August 23, 2004

野口がゴール後にみせた「シューズにキス」の秘密

野口がゴール後にみせた「シューズにキス」の秘密(Yahoo!スポーツ コラムより)

熱戦に継ぐ熱戦で、アテネに釘付けの日々が続きます。

球技や格闘技のように、敵に「勝つ」種目も感動しますが、泳ぐ・走る・投げるという、己に「克つ」競技こそ、オリンピックの醍醐味だと思います。

昨日の女子マラソンは、有力選手が次々と脱落し、ゴールに辿り着いても担架で運ばれる「サバイバル・レース」でした。
ひときわ小柄ながら、その頂点を極めた野口選手の姿に、夜中の眠気も完全に吹き飛びました!

そんな、肉体一つで勝負する孤独な力走を、影で支えたのが、特製のシューズだったようです。
アシックスの三村仁司さんは、アテネの硬く滑りやすい、そしてアップダウンのきついコースのために、もみがら入りのスポンジを使った靴底を製作しました。
これが、脚の疲労を和らげる効果を発揮し、栄光へ貢献したのです。

42.195kmを走り終え、野口選手がシューズにくれたキスは、「えんぢに屋」三村さんにとっての“金メダル”だったに違いありません。

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August 20, 2004

工場復興(日経コラムより)

本日8/20日経新聞の朝刊1面に、「工場復興 メード・イン・ジャパン新景」というコラムが始まりました。

国内製造業が、「世界の工場」中国の圧力に屈せず、新たな「メード・イン・ジャパン」を生み出している様子が記されています。
まずキヤノンの例が挙げられていますが、“おなじみの”セル生産についてではありません。
レーザプリンター用のカートリッジの組立ラインを「無人化」する取り組みです。
既に製品価格中の人件費比率を平均2%まで下げている上に、更に合計1,000人いる組立要員を“ゼロ”にする!というのです。

にわかには信じられないことですが、製品設計の変更で「年内、遅くとも来年」には実現するそうです。
うーん、どんな仕掛けを仕込んであるのでしょう。見てみたいですねぇ。

セル生産で、設備費を極力押さえて人の技能を極限まで引き出す一方で、自動化するラインは徹底して省人化する。
これもデフレや中国の台頭など、厳しい時期に自社の強みを徹底して鍛えぬいた結果だと思います。

時はオリンピック真っ盛り。
平泳ぎ2冠の北島選手は身体が硬く、水泳選手にとってマイナスと言われていたそうですが、そんな常識を自らの長所を極限まで伸ばすことで吹き飛ばしてしまいました。

新たなメード・イン・ジャパンを切り開く企業と、その「えんぢに屋」達は、メダリストのように贅肉を削ぎ落とした、逞しい筋肉を身に付けたようです。

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