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April 26, 2007

町工場で、本を読む

Machikoujyoudehonwoyomu
 【今週の一冊】
 ●『町工場で、本を読む』

  著:小関 智弘(現代書館)
  2006.11 / ¥2,100

----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----

 ◆ 燃える一言 ◆

 『時にはそれがどんな機械に使われる部品なのかさえ
                    わからぬようなものであっても、
 
  それをつくっている男なら、ただの鋼のかたまりにすぎなかった素材が、
  
  いま新しい形をもって機械の中から立ち現れてくる姿を見据えていると、
  
      もののほうがこちらに語りかけてくる瞬間を知ることがある。』

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 半世紀に渡り、「旋盤工」として現場に立ち続けながら、ものづくりの現場
 に根を張った作品を上梓する「作家」、小関智弘氏のエッセイであり、書評
 集です。
 
 戦後、工業高校(ただし普通科)を卒業し、たった3人の町工場に飛び込ん
 で、氏の「旋盤工」人生は始まりました。
 
 仕事はきつかったものの、自分の手ではじめて鉄を削ったときには、「感動
 と緊張のあまり、ズボンを濡らしたほど」であったと述懐します。
 
 そんな仕事の合間、文学青年が集まって、毎月一度の読書会を開くようにな
 り、それが40数年後の今日まで続く「生涯の友」となったのです。
 
 この読書会でめぐり合ったという、「ものづくり本」を、いくつか紹介しま
 しょう。
 
 
 刃物の町、三条で鍛冶屋を創業し、日本刀の技術を応用した剃刀を量産した
 岩崎航介の遺稿集『刃物の見方』。
 
 岩崎は、大工道具の名人や、刺身包丁の名人の言葉から、鋼を徹底的に分析
 し、自社で作った剃刀と金属顕微鏡をもって、製鉄所の技師に欠点を指摘し
 ます。
 
 はじめは取り合わなかった大製鉄所も、同じ欠点を大手自動車メーカから指
 摘され、あわてて製法に大改良を加えます。
 
 製鉄所の技師よりも、鋼を打ち、鋼を研ぐ名人たちの方が「鋼を知っていた
 」ことが、平易な言葉で綴られています。
 
 残念ながらこの書籍は絶版だそうで、是非とも再版が望まれます。
 
 
 金属メッキ工場の職工であり、「アララギ」に入会し歌集も編んだ松倉米吉
 は、24歳で夭折しました。
 
  わが握る槌の柄減りて光けり 職工をやめんといくたび思ひし
  
  ふと詠みし歌をおづおづ記す間ぞ 前の男の仕事早かりし
  
  鑢するわが手の下に真鍮粉は 光りきらめき散りたまりけり
 
 旋盤を回している時にとてもいい表現を思いついた経験のある小関氏は、2
 番目の引用歌に、共感を覚えています。
 
 これも「旋盤工・作家」の肩書きを持つ筆者ならではの感覚でしょう。
 
 
 ものづくり書籍にこだわって紹介している やまさん にとって、経験に裏打
 ちされた深さと、労働に対する厳しい眼差しに基づく氏の書評に、感銘を受
 けることしきりの一冊でした。

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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 写真家 英 伸三氏の写真集に、夜空に浮かぶ満月を思わせる鋼の断面があ
 る。
 
 丸いシャフトを金属帯鋸で切断し終えた瞬間を取ったものだろうが、工場の
 男が気付かない美しい姿を撮っている。
 
 これを写真家ではなく、旋盤工の眼で語ると、何の変哲もない断面にも言葉
 が隠れている。
 
 丸い断面にほぼ水平に走る鋸歯の切断層のほかに、丸い円の左右に向き合う
 ようにいくつかの半円のぼかし模様が浮いて見える。
 
 さらに切断層とは垂直に走る細かい鋭い線が5本ある。
 
 この半円や垂直の線を、現場の男たちは「ユウレイ模様」とか「ユウレイ線
 」と呼び、鋸歯の切れ味の目安にしている。
 
 鋸歯の左右に曲げた歯の「アサリ」が描くのが半月模様であり、垂直の線は
 切断を終えて回転を止めた鋸歯が上に戻るときに残したアサリ歯の引っ掻き
 傷だ。
 
 つまり、鋸歯のアサリの模様が浮いて出ぬようなら、もう切れあいは悪いと
 いうことであり、鋸歯を好感したほうが良い、という目安になる。
 
 なぜかは知らず現れるこの現象に、「ユウレイ」と名づける現場の男たちの
 ユーモアが溢れている。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 「暗黙知」を明文化しようとしても、匂いや音は伝わらない。
 現場のおっちゃんの言葉を聞き、五感を動員せよ。
 
 町工場で、本を読もう。
 リズミカルな切削音は、最高のBGMだ。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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 1 錆色の町・めぐまれた友
 2 「旋盤工・作家」駆け出しのころ
 3 名作に描かれた技術・技能
 4 読書とともに
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・著者 小関 智弘
 ・出版社 現代書館
 ・アマゾン 『町工場で、本を読む』
 
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April 18, 2007

組織を強くする技術の伝え方

Sosikiwotuyokusuru
 【今週の一冊】
 ●『組織を強くする技術の伝え方』

  著:畑村 洋太郎(講談社)
  2006.12 / ¥735

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 ◆ 燃える一言 ◆

 『技術は、要求される機能や制約条件の変化によって、
 
             時代と共にダイナミックに変化します。
 
    しかしその本質部分がきちんと伝わらないと、
 
                 大きな変化にも対応ができないのです』

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 数年前から「ものづくりの現場の危機」と目されてきた「2007年問題」。
 
 これまで現場を支えてきた、いわゆる「団塊の世代」が退職を迎えることで、
 技術が伝わらずに途絶えてしまうことが危惧され、また頻発する品質問題な
 どの形で表面化しています。
 
 しかし、「技術の伝達」は、なにも今年だけの問題ではなく、人事異動や新
 人の研修、生産の海外移転や技術導入など、複数の人が「技術」に携わる限
 り、絶え間なく発生している課題です。
 
 
 本書では、技術を「正しく」伝えるためのポイントを、5つにまとめて示し
 ています。
 
 一つ目は「まず体験させろ」。
 
 うまくいくコツ、方法を教える前に、まずやらせてみるのです。
 
 当然最初はうまくいきませんが、それによりもっと知りたい、できるように
 なりたいと、受け手の頭の中に受け入れの素地が出来上がれば、その後の伝
 達がスムーズに進むのです。
 
 
 二つ目は「はじめに全体を見せろ」。
 
 これは最初からすべてを理解させるという意味ではなく、自分がこれから学
 ぶことの全体の中での役割を意識させるためです。
 
 「自分が何のために学ぶか」を知ることで、モチベーションが上がり、これ
 も「受け入れの素地」を作ることに役立つのです。
 
 
 三つ目が「やらせたことの結果を必ず確認しろ」です。
 
 多くの場合、伝える側は何らかの方法で技術を伝達したら、「これで自分の
 役割は終わった」と思い込み、理解できないのは相手の責任と考えます。
 
 しかし、「伝える」とは、相手が伝えた内容と同じ行動がとれるかどうか、
 その結果でしか判断できません。
 
 だから結果を確認し、良ければ褒め、悪ければ、伝える側の問題点も含めて
 検証する必要があります。
 
 
 四つ目のポイントは「一度に全部を伝える必要はない」。
 
 知識には階層性があり、吸収できる素地もレベルによって異なるので、相手
 のレベルに応じたやり方をすべきです。
 
 そして最後は「個はそれぞれ違うことを認めろ」です。
 
 これは意外に伝える側に意識されていませんが、伝える側の論理だけで伝達
 を行っている限り、知識が正しく伝わることはありません。
 
 そのためには、技術を伝えたい相手の状態をじっくり観察することから行わ
 なくてはならないのです。
 
 
 著者の畑村教授が、「失敗学」を伝える活動を通してまとめた「技術の伝達
 法」は、今まさに技術者が身につけねばならない「基本スキル」であり、組
 織が有すべきツールといえるでしょう。

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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 有名な古典落語、「目黒のさんま」。
 
 あるとき目黒に鷹狩りに出かけた殿様、立ち寄った茶屋でさんまを初めて食
 べた。
 
 当時は庶民しか食べなかったさんまだが、脂が乗った旬の時期なら焼いただ
 けでも絶品だ。
 
 殿様、その美味が忘れられず、城に帰ってから家来にさんまを出すように命
 じる。
 
 しかし城の料理方は、殿様が食べるのだからと気を利かせてさんまの脂を抜
 き、食べやすく骨抜きして蒸し焼き状態で出した。
 
 そんなさんまが美味しいはずもなく、興ざめした殿様曰く、「さんまは目黒
 に限る」。
 
 
 多くの技術の現場で、これと似たことが起きている。
 
 料理方が「食べやすく」配慮をしているつもりだが、そのことがさんまを「
 おいしくないもの」にしているが如く、技術を伝える伝達者は、「わかりや
 すく」気を使ったつもりが「つまらないもの」にしてしまっている。
 
 「わかりやすいためには客観的でなくてはいけない」と思うあまり、話し自
 体を整理しすぎてつまらないものにして、結果として伝わらないものにして
 しまうのだ。
 
 注意すべきは、その知識を構成する要素や構造がきちんとあるかどうかであ
 って、それさえしっかりしていれば、大いに主観でものを語ったほうが良い
 のだ。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 「伝え方」よりも「受け心」を問題にせよ。
 伝えたい人が与えるのではなく、欲しい人がむしり取れ。
 
 「伝達量」よりも「伝達効率」を問題にせよ。
 ダラダラ同じことを繰り返して伝える時間は、もはやない。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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 序章 「技術」とは何か
 第1章 なぜ伝えることが必要か
 第2章 伝えることの誤解
 第3章 伝えるために大切なこと
 第4章 伝える前に知っておくべきこと
 第5章 効果的な伝え方・伝わり方
 第6章 的確に伝える具体的手法
 第7章 一度に伝える「共有知」
 終章 技術の伝達と個人の成長
 「技術を伝える」を巡るおまけの章
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・著者 畑村 洋太郎
 ・出版社 講談社
 ・アマゾン 『組織を強くする技術の伝え方』
 
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April 13, 2007

西堀流新製品開発

Nishiboriryu
 【今週の一冊】
 ●『西堀流新製品開発』
  忍術でもええで

  著:西堀 栄三郎(日本規格協会)
  2003.11 / ¥1,890

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 ◆ 燃える一言 ◆


 『能力というものは変えられる。
 
     その人に与える環境次第によっていくらでも変えられる。
    
              その人の能力を上げる方法はいくらでもある』


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 日本の品質管理の創始者であり、真空管技術、第一次南極越冬隊長、原子力
 の研究・開発と、多方面に渡って多大な功績を残した西堀栄三郎氏。
 
 4年前、氏の生誕100周年を記念して復刊されたのが本書であり、初出は約
 30年前です。
 
 そんな数世代も前の本でありながら、西堀流の「新製品開発」手法は、全く
 色あせることなく、その先見性に驚くばかりです。
 
 
 まずこれからの製品は「多種少量生産をこなせ」と指摘します。
 
 「欧米はコストの面から画一化に向かっているが、これからの日本は何とか
 して多種少量生産をやるべき」との言は、まさに現実となっています。
 
 更に、人間も「多種少量生産」、つまり専門家より多能工を目指せと説き、
 北極点到達に植村直己氏が1人でやっていたことを、専門家10人かかりで分
 業する愚を引き合いに出しています。
 
 
 会社にとって、新製品開発は「企業経営者にとって最大の任務」であり、企
 業を伸ばすのも、企業を潰すのも新製品です。
 
 すなわち、「企業即新製品」とまで言い切ります。
 
 これは製品のライフサイクルには、遅かれ早かれ必ず最後に衰退があるから
 であり、この衰退のタイミングに新製品を投入せねば会社も衰退する運命に
 あるからです。
 
 となれば、新製品開発は部下任せにできるものではなく、トップが「新製品
 の種」を育てる責任を負わねばならないのです。
 
 
 ここで大事なのは、「新製品の種」を即座に評価してはならない、というこ
 とです。
 
 そうではなく、どうすればその「種」が育つかを考え、要領よく実験をして
 着想の実現可能性を試してみないことには良し悪しは分からないのです。
 
 簡単にアイデアを絞らずに、評価をした上で「冷凍庫」にたくさん保存して
 おき、使えるようにしておくのです。
 
 
 ではその「新製品の種」をたくさん出すためにはどうしたらよいのでしょう
 か?
 
 それには「知識」だけではなく、着想を求める「強い切迫感」が加わって、
 アイデアが生まれます。
 
 そして切迫感は、報酬や生活苦からよりも、「創造する喜び」を潤滑油に、
 「責任感」をエンジンとして生まれてくるものなのです。
 
 担当を明確にして責任を与え、手段は「忍術を使ってもええで」と、相手の
 自由にさせ、考えさせる。
 
 これが「西堀流」新製品開発の極意です。

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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 着想が生まれてくるまでには、二つの発明の仕方がある。
 
 一つはエジソン式発明であり、他の一つはラングミヤー式発明である。
 
 エジソンは小学校しか卒業していない人であり、ラングミヤーはノーベル賞
 を受賞したような大学者である。
 
 2人は電球を研究していたGEの創始者であり関係者である。
 
 
 エジソン式発明は、要求(切迫感)が先にあって、知識がそれに追従してい
 くというやり方であり、ラングミヤー式発明では、知識が先にあってその知
 識を応用して要求を満たすというやり方である。
 
 一般論として言えば、エジソン式のほうがラングミヤー式よりも成功の確率
 が高い。
 
 別の言い方をすれば、街の発明家式の方がずっと成立しやすいということだ。
 
 ところが、ラングミヤー式の方は、一たび発明が成立すれば大発明になる可
 能性がある。
 
 つまり基本的レベルでの特許を獲得できるのである。
 
 しかし、そうした発明はそうざらにあるものではない。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 新製品開発はCAD、CAEで進むものではない。
 タイムリーで要領のよい「ネタだし」「実験」こそ開発の要諦だ。
 
 研究・開発はステージごとに切り分けよ。
 それぞれに合わせた運営・予算・目標を設定せねば、成果は得られない。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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 1 新製品開発精神
 2 科学・技術と研究の促進
 3 新製品開発の心がけ
 4 新製品開発のやり方
 5 私の新製品開発
 6 西堀栄三郎博士生誕100年に寄せて
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・著者 西堀栄三郎
 ・出版社 日本規格協会
 ・アマゾン 『西堀流新製品開発』
 
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April 05, 2007

製造業崩壊

Seizougyouhoukai
 【今週の一冊】
 ●『製造業崩壊』
  苦悩する工場とワーキングプア

  著:北見 昌朗(東洋経済新報社)
  2006.12 / ¥1,680

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 ◆ 燃える一言 ◆

 『必要なのは「1人が100歩進む」ことではなくて
                  「100人が1歩進む」ことである。
 
    製造業はそのほうが業績向上につながる。
    
      人材は、長期的な視野で育てよう。
                  目先の成果主義では人材は育たない』

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 突然ですが、あなたの職場では、こんな項目に当てはまりませんか?
 
 □ 30代前半の男性社員の未婚率が5割以上ある
 □ 男性の新入社員が入社3年以内に5割以上退社している
 □ 工場で働く人の半分以上が「外国人+派遣+高齢者+パートタイマー」
   になっている
 □ 最近は社内の飲み会がめっきり減った
 □ 社長が社員に対して結婚の世話をしたことがない
 
 該当する項目が多ければ、あなたの会社は「内部崩壊が始まっている」と、
 筆者は指摘します。
 
 そんなこと関係あるの?といぶかしく思う向きに対し、独自のデータから、
 皆が漠然と感じている製造業の問題点のあぶり出しを試みています。
 
 
 現在の中小企業の人員構成を、筆者のデータを縮小して「男性社員58人」
 の会社と考えると、平均年齢38歳、勤続年数10年となります。
 
 つまり、「中途入社」が多いことが見て取れます。
 
 また、入社3年以内という新人が18人、入社4年以上10年未満が16人
 で、合わせて6割を占めます。
 
 一方で、入社20年以上のベテランは10人しかおらず、「一部の古手社員
 +多数の新人」という人数構成が見えてきます。
 
 この団塊世代に代表されるベテランは、間もなく退職を迎え、一方で若手社
 員は「3K」を嫌い、入社3年目までに半数が転職していくのです。
 
 これが現在、最も潤う愛知県でのデータというのですから、暗澹たる気持ち
 にさせられます。
 
 
 この現状を破るには、やはり「人づくり」が原点です。
 
 会社に対する愛着を持つ社員とするためには、新卒を採用して育てることが
 ポイントですが、大都市部ほど中小企業の求人は困難を極めます。
 
 そこで会社の「採用力」を構成する方程式を挙げましょう。
 
  採用力=待遇のよさ×ホームページ×求人費用×企業イメージ×立地
 
 いずれも「金」のかかる項目ですが、すぐに辞めてしまうような新入社員し
 か雇えなければ、1人年間1,000万円にも及ぶ「投資」が無駄になるのですか
 ら、目先にとらわれてはなりません。
 
 
 日本のものづくりの足元を支えている町工場に、ひたひたと迫っている「崩
 壊」を、今、食い止めねば、大企業も、地方も国も雪崩に巻き込まれます。
 
 苦言から目をそらさず、我がこととして凝視せねばなりません。

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 ◇ カンドコロ! ◇
 
 「技能伝承」の問題が指摘されて久しい。
 
 日本のものづくりにおいて不足間の強い技術職とはどんなものだろうか。
 
 2006年の「ものづくり白書」によれば、以下が挙げられる。
 
 ・設計
 ・製毛、紡績、製織、剪毛、編成、縫製又は染色
 ・切削
 ・溶接
 ・熱処理
 
 これらの基盤技術において一人前になるまで要する期間は「5~10年」とい
 う長期間がかかることもあるので、今後中長期的に見て、日本のものづくり
 のネックとなりかねない。

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 ◆ 熱い行動 ◆
 「最近の若い者は」と嘆くだけでは済まされない。
 まずは「我が子」「我が後輩」に「ものづくり」の喜びを伝えよ。
 
 「楽しい仕事」「自分にあった仕事」の青い鳥の尾を追うな。
 一所懸命(一つ所で命を懸ける)の君の横に、青い鳥がやってくる。
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 ◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 |   | (炎3つが満点)
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 第1章 異変あり!独自調査が明かす「中小製造業の就労問題」
 第2章 「ものづくり」は「人づくり」という原点に戻ろう
 第3章 「こんな若者に誰がした!」製造業崩壊の原点を探る
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 ◆ 関連ページ ◆
 ・著者 北見 昌朗
 ・出版社 東洋経済新報社
 ・アマゾン 『製造業崩壊』
 
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