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June 20, 2006

逆風野郎!ダイソン成功物語

Dyson
 【今週の一冊】
 ●『逆風野郎!ダイソン成功物語』

  著:ジェームズ・ダイソン 訳:樫村 志保(日経BP社)
  2004.05 / ¥1,890

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 ◆ 燃える一言 ◆

 『企業を変えるのは、ほかならぬ「あなた」だ!
 
   あなたが社長だろうと部長だろうと、一介の担当者であろうとも、
   
  それぞれが自分の持分を変えていかねば、あなたの会社は変わらない。』

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 家電量販店に行けば、一際異彩を放つ「デザイン」と「カラー」(あとお値
 段)で、目に付いて離れないのが「ダイソン」の掃除機。
 
 (例えばこちら⇒ Dyson サイクロンクリーナー DC-12 )
 
 去年、掃除機を買いに行ったときも気にはなったものの、つい安い国内メー
 カのフィルター式を買ってしまいました。
 
 しかし、吸引力が落ちた掃除機を使いながら、この本を読んだ今となっては、
 「ダイソン欲しい!」と切に感じています。
 
 
 イギリスのジェームズ・ダイソン氏が手がけた発明品は、グラスファイバー
 製の作業船、タイヤが球形樹脂の手押し車、そしてサイクロン式掃除機と、
 およそ無関係と思えるものばかり。
 
 しかしこれらが彼の生涯を紐解くと、見事な関係で結びつき、そしてエンジ
 ニアとしてのこだわりで生産されていたことが分かります。
 
 その過程は、特許権や既存の大企業、マーケッティングや資金繰りといった
 まさに「逆風」の中を自らが切り開いた足跡です。
 
 
 「サイクロン式掃除機」の構造を簡単に説明しましょう。
 
 ファンで吸い込まれたゴミと空気が、円錐の中を回転しながら回転半径を小
 さくしていくと、回転速度が上昇します。
 
 質量の小さいホコリも遠心力で円錐面に寄せられて、空気と分離され、空気
 だけが排気となるのです。
 
 このサイクロンの開発に着手したとき、理論式は全く使い物にならず、彼は
 吸い込み口のサイズ、数、接し方等々、解かねばならない山積みの問題を、
 「エジソン流」=うまくいくまでテストの繰り返しで解決していきます。
 
 その数、5,127台の試作、3年間の時間を要し、しかもたった一人で設計・試
 作・実験・検証を行ったのです。
 
 
 「テストで実証するには一度に一つの要素しか変更してはいけない。それが
 エジソン流」という彼は、実に地道に、根気強く開発していきます。
 
 それを冒頭の言のように語り、イギリス人にはない、日本人の気質として挙
 げ、「彼らは飛躍的発展はきわめて稀だが、不断の開発は最後にはより良い
 製品を生み出すことを良く知っている。」と自分と同じ考えだと述べていま
 す。
 
 
 紆余曲折を経ながらも、その圧倒的な性能で、本国で先行大企業を凌駕し、
 日本にも乗り込んできたダイソンを迎え撃った日本メーカは、まがいものの
 「サイクロン風」掃除機で対抗しました。
 
 果たしてその製品は、彼が褒めた「エジソン流」の開発だったのでしょうか。
 
 安易にネーミングや広告に頼った商売とは一線を画する、ものづくりの本質
 と喜びを呼び覚ましてくれる、熱い一冊です。

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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 ダイソン氏が自分のデザイン哲学や発明哲学を、以下のように語っている。
 
 1.製図板を眺めていてもアイデアは生まれない

  外へ出ていろいろなものを見よう。
  そしてアイデアが浮かんだら、それをつかみ、書き留め、うまくいくまで
  いじり回そう。
  
 2.日用品は売れる
 
  成熟市場の製品を改良するのはむずかしいけれど、成功すれば市場を創出
  する必要はない。
  
 3.新しい技術で注意すべきこと
 
  本当の新技術は特許が取れる発明のこと。
  多くの人の「発明」は既存技術の改良に過ぎないから、誰でも合法的に真
  似できる。
 
 4.エジソン流の原則を守る
 
  テストにテストを重ね、ありきたりの手法や他人の意見を取り入れるので
  はなく、自分の目が捕らえた事実のみを信じること。
  
 5.発明はたえまない変革ありき
 
  特許の有効期限は20年間で、思うほど長くない。
  自分の発明を手放したくなければ、絶えず改良を重ねて関連特許にするこ
  と。
  
 6.機能が生み出す表現豊かなデザインを
 
  機能から生まれたデザインは、これは良いよ、買うべきだよとモノが自ら
  語ってくれる。
 
 7.スタミナと確信は必須
 
 8.全てを完全にコントロールする
 
  アイデアを思いついてから、研究開発、テストと試作品の製作、設計、金
  型製造、生産、販売、マーケティング、そして家庭へ。
  最初にビジョンを描いた人が正しく予見していれば、おおかた成功する。
 
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 ◆ 熱い行動 ◆
 形から入らず機能から広げよ。
 本質を1点、ハッキリ示すのが良いデザインだ。
 
 地道な「エジソン流」が、近道だ。
 アイデアに自信があれば、じっくり進めるのが一番早い。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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 第1部 「僕」自身を発明する
 第2部 最初のひとかじり
 第3部 サイクロンにご用心
 第4部 ダイソンする
 第5部 僕らの進むべき道
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・ダイソン株式会社
 ・出版社 日経BP社
 ・アマゾン 『逆風野郎!ダイソン成功物語』

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Comments

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