いです。
 
 
 こうして見ると、BRICsの進出に遅れた日本企業にとって、長期間かけ
 て育成してきたASEAN市場競争でのポジションが、アジア全体をにらんだ戦略
 の中で重要となります。
 
 中国は市場規模も大きいですが、事業リスクも大きいのに対し、ASEANは市場
 規模は中国ほど大きくないものの、日本企業にとってリスクは小さいのが魅
 力です。
 
 アジア各国に長年技術協力をしてきた日本のメーカーにとっては、ようやく
 先行投資の果実を刈り取る絶好のチャンスが到来しているのです。
 
 中国一極集中に相乗りするのではなく、また安易な国内回帰でもなく、「ア
 ジアにおける国際分業」が、これからのものづくりのキーワードといえるか
 もしれません。
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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 タイはASEANでは最大の自動車市場規模の国だ。
 
 ASEAN諸国の中で最も自由化政策を進めたので、日本・欧米の自動車、部品メ
 ーカーが集中し、「東洋のデトロイト」と呼ばれる。
 
 トヨタ自動車は、前述のIMVの開発・生産拠点としてトヨタタイの工場を位置
 付け、さらにIMVを世界各地10カ国でのグローバル生産車種とする計画だ。
 
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 ◆ 熱い行動 ◆
 5年後、10年後の姿(市場、製品)を描き出せ。
 最善、最悪、その中間のシナリオを挙げ、対策を講じよ。
 
 自ら、「アジアの時代」を足を運んで目に焼き付けよう。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 第1部 アジア自動車産業の成長構造と市場展望
  アジアを取り巻く自動車産業環境の変動
  アジア自動車市場の将来展望
  中国の自動車産業
  ASEANの自動車産業
 第2部 アジアをめぐる自動車産業の実力と日本企業の戦略
  韓国の自動車産業―構造改革とグローバル・リーダー企業の誕生
  アジアが引き金となる国際再編企業ランキング2005
  アジアをめぐる国際競争、国際再編のシナリオと日本企業の戦略
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・著者 土屋 勉男井上 隆一郎
 ・出版社 ダイヤモンド社
 ・アマゾン 『アジア自動車産業の実力』

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Comments

TBありがとうございます。
今年はほんとにきつい粘度松、いや年度末でした。
色々と参考にさせていただいております。
今後ともよろしくです!

Posted by: み~すけ | April 02, 2006 at 07:55 AM

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Posted by: Kissing Guide | February 17, 2011 at 05:16 PM

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