October 23, 2004

ニッポンの工場 ヒトが変わる

しばらく日常の業務と、家庭内平和維持活動(FPK)のため、メルマガ記事以外はお休みしておりました。
ぼちぼち投稿していきますので、よろしくお願いします。

さて、今日は日経新聞で10/19~21に掲載されたコラムについての紹介です。
「ニッポンの製造現場を支えるヒトを巡る動き」について、生産現場での「人材」の活かし方、見つけ方、育て方が描かれています。
(抜粋はこちらにも紹介されています)

特に興味深いのは、最近トヨタの人材不足を懸念する話題が目立つこと。
先週の「日経ビジネス」は、ずばり「トヨタ 世界制覇へ4つの試練」と題して、世界戦略による急激な拡大が、人材不足を招いている事を、まず取り上げています。
トヨタ自動車株で自分年金を作ろう」という本がベストセラーになるほど、安定成長の世界一の優良企業ですら、いや、優良企業だからこそ、その土台は「ヒト」であることを認識させられます。

これまでのリストラで次代の担い手が少ない上に、団塊の世代が徐々に現場を去り、技能やモラルの低下が起きることが、大小を問わず、日本企業の足かせになります。
いかに研究・開発の成果を「早く・うまく・安く」商品とするか、そして安定して供給し続けるか。
現場のカイゼンを、様々な人材で協力して継続するか。
生産技術に携わる者として、どこも同じ悩みを抱えているんだなぁ、と共感を覚えると共に、なんとかしたろやないか!と奮起せずにおれません。

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August 23, 2004

野口がゴール後にみせた「シューズにキス」の秘密

野口がゴール後にみせた「シューズにキス」の秘密(Yahoo!スポーツ コラムより)

熱戦に継ぐ熱戦で、アテネに釘付けの日々が続きます。

球技や格闘技のように、敵に「勝つ」種目も感動しますが、泳ぐ・走る・投げるという、己に「克つ」競技こそ、オリンピックの醍醐味だと思います。

昨日の女子マラソンは、有力選手が次々と脱落し、ゴールに辿り着いても担架で運ばれる「サバイバル・レース」でした。
ひときわ小柄ながら、その頂点を極めた野口選手の姿に、夜中の眠気も完全に吹き飛びました!

そんな、肉体一つで勝負する孤独な力走を、影で支えたのが、特製のシューズだったようです。
アシックスの三村仁司さんは、アテネの硬く滑りやすい、そしてアップダウンのきついコースのために、もみがら入りのスポンジを使った靴底を製作しました。
これが、脚の疲労を和らげる効果を発揮し、栄光へ貢献したのです。

42.195kmを走り終え、野口選手がシューズにくれたキスは、「えんぢに屋」三村さんにとっての“金メダル”だったに違いありません。

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August 20, 2004

工場復興(日経コラムより)

本日8/20日経新聞の朝刊1面に、「工場復興 メード・イン・ジャパン新景」というコラムが始まりました。

国内製造業が、「世界の工場」中国の圧力に屈せず、新たな「メード・イン・ジャパン」を生み出している様子が記されています。
まずキヤノンの例が挙げられていますが、“おなじみの”セル生産についてではありません。
レーザプリンター用のカートリッジの組立ラインを「無人化」する取り組みです。
既に製品価格中の人件費比率を平均2%まで下げている上に、更に合計1,000人いる組立要員を“ゼロ”にする!というのです。

にわかには信じられないことですが、製品設計の変更で「年内、遅くとも来年」には実現するそうです。
うーん、どんな仕掛けを仕込んであるのでしょう。見てみたいですねぇ。

セル生産で、設備費を極力押さえて人の技能を極限まで引き出す一方で、自動化するラインは徹底して省人化する。
これもデフレや中国の台頭など、厳しい時期に自社の強みを徹底して鍛えぬいた結果だと思います。

時はオリンピック真っ盛り。
平泳ぎ2冠の北島選手は身体が硬く、水泳選手にとってマイナスと言われていたそうですが、そんな常識を自らの長所を極限まで伸ばすことで吹き飛ばしてしまいました。

新たなメード・イン・ジャパンを切り開く企業と、その「えんぢに屋」達は、メダリストのように贅肉を削ぎ落とした、逞しい筋肉を身に付けたようです。

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August 18, 2004

美浜発電所2号機の原子炉手動停止について

美浜発電所2号機の原子炉手動停止について(化学体積制御系抽出水配管からの漏えいに係る原因と対策)(平成12年4月24日16時)

美浜原発の蒸気漏れ事故に関連して、他の火力発電所でも配管の破裂や、配管の点検漏れが連日報道されています。
しかし、これは今に始まったことではなく、同様な現象は度々発生しているようです。

上記の記事は、一見今回の事故のことかと思いますが、実は平成12年に発生した美浜原発2号機についての報告です。
(※今回の事故は3号機)

配管等は異なるものの、「オリフィス下流で」「キャビテーションにより」「減肉が発生」という構図は同じです。
壊れない機械というものはありえませんし、少しの損傷も許さないというのは過剰安全で、費用対効果を考えればナンセンスです。

しかし、高温高圧の流体を扱い、また上記のような事故が既に発生している以上、起こることが予測できたにもかかわらず、今回のような点検漏れがあったことは非常に残念でなりません。

参考までに、過去に原発で発生した事故の報告を以下に紹介します。
福井県県民生活部原子力安全対策課

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