June 29, 2007

【今週の一冊】
●『千年、働いてきました』
老舗企業大国ニッポン
著:野村 進(角川書店)
2006.11 / ¥740
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『ケータイという現代の「新しさ」の粋を集めた製品を
見えないところで支えているのは、
実は「古くさい」と思われがちな老舗企業の力だと言ったら
言いすぎでしょうか』
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「現存する、世界最古の会社」といえば、なんとなくイギリスやドイツなど
ヨーロッパあたりにありそうな感じがします。
しかし、実はここ日本にあります。
しかも、その「創業」は、江戸時代でも、室町時代でも、平安時代でもあり
ません。
なんと・・「西暦578年」聖徳太子の飛鳥時代なのです!
大阪の「金剛組」という建築会社で、難波の四天王寺を完成させたのが、最
初の仕事だったとか。
日本には実に10万社以上あると推定される、創業100年以上の「老舗」と
言われる会社、その中の「ものづくり」企業にこだわった本書を紐解いてみ
ましょう。
冒頭の言のように、皆さんお持ちの「ケータイ」は、日本の老舗企業の底力
なくしては、全く機能しないと言えるでしょう。
例えば、二つ折り携帯の折り曲げ部分、電気メッキされた銅箔や、電磁波シ
ールド用の銀入り塗料を作る「福田金属箔粉工業」の創業は、元禄時代、赤
穂浪士の討ち入り2年前。
もともと屏風や蒔絵に使われた、金箔や粉を作っていた福田金属は、「金属
の箔や粉」という「コア・ミッション」から外れることなく生き延び、今の
事業に結びついています。
明治24年(1891年)設立の東洋通信機の流れを組むエプソントヨコムは、携
帯電話の心臓部、「人工水晶」を世界最大手のノキアにも供給しています。
天然物の水晶が数百万年かかるのに対し、エプソントヨコムの技術により数
ヶ月で一度に3トンもの水晶が生産できるようになったのです。
かつて軍艦や戦闘機に搭載される無線機を製造していた同社が、その技術を
「より小さく、より安定したもの」へと突き詰めた末にたどり着いた技術が
「人工水晶」の工業化だったのです。
こうした「老舗」企業群の姿からは、変わらない偏屈な「静」のイメージで
はなく、柔軟性と即応性の富んだ「動」の組織が見えてきます。
しかし一方では、創業以来の家業の部分は、たとえ利益には直接結びつかず
とも、頑なに守り抜く「頑固さ」も併せ持っています。
バブル期に土地転がしや多角化によって消えていった企業とは、一線を画し
ているのです。
「会社の寿命は30年」と言われる中、脈々と受け継がれる「老舗」のもの
づくりには、学ぶべき「技術」と「哲学」が流れています。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
液体窒素の零下196度の世界に一週間放置されても、90度の熱湯に一時間漬け
ても、純度100%のエチルアルコールに1週間入れても、はたまた17年間も乾
燥したままであっても「死なない」生き物がいる。
「ネムリユスリカ」をいうアフリカ中部に住む蚊の一種だ。
その驚異的な生命力の最大の理由が、「トレハロース」という糖を自分の体
内で作り出し、一つ一つの細胞を守っているからだ。
この「トレハロース」の大量生産に世界で初めて成功したのが、創業123年の
「林原」である。
甘味だけではなく、乾燥や冷凍にも強い特長を生かして、菓子類はもとより、
様々な食品の砂糖やブドウ糖が、近年トレハロースに置き換わっている。
トレハロース自体は昔から発見されてはいたが、抽出が極めて難しく、「夢
の糖」とまで言われていた。
その量産化に林原が成功したのは、同族経営の老舗企業の強みである、長期
的でハイリスク・ハイリターンな研究開発に投資ができたお陰だと言えるだ
ろう。
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◆ 熱い行動 ◆
あなたの仕事の「コア・ミッション」は何だろう。
目先の利益ではない、「利他」の使命でなければ100年は続かない。
軸足を据えて、もう片足を広げよう。
じっとしたままでは進歩はないが、一足飛びでは進めない。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
プロローグ 手のひらのケータイから
第1章 老舗企業大国ニッポン
第2章 ケータイに生きる老舗企業の知恵
第3章 敗者復活
第4章 日本型バイオテクノロジーの発明
第5章 “和風”の長い旅
第6章 町工場 ミクロの闘い
第7章 地域の“顔”になった老舗企業
エピローグ 世界最古の会社は死なず
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◆ 関連ページ ◆
・金剛組
・福田金属箔粉工業 金属粉末、箔
・エプソントヨコム 水晶デバイス
・林原 トレハロース
・出版社 角川書店
・アマゾン 『千年、働いてきました』
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June 08, 2007

【今週の一冊】
●『手作りですが精度はミクロン単位です』
世界を制するオンリーワン中小企業
著:木村 元紀 編:みずほ総合研究所(洋泉社)
2007.2 / ¥1,680
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『モノづくりの本質は、高度な基盤技術と技能を持った
中堅・中小企業の細部にこそ宿る―そう言っても過言ではあるまい。
生産現場は絶えず自己変革をし、競争条件の変化を乗り越えようと
弛まない努力を続けている。
その蓄積が、日本の製造業の未来を担っていくことになる。』
-----------------------------------
※本記事は07/3/21発行のメルマガの内容です。
大手メーカーの春闘の結果が出揃い、前年を上回る給与賞与で妥結したと報
道されています。
これに対し、中小企業では「いざなぎ超え」の景気回復は実感がなく、格差
が広がっている・・というのがどこかの政党の掛け声にもなっています。
確かに大企業の収益力は突出していますが、本書に挙げた19の中小企業は、
いずれも業績は伸びています。
その「突破力」がどこにあるのか、ちょっと覗いてみましょう。
長野県の「アールエフ」が開発した「NORIKA3」は、風邪薬のように飲み込み、
消化器を通って排泄されるまでの7~8時間に渡って体内の様子を撮影、リ
アルタイムでモニターできる内視鏡です。
イスラエル製の同様なカプセル内視鏡がバッテリー内蔵で1秒に2コマの静
止画しか撮影できないのに対し、「NORIKA3」は30コマ/秒の動画撮影が可能
です。
この高機能の秘密は、カプセルへの電力供給を体外から無線で行うことがで
きる点にあります。
更に、カプセルの駆動も、極小のモータをカプセルに内蔵するのではなく、
体外の電磁石に対してカプセルを「回転子」とするユニークな構造で実現し
ています。
「新しい製品を作るとき、壁にぶつかったら、その分野の掟を破ることで突
破口が開かれる」という丸山社長の発想こそ、同社成長の原動力です。
板金に小径穴を多数打ち抜いた「パンチングメタル」は、物質の分離・濾過
・粉砕・脱水などに活用されます。
常識的には穴径は板厚と同等までが限界とされていますが、「布引製作所」
では最大166%(2mmの板厚に1.2mmの穴径)まで可能にしています。
最小の穴径は0.25mm、幅200mmに500本ものピン状のパンチが埋め込まれた金
型は圧巻ですが、驚くのはその受け側となる無数に穴の空いたダイの加工は、
最新鋭の工作機械ではなく、改良した「ボール盤」。
NC機ではドリルが折損するまで気が付きませんが、ボール盤を使って作業
者が目と耳と手先の感覚でドリルの切れ味を「感じ」、再研磨・調整するこ
とで高精度な穴あけを実現しているのです。
こうしたオンリーワン技術は、ハイテクよりもアナログな「職人技」こそ中
小企業に適していると筆者らは指摘しますが、それができる企業は限られる
でしょう。
ならば、「普通の中小企業」は地域密着の仕事、つまり「食」「住」「環境
」「福祉」こそが生き残る道だと説きます。
元気な中小企業を鑑として、自社の「コア」と「食住環福」を掛け合わせる
ことが、生き残りのヒントとなるでしょう。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
本書のタイトルにもある「ミクロン(1/1000mm)」以下の精度で粉粒体の形状
を加工したり、表面処理をする技術がある。
例えば、UVカットファンデーションには、紫外線吸収効果の高い二酸化チ
タンが配合されているが、粒径が0.1μmになると毛穴に入り込んでしまう。
そこで10μm程度のナイロンの粒子の表面に二酸化チタンをコーティングす
ることで、その機能を引き出しているのだ。
こうした粉粒体処理装置を製造しているのが大田区の奈良機械製作所だ。
粉体を機械的に粉砕する方法には「たたく、つぶす、擦る、切る」をいう4
つの原理があるが、これらでは0.1~0.5μmが限度だ。
そこでより細かいナノ粒子を作る方法として開発されたのが「レーザーアブ
レーション・システム」である。
ハード面では特段斬新な技術が採用されているわけではないが、オリジナリ
ティが発揮されているのは、各要素をシステム化するための総合的なエンジ
ニアリング力だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「理科」で学ぶ原理原則にこそチャンスあり。
単純な精密化・微細化ではない、発想の転換が突破力になる。
「格差」「弱者」と呼ばれることに甘んじるな。
中小企業に適した市場は、必ずある。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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第1章 世界を制する研究・技術開発力
第2章 深化するコア技術―コア技術を磨き、高付加価値を極める
第3章 オンリーワンの熟ワザ
第4章 常識を覆す“顧客対応・生産技術”革命
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◆ 関連ページ ◆
・アールエフ カプセル内視鏡Sayaka
・布引製作所 パンチングメタル
・奈良機械製作所 レーザーアブレーション・システム
・出版社 洋泉社
・アマゾン 『手作りですが精度はミクロン単位です』
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April 05, 2007

【今週の一冊】
●『製造業崩壊』
苦悩する工場とワーキングプア
著:北見 昌朗(東洋経済新報社)
2006.12 / ¥1,680
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『必要なのは「1人が100歩進む」ことではなくて
「100人が1歩進む」ことである。
製造業はそのほうが業績向上につながる。
人材は、長期的な視野で育てよう。
目先の成果主義では人材は育たない』
-----------------------------------
突然ですが、あなたの職場では、こんな項目に当てはまりませんか?
□ 30代前半の男性社員の未婚率が5割以上ある
□ 男性の新入社員が入社3年以内に5割以上退社している
□ 工場で働く人の半分以上が「外国人+派遣+高齢者+パートタイマー」
になっている
□ 最近は社内の飲み会がめっきり減った
□ 社長が社員に対して結婚の世話をしたことがない
該当する項目が多ければ、あなたの会社は「内部崩壊が始まっている」と、
筆者は指摘します。
そんなこと関係あるの?といぶかしく思う向きに対し、独自のデータから、
皆が漠然と感じている製造業の問題点のあぶり出しを試みています。
現在の中小企業の人員構成を、筆者のデータを縮小して「男性社員58人」
の会社と考えると、平均年齢38歳、勤続年数10年となります。
つまり、「中途入社」が多いことが見て取れます。
また、入社3年以内という新人が18人、入社4年以上10年未満が16人
で、合わせて6割を占めます。
一方で、入社20年以上のベテランは10人しかおらず、「一部の古手社員
+多数の新人」という人数構成が見えてきます。
この団塊世代に代表されるベテランは、間もなく退職を迎え、一方で若手社
員は「3K」を嫌い、入社3年目までに半数が転職していくのです。
これが現在、最も潤う愛知県でのデータというのですから、暗澹たる気持ち
にさせられます。
この現状を破るには、やはり「人づくり」が原点です。
会社に対する愛着を持つ社員とするためには、新卒を採用して育てることが
ポイントですが、大都市部ほど中小企業の求人は困難を極めます。
そこで会社の「採用力」を構成する方程式を挙げましょう。
採用力=待遇のよさ×ホームページ×求人費用×企業イメージ×立地
いずれも「金」のかかる項目ですが、すぐに辞めてしまうような新入社員し
か雇えなければ、1人年間1,000万円にも及ぶ「投資」が無駄になるのですか
ら、目先にとらわれてはなりません。
日本のものづくりの足元を支えている町工場に、ひたひたと迫っている「崩
壊」を、今、食い止めねば、大企業も、地方も国も雪崩に巻き込まれます。
苦言から目をそらさず、我がこととして凝視せねばなりません。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「技能伝承」の問題が指摘されて久しい。
日本のものづくりにおいて不足間の強い技術職とはどんなものだろうか。
2006年の「ものづくり白書」によれば、以下が挙げられる。
・設計
・製毛、紡績、製織、剪毛、編成、縫製又は染色
・切削
・溶接
・熱処理
これらの基盤技術において一人前になるまで要する期間は「5~10年」とい
う長期間がかかることもあるので、今後中長期的に見て、日本のものづくり
のネックとなりかねない。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「最近の若い者は」と嘆くだけでは済まされない。
まずは「我が子」「我が後輩」に「ものづくり」の喜びを伝えよ。
「楽しい仕事」「自分にあった仕事」の青い鳥の尾を追うな。
一所懸命(一つ所で命を懸ける)の君の横に、青い鳥がやってくる。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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第1章 異変あり!独自調査が明かす「中小製造業の就労問題」
第2章 「ものづくり」は「人づくり」という原点に戻ろう
第3章 「こんな若者に誰がした!」製造業崩壊の原点を探る
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◆ 関連ページ ◆
・著者 北見 昌朗
・出版社 東洋経済新報社
・アマゾン 『製造業崩壊』
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February 15, 2007

【今週の一冊】
●『負けるな町工場』
ハンデをプラスに変える発想法
著:中里 良一(日刊工業新聞社)
2002.6 / ¥1,890
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『今日、長引いた不況で町工場の経営に夢も希望も
なくしている経営者は大いに違いない。
しかし、町工場の一番大きな財産は、
“小さいからこそ自分の好きな夢がみられる”ことであろう。
その夢をなくしてはいけない』
-----------------------------------
「町工場」と聞いて、イメージするのはどんな姿でしょうか。
狭い路地裏にある油にまみれた薄暗い工場。
納期に追われ、薄汚れた作業服で、黙々と働く年老いた社員。
仕事量の確保や、資金繰りに汲々とする経営者―。
そんな、夢も希望もない、いわゆる「3K(暗い、汚い、きつい)」職場の
代表のように描かれることが多いことでしょう。
しかし、本書の著者が経営する「中里スプリング」は、規模こそ「町工場」
ではあるものの、どんな大企業にも劣らない「楽しい、夢の溢れる」工場で
す。
例えば、一年間で最も頑張った社員に対する報酬は、金一封、なんてもので
はなく、「会社の設備と材料を自由に使って自分の好きなものを作ることが
できる権利」が一つです。
ばね材料を利用して、ロボットやカブトムシなど自由に作って良い権利であ
り、これが新たに「ワイヤーアート」という新しい事業のベースにもなって
いるのです。
さらにもう一つ与えられる権利が、自分の担当しているお客さんの中で、自
分が親しみを持てない取引先を「リストラ」する権利です。
ちょっと驚くべきことですが、これも社員が楽しく仕事をするためであり、
「取引先は取引額でなく、好き嫌いで判断する」のが中里流なのです。
また、コンサルタントのセンセイに言わせれば、町工場は「作業環境が悪い」
「整理が悪い」「いい設備がない」など問題点だらけですが、それを「欠点
だらけ」ではなく「個性に溢れている」のだと、発想の転換を促します。
もし小さくて薄汚いけれど行列のできるウマいラーメン屋と、オシャレで広
々としているが、食べに行ってもこれといった特徴のないレストランとであ
れば、多くの人は前者に行くでしょう。
町工場も、同じ労力をかけるのならば、不慣れな社員教育や生産管理に向け
るより、徹底して得意な分野を盛り上げていった方が社員も楽しいし、変に
ぎくしゃくしたところがなくなります。
本当に優秀な技術や製品ならば、町工場のつまらない欠点なんか、どうでも
いいのです。
町工場が本当に何とかしなくてはいけない「3K」とは、「企画力がない」
「既成概念から抜け出せない」「希望がない」の3つであり、この3Kから
抜け出すことが、町工場の未来を拓くのです。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
ハンデをプラスに変える発想法は、「負けるな町工場!勝ち上れ!」
負 負の連鎖から抜け出し
け 健全な経営をして
る 留守番役の脇役で終わるのではなく
な なるほどと思わせる技術を持ち
町 町にとって必要不可欠な大きな歯車となり
工 工程を楽しむモノづくりを行う
場 場所であると自覚すべし
! !
勝 勝利を目指して
ち 力を合わせて
上 上昇気流の風を呼び寄せ
れ 劣等感を自信に変えよう
! !
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
ステレオタイプな批評や講釈は、現場では間に合わない。
「中小企業だから」「下請けだから」と、愚痴をこぼさず汗こぼせ。
ものづくり、人づくりは楽しいもの、楽しませるものだ。
会社を大きくするのは、金を儲けるのは何のためか。原点を忘れるな。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 生きている町工場
第2章 求められる経営者像
第3章 小さな会社がやるべきこと
第4章 情報化時代の町工場
第5章 負けるな町工場
第6章 五〇音別経営名言集
-----------------------------------
◆ 関連ページ ◆
・著者 中里スプリング
・出版社 日刊工業新聞社
・アマゾン 『負けるな町工場』
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February 14, 2007

【今週の一冊】
●『日本ものづくり優良企業の実力』
新しいコーポレート・ガバナンスの論理
著:土屋勉男(東洋経済新報社)
2006.11 / ¥1,890
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『日本経営は、ものづくり現場における業務執行能力を生かした
経営が基本であり、人間を大切にし、その能力を組織的に
改善することを重視する。
それが差別化された価値創造の源泉であることは間違いない』
-----------------------------------
※本記事は07年初にメルマガで配信した内容です。
明けて2007年、穏やかな正月休暇を過ごされた方も多いことでしょう。
新年にあたり、「ものづくり」を大所高所から眺めるべく、今回は日本のも
のづくり優良企業の「経営」にスポットを当てた書籍を紹介しましょう。
SOX法やTOC、ブルーオーシャン戦略…
アメリカ発の企業経営の法律や手法は、手を変え品を変え色々出てきます。
しかし、トヨタやホンダ、キヤノンや松下電器など、日本を代表する「もの
づくり」企業は、決して米国型の経営手法を真似たものではありません。
米国型の企業統治が、社外取締役が中心になって経営者(CEO)を監督す
るのに対して、日本型は経営監督と執行が未分化であることが「弱点」と指
摘されることがあります。
また戦略面でも、戦略立案と執行が明確に分離された米国に対し、日本では
執行役が経営方針を決議しつつ執行する、これも未分離な体制となっていま
す。
ところが、上記に代表される優良企業は、その弱点とされる監督と執行、戦
略と執行が未分離である体制を活かし、本業に軸足を置き、「現場」を知り
抜いた社内取締役が中心となったコーポレート・ガバナンスを実現している
のです。
例えば、キヤノンは取締役25名に対し、社外取締役は採用していません。
高度に多角化した技術分野の経営判断を、月1度程度の取締役会に社外から
参加しても、適切な経営判断や監督機能が発揮できないと判断し、実質は、
年40~50回に及ぶ経営会議などで常時審議されるのです。
経営の重要事項に対して適切な経営判断を行うためには、役員同士の価値観
や経営理念の共有が不可欠です。
そこで、同社では社長や役員を中心に「毎日」朝8時から9時まで「朝会」
が開催され、そこで経営判断のための情報収集や、役員の育成が行われます。
これが米国流とは異なる「キヤノン流のコーポレート・ガバナンス」の仕組
みの一つとなっているのです。
加えて、部門毎による事業の執行に対し、内部統制を図る全社横断的な委員
会等の組織(企業倫理委員会、情報開示委員会など)によって横串を通し、
トップの方針を浸透させる仕組みをとっていることも特徴の一つです。
日本企業の強みといえば、ものづくり現場の能力構築能力であると分析され
てきましたが、更にその執行・統治においても、日本独自のスタイルを磨き
上げた企業こそが、ものづくり力を活かし切れるのです。
この「日本型の強み」を基盤としつつも、米国型のよさを学習し、経営手法
そのものを「カイゼン」することこそ、今後の突破力の源泉であることを、
最後に筆者は指摘しています。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
ホンダは創業以来、経営理念先導型、それも創業者「本田宗一郎」の経営理
念に先導されたユニークな企業としての特徴を持っている。
近年、本田宗一郎と同じ釜の飯を食った仲間は、少しずつ引退し、今では経
営の役員層や高齢層の一部に限られてきているのが実情である。
それでも、創業者の経営理念を誇りとして大事に守り、それを経営に生かす
不断の努力を続けている。
それが結果として、同社を他社と差別化されたユニークな経営スタイルを持
つ企業に育て上げてきた。
その経営理念は「ホンダフィロソフィ」として、基本理念、社是、運営方針
からなる企業哲学に体系化されている。
そして、難しい経営判断の局面では、この「ホンダフィロソフィ」を拠り所
とし、共通の「創業者」経営理念のもとで各取締役が「ワイガヤ」の精神に
則って喧々諤々の議論を行うことで、経営判断の精度を上げているのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
マネジメントもガバナンスも、時代や流行に振り回されるな。
短期的な利益や評価のために、自社の強みを殺すことになる。
現場のものづくりと経営は不可分だ。
戦略と執行のPDCAを速やかに回す「しくみ」づくりがキモだ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
日本経営の本当の「強み」
1 日本企業が直面している課題
2 コーポレート・ガバナンスとは何か
3 日本のものづくり優良企業のコーポレート・ガバナンス事例研究
4 日本経営の戦略とコーポレート・ガバナンス―その特性と相互連関性
5 日本経営のコーポレート・ガバナンス―今後の展望と課題
補論 日本ものづくり優良企業の新しい戦略構想
―自動車メーカーの垂直統合型モデルの考え方
-----------------------------------
◆ 関連ページ ◆
・著者 土屋勉男
・キヤノン
・本田技研工業
・出版社 東洋経済新報社
・アマゾン 『日本ものづくり優良企業の実力』
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January 31, 2007

【今週の一冊】
●『世界の自動車を造った男』
荻原映久、50年のモノづくり人生
著:生江 有二(日刊工業新聞社)
2006.10 / ¥1,785
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『技術は日々、先進する。
コストを下げることを忘れ、研究に力を注がず、
現状に満足していると、すぐに追い抜かれてしまう。
前進か死か。
これは製造業の全てにいえることなんです』
-----------------------------------
2004年に世界各国で生産された自動車台数は63,956,415台(日本自動車工業
会調べ)。
この年、世界では8億3681万台の車が走っており、これは世界の人口で7.5人
に1台の割合です。
その8億台あまりのクルマのうち、1億台を越える車を日本の1つの会社が
造っていることを、ご存知でしょうか。
その会社とは、金型メーカ「オギハラ」。
正確には、「オギハラの製作した金型でボディを製造した車が1億台以上」
ということです。
この途方もない膨大な自動車生産を支えるために、オギハラは、日本、アメ
リカは当然として、実に5大陸全てに工場を構える、グローバル企業なので
す。
オギハラと、その金型技術を支えた荻原映久氏の技術者の半世紀は、世界の
中の日本のものづくりを語るに欠かせない、貴重な歴史です。
オギハラの海外進出第1号は、意外なことにオーストラリアでした。
昭和39年、当時のフォードオーストラリアの金型は、主に米国から輸入して
おり、日本で100万円程度の型が800万から1,000万円ほどしていたため、日本
の金型メーカが注目されていました。
通常の3倍ほどの見積価格にしても安すぎると疑問に思われ、現場まで見に
来た上での受注となったのでした。
このときに、米国等に通用する、インチ単位の図面や部品のノウハウを手に
したことが、後の海外進出の足がかりとなったのです。
更にその後、旧ソ連の自動車メーカにトラック用の金型を納め、アメリカの
現地工場立ち上げ、BIG3との丁々発止の交渉、中国・台湾・韓国の急成
長との格闘など、めまぐるしい世界展開が続きます。
更にはタイ、インド、そして南アフリカ、メキシコなど、ごく最近注目され
始めた国々にも、「声がかかった翌朝の出社時間までに飛んでいく」ほどの
フットワークで営業・進出を繰り返し、今日の「オギハラ」となったのです。
しかし、グローバル化の波は、日本的な家族経営のオギハラも飲み込み、20
03年に外資との提携直前まで追い込まれ、結局、大和証券による資本参加と
なったことは、記憶に新しいところです。
最新加工機で無人24時間加工が可能な、大手自動車メーカの金型技術、また
躍進著しい新興国の安価な金型など、オギハラの優位は脅かされつつありま
す。
綺麗事ばかりではない、グローバルなものづくりの「過去・現在・未来」が
見える一冊です。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
70年前まで、職人の「手作り」で金型は造られた。
一体、数トンにも及ぶ鉄の塊から、どうやって「手作り」するのか。
特殊な鋳物でできたカマボコ型の金型の原材に、タガネを用いて、深さ5ミ
リ程度の溝を約100ミリピッチで縦横につけていく。
溝と溝の間は100ミリ×100ミリ程度の切り餅大の山が残るが、これを再びタ
ガネ(多くは鉄砲と呼んだエアコンプレッサを使った自動タガネ)で削り取
っていく。
おそろしく地味な作業だ。
しかも1000分の1ミリ以下の誤差で削らないと、プレス機にかけてから鉄板
が裂けたり、皺ができたりすることになる。
それを手作業で作り出してきた時代が長く続いていたのである。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「グローバル化」は、日米欧だけではない。
BRICs、東南アジア、そしてアフリカの「今」を知れ。
ものづくりも、ビジネスも、「人と人」がつくる。
本音で付き合わなければ、いいもの、いい仕事はできない。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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第1章 ビッグ3
第2章 鉄工所の映画館
第3章 初受注
第4章 海を越えて
第5章 紊乱のデトロイト
第6章 TJ、世界自動車市場を行く
第7章 中台韓・激動するアジア市場
第8章 五大陸に吹く風―南ア、メキシコ
第9章 環境へのまなざし
第10章 世界市場、ふたたび
終章(あとがきに代えて) 培った技を継承するまで
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◆ 関連ページ ◆
・オギハラ
・出版社 日刊工業新聞社
・アマゾン 『世界の自動車を造った男』
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January 18, 2007

【今週の一冊】
●『時計屋が育てた世界のベストセラーマシン』
シチズン「Cincom」物語
著:春田 博(日刊工業新聞社)
2006.10 / ¥1,680
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◆ 燃える一言 ◆
『低迷する日本のモノ作りに必要なのは、作り手の「美学」である。
「美学」とはイコール、人の「器」のことであり、
「器」とは「魂」のことである。
この「魂」が今、日本経済を支える技術者に求められている』
-----------------------------------
「シチズン」といえば、もちろん「時計」。
一方、精密な時計を作るためには、当然精密な加工機械が必要であり、その
自動機を内製し、そして外販していることは、一般的にはあまり知られてい
ません。
加工機械専門メーカーがしのぎを削る中で、その「時計屋」シチズンが世に
送り出した自動旋盤「Cincom(シンコム)」シリーズが、世界の40%以上
というトップシェアに至ったのはなぜか。
その秘密を探ってみましょう。
今でこそ日本の工作機械は、世界をリードする力強いマザーマシンとしての
地位を築いていますが、半世紀前までは欧米の力は抜きん出ていました。
シチズンは創業時から時計製造用の工作機械を作っていましたが、いずれも
基本コンセプトは外国機械の模倣でした。
「こんなことをしていては、将来も夢もない」と奮起し、未だ国内の専業工
作機械業界でもNC(数値制御)工作機械の開拓期であった1962年、自前の
NC機械の開発を始めました。
NC工作機械の対象に選んだのは、時計製造用自動機に多数使用されていた
「カム」を加工する、カム成形機であり、65年に国内屈指の早さで市場に送
り出したのでした。
当時、カム式自動旋盤を外販していたシチズンでしたが、カム式は段取替が
頻繁であり、複雑な形状を一気に加工するには限界がありました。
そこで、「カム式自動旋盤からカムをなくそう」を合言葉に、「夢」に挑戦
したのです。
「カム」の加工を近代化するために開発したNC技術を活用し、「カム」を
なくす自動旋盤の開発に取り組むという、皮肉な展開であり、「NC化して
も上手くいかない」というのが世の定説でしたが、これが新しい「工作機械
NC時代」の幕開けとなりました。
後に「ドリームマシン」といわれた名機「シンコムF-12」は、五角形の回転
刃物台を2個対向位置に配置し、一方のタレットに取り付けた切削工具で加
工中に、他方のタレットで次の切削工具の選択を行い待機し、非加工時間を
最小とする工夫が凝らされていました。
その他独特の構造で、剛性と精度の向上を図り、またこれまでの工作機械に
ない清潔感ある斬新なデザインが受け、シチズンシンコムは量産体制が間に
合わないほどの大ブレイクを迎えたのです。
その後、専門工作機メーカーもこぞってNC化を進めてきたことはご承知の
通りですが、シンコムは同一シリーズで累計5万台を間もなく迎える、工作
機械としては異例のベストセラーとして君臨しています。
汎用機が自動旋盤に近づいてきた昨今、かつてカム式からNC化に進んだよ
うな画期的な技術開発ができるのか。
シチズンのエンジニアたちは新たな「夢」を描き、実現するために模索を続
けています。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
シチズンの軽井沢工場は、工場そのものを展示場とし、日常業務を全てオー
プンとしている。
中でも見ものなのが「きさげ」だ。
「きさげ」は仕上げ面をさらに精密に仕上げるために、手作業で凸部分を削
り取っていく作業だ。
大きく分けて、日本式の「腰で押す」方法と、欧州式の「腕で引く」方法と
がある。
どちらの方が仕上がり具合がよいかは別として、日本では珍しい欧州式も含
めて、シチズンでは両方の技術を修得している。
工作機械に「きさげ」が必要なのは言うまでもないが、この技術を独学で身
に付けることは難しい。
匠の代表格と言われるだけに、技能伝承なくして覚えられるものではない。
シチズンでは「きさげ」担当者が4名おり、40年近く取り組んできたベテ
ランが、30代、20代の後進を、やってみせ、やらせて指導している。
現在は作業全体にしめる「きさげ」の比率はわずか数%で、「きさげ」を必
要としない機械が多くなっているが、担当者に「手当て」を支給してまで、
この技能を伝承することを大切にしているのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
技術者は、自由な発想で「夢」を語れ。
「夢」-「現実」=「今、取り組むべき仕事」と考えよ。
「汎用品」をブラックボックスで使うな。
内製化して取り込むことで、機械がレベルアップできる余地がある。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 シチズンは元々工作機械屋だった
第2章 シチズン精機設立と軽井沢工場
第3章 シンコムを売りまくろう
第4章 会社を変える、工場を変える
第5章 次の一手は海外にある
第6章 名実ともに世界ナンバーワンにしたい
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◆ 関連ページ ◆
・シチズン工作機械 Cincom
・出版社 日刊工業新聞社
・アマゾン 『時計屋が育てた世界のベストセラーマシン』
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January 11, 2007

【今週の一冊】
●『この国の魂』
技術屋が日本をつくる
著:立花 啓毅(二玄社)
2006.10 / ¥1,260
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◆ 燃える一言 ◆
『低迷する日本のモノ作りに必要なのは、作り手の「美学」である。
「美学」とはイコール、人の「器」のことであり、
「器」とは「魂」のことである。
この「魂」が今、日本経済を支える技術者に求められている』
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以前、米経済紙『ビジネスウィーク』に、「日本車は日本人のイメージとそ
っくりで、おもしろくない」と書かれたことがあるそうです。
それこそ「おもしろくない」記事ですが、レクサスが苦戦し、欧米高級車が
依然、人気を誇っている現状を見及ぶに、頷かざるを得ない部分もあります。
筆者は、「我々自身が面白みや文化、哲学を持たないからクルマもそうなっ
てしまう」と断じます。
日本車の中でも名車と謳われる、ユーノス・ロードスターやRX-7のプロジェ
クトリーダーを歴任した筆者ならではの、辛口「ものづくり」論に耳を傾け
てみましょう。
繊維産業はイギリスの産業革命を機に機械化され、大量生産されるようにな
ると、イギリスからコストの安いアメリカ東海岸に移りました。
次に西海岸へ、そして日本へ。更に韓国、中国へと移行しました。
家電も同じ運命をたどっているように、商品は完成域に達すると、人件費の
安い地域へ流れていきます。
これを「商品循環論」といい、この風は否応なく世界中に吹き荒れています。
クルマも技術的には完成域に達しており、ヨーロッパでは影の薄いメーカー
は姿を消し、アメリカではビッグスリーも苦境に立たされています。
では日本のメーカーがこの「商品循環論」の風に吹き消されないためには、
どうすればよいのか。
今や中国の独壇場となった繊維産業であっても、西陣織や紬など、個性や文
化的背景のあるものは生き残り、世界から尊敬されています。
この個性や文化こそ、「美学」であり「魂」です。
世界一の品質と生産台数を誇る日本車に足りないもの、それがこの「魂」だ
と筆者は声高に叫んでいるのです。
過去の実績の積み重ねから、コンピュータの解析で試作車の完成度は、初め
から80%程度にまで到達できるようになりました。
しかし、「ニッパチの法則」と言われるように、残りの2割を高めるには、
8割の力が必要とされ、現在のクルマは、まさに最後の詰めにエネルギーを
かけるか否かで決まります。
最後の20%を持ち上げる力こそが、技術屋の「魂」であり、クルマを総合
的に判断できるセンスなのです。
筆者はこの「魂」を、教育論や国家論まで掘り下げて語っているように、も
のづくりの原点は、小手先ではない、人間性に深く根ざしたものであること
を気付かせてくれる一冊です。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
デザインとは、「行動原理」に沿ったものでなければならない。
「行動原理」とは、例えば次のようなことだ。
ドアのインナーハンドルを搭乗者により近づけると、使い勝手は悪いが、身
体をひねってドアを開けようとする。
すると上半身が後ろを向き、自然に後方を確認してからドアを開くことにな
る。
意識せずとも安全を確認することができるわけだ。
デザインとは、人の動きの中に溶け込んだ造詣でなければならないのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
流行を追うな。大衆に媚びるな。
人の意見を取り入れすぎると、平均点のつまらないものにしかならない。
器は感動の量に比例する。
器は愛することの喜びと、悔し涙の回数に比例するのだ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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第1章 モノってなんだろう?
第2章 魂あるクルマ
第3章 モノ作りの要諦
第4章 日本は腑抜けになった
第5章 オトコとしての価値
第6章 視点を変えると世界が見える
第7章 作り手としてのプライドを見せよ
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◆ 関連ページ ◆
・マツダ ロードスター
・出版社 二玄社
・アマゾン 『この国の魂』
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December 28, 2006

【今週の一冊】
●『ものづくりの教科書 強い工場のしくみ』
編:日経ものづくり(日経BP社)
2006.10 / ¥2,940
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◆ 燃える一言 ◆
『日本の工場に求められる役割
――それは、高付加価値の製品を顧客に素早く供給すること、
さらには海外工場のお手本になる高い生産性で生産することだ。
そして、現在高収益を上げている“強い工場”は、
それを実現する“しくみ”を確立している。』
-----------------------------------
「いざなぎ超え」もついに実現し、今や国内の景気、そしてものづくりの勢
いは完全に回復しました。
しかし、この波に乗っているだけでは、やがて今後行き詰るのは目に見えて
います。
グローバル企業との競争、環境や安全など新技術への対応、高年齢化による
労働力不足・・。
今こそ、工場から徹底的にムダを取り除き、ものづくりを進化させる取り組
みが必要です。
世界に誇る、日本の強い50の工場の事例から、そのヒントを掴み取りまし
ょう。
まず第1の特集は、やはり「トヨタ生産方式(TPS)」。
これまで自動車組立工程に代表される、BtoC製品に主に適用されてきたTP
Sが、上流の部品・ユニットなどの半完成品にも広がってきています。
「造り過ぎのムダ」を省くため、「後工程が引き取った分だけ前工程が補充
するプル生産」が基本となりますが、バッチ処理の工程がある部品には向か
ないように思われていました。
しかし、「流せるところは流し、流せないところはストア(棚)を設置」が
最近の時流です。
もちろん、ストアには番地制で決められた場所に決められた数しか置けない
ようにして、前工程の押し込みを防ぐ仕組みが必要です。
第2は「セル生産」。
多品種少量生産に向き、生産量の変動にも強いとされるセル生産についても、
「急激な増産には対応できない」「部品の在庫が増える」「作業ペースが個
人任せで管理しにくい」などの問題を解決せねばなりません。
急増する生産を、熟練者と同様にパートや請負作業者がセルで対応するのは
困難ですから、ピーク時にはベルトコンベアの併用、あるいは変動分をセル
で対応など、各社工夫を凝らしています。
多品種に対応するため、増える部品在庫を削減するため、セル内に小型の樹
脂成形機を取り込み、部品を「原料」で保管するアイデアも光ります。
作業者任せとなりがちなペースを制御するためには、ここもコンベア方式の
併用や、ITを駆使した作業通知システムなど、まだまだ改善の余地があり
ます。
いずれもいずれも、教科書通りやコンサルタントの定番メニューだけではな
く、自ら考えたコンセプトを、地道に実行し、改善した積み重ねが花開き、
大きな果実となっています。
月刊誌「日経ものづくり」で折々に登場している事例を納めた本書は、現時
点で最新の、工場改善のノウハウ集といえるでしょう。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
IDECの「アセンブルショップ」は、人間に代わりロボットがセル生産を
行う組立ラインだ。
長く連続したラインではなく、水平多関節ロボットと垂直多関節ロボットの
2台を中心とした「組立セル」が基本となっている。
ロボットハンドの先は部品に合わせてチャックが変化するため、複数の保持
具を環状に搭載でき、手首の回転でそれらを切り替えられる構造だ。
従来の人手に頼ったセル生産では、使えるのは作業者の腕2本。
多くの部品を組み立てるためには、何度も部品とレート製品の間を作業者の
手が往復しなければならない。
一方、アセンブルショップは、複数部品を一気に掴んで一気に組み立てられ
る。
セル生産の概念を大きく変えるもので「千手観音モデル」と言われている。
今後も日本で継続的に生産していける究極の設備を目指し、更に進化は続い
ている。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
動き続ける企業は、更に先に行く。
基本と最新事例を学んだら、早速実践だ。
中小企業こそ、ITを駆使せよ。
これほど安価に、高性能なツールが使えるのを、黙って見過ごすな。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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第1章 これからのニッポンの工場
第2章 トヨタ生産方式
第3章 セル生産
第4章 IT活用
第5章 自動化
第6章 生産性向上
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◆ 関連ページ ◆
・日経ものづくり
・出版社 日経BP
・アマゾン 『ものづくりの教科書 強い工場のしくみ』
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December 13, 2006

【今週の一冊】
●『トヨタの口ぐせ』
OJTソリューションズ (中経出版)
2006.9 / ¥1,365
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◆ 燃える一言 ◆
『製造現場にいるわれわれは商売人じゃないのです。
安く仕入れることが仕事ではありません。
安くものをつくることが仕事です。』
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「習慣」には、力があります。
生活習慣病、なんていうのは、まさに悪い習慣が蓄積された、恐ろしい結果
ですよね。
良きにつけ、悪しきにつけ、身についた習慣はなかなか離れるものではあり
ませんから、積み重ねた結果は、大きな差が生まれてくるものです。
世界No.1を伺うトヨタの「言葉の習慣」=「口ぐせ」は、ほんの一言で
はあっても、おらが会社との大きな差を生む「分岐点」かもしれません。
例えば、冒頭の言葉は、「一円でも安く、ものができんか」という口ぐせに
ついて加えられたコメント。
トヨタと言えば原価低減が有名ですが、それは「材料を一円でも安く仕入れ
ろ」という意味ではありません。
むしろ、カイゼンの着眼点として「材料のグレードアップをして寿命を延命
できないか」という項目が明記されているほどであり、材料費高騰でヒーヒ
ーいって買い叩く姿勢とは一線を画します。
ちょっとした知恵を加えることで、つくり方によってコストを下げるのがト
ヨタ流であり、一方では壊れた設備を自分たちで徹底的に直し、再利用する
ことなどで原価低減を進めているのです。
現地・現物・現実を大切にせよ、という意味の「三現主義」は、色々なとこ
ろで聞きますが、それを表す「口ぐせ」に、「者に聞くな、物に聞け」があ
ります。
現場の班長が作業者からトラブルの報告を受け、それを監督者に報告すると、
トヨタの監督者は「本当にそうか?」と聞きます。
そこで「たぶん・・・でしょう」という曖昧な言葉が出てくると、すぐに現
場に行き、実際に現場が異なっていると「自分で見ろ!」と大目玉を食らう
ことになるのです。
そして「三現主義」を身につかせるために言われる口ぐせが「マルを描いて
立っていろ!」
班長を指導するときに、監督者は工場内に直径1メートルほどの「マル」を
描き、「ここに立っていろ!」と言うのです。
30分ほど立って現場をじっとみていると、動いていると見えない、作業の
ムダやムリが見えてくるのです。
こうしたものの見方を、トヨタでは端的な言葉で脈々と伝えているのです。
「トヨタ生産方式」「カンバン方式」では分からない、トヨタの強さの源泉
は、実はこうした言葉が自然と出てくる「習慣」にこそあると気付かされる
一冊でしょう。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
2S(整理・整頓)とか、5S(+清掃・清潔・躾)も、現場の基本として
言われるが、分かりにくい。
トヨタの口ぐせはこうだ。
『1週間ものが動かんかったら捨てろ』
「整理」とは、現場でいるものといらないものを区別し、いらないものはす
ぐに廃棄すること。
「整頓」とは、いるものとして残したものを、必要なときに必要なだけをす
ぐに取り出せるようにすること。
具体的には、所・番地を定めて並べることである。
端的な言葉で表すことで、ハッキリとしたイメージと、何をすべきかが伝わ
る「口ぐせ」だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
本質は細部に宿る。
たかが口ぐせと侮るな。口ぐせになるほど実践している恐ろしさを知れ。
現場を変えたければ、「口ぐせ」を作れ。
口ぐせになるほど繰り返し言い続ければ、必ず変わる。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 「リーダー」を育てるトヨタの口ぐせ
(おまえ、あそこ行ったか俺は行ってきたぞ/者に聞くな、物に聞け ほか)
第2章 「できる人」を育てるトヨタの口ぐせ
(あなたは、誰から給料をもらうの?/何もしないより何かやって失敗した
ほうがいい ほか)
第3章 「コミュニケーション」をよくするトヨタの口ぐせ
(陸上のバトンリレーのようにやりなさい/横展しよう ほか)
第4章 「問題」を解決するトヨタの口ぐせ
(マルを描いて立ってろ/モグラがよく出るところからまず手をつけなさい
ほか)
第5章 「会社」をよくするトヨタの口ぐせ
(売れるスピードより速くつくらない/一円でも安く、ものができんか
ほか)
-----------------------------------
◆ 関連ページ ◆
・著者 OJTソリューションズ
・出版社 中経出版
・アマゾン 『トヨタの口ぐせ』
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September 20, 2006

【今週の一冊】
●『現場はもっと強くなる』
超トヨタ式・チーム力最大化の技術
著:村上 豊
2006.07 / \1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『諦めることは誰でもできる。
誰でもできることは、誰もができる程度の結果しか生まない。
誰もができないことをやろうとするからこそ、他の人には
真似ができないような素晴らしい結果を生み出すことができる』
-----------------------------------
いまや世界一の座が射程に見えてきたトヨタ自動車。
そのトヨタを、そして世界中の自動車メーカーを支える世界最大の部品メー
カー「デンソー」もまた、「トヨタ生産方式」を基に、日々カイゼンを続け
ています。
本書は、著者のデンソーでの30年の経験を基に、限界を超えて改善し続ける、
その生産方式の秘訣を探っています。
現在のデンソー社長・深谷氏はかつて、「一人光る、皆光る、何もかも光る
」とのメッセージを投げかけ、筆者はそこに「マインド」の大切さを知りま
す。
つまり、トヨタ生産方式は、成果やスキルの向上だけではなく、そのベース
となる「マインド」の成長を共に進めるシステムなのです。
例えば、仕事の進め方の基本である「PDCA」。
言うまでもなく、「P(計画の作成)」「D(計画の実行)」「C(進捗の
確認)」「A(計画の見直し)」の一連の流れを指しています。
ここに加えて、それぞれを遂行する上での「マインド」として、「思いやり
」「学び」「反省」「向上心」というキーワードを当てて、スキルの向上と
人間的な成長を共に勧めています。
この、スキルとマインドの成長サイクルを、共に回すのがポイントです。
このように書くと、「PDCA?ああ、知っている」という気になりますが、
分かったつもりが一番危険だと、著者は指摘します。
トヨタグループが強いのは、スーパーマン的な人が多数いるから、ではなく、
基本中の基本であるPDCAを、明けても暮れても、飽きもせずに、ひたす
ら地道に取り組んでいるからです。
「当たり前」にやるべきことを、毎日毎日きっちりと、着実にやり遂げてい
る「だけ」なのです。
“おそろしや たゆまぬ歩み カタツムリ”
トヨタ式は、PDCAに始まり、PDCAに終わるといっても過言ではない、
と語られるように、形だけではなく、心からの「トヨタ生産方式」ほど、恐
ろしい、そして頼もしいカイゼンはないのでしょう。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
一人ひとりが成長サイクルを回したとしても、各自がばらばらでは、職場全
体としての成長はありえない。
「環境・風土」が大切だ。
「麻の中の蓬(よもぎ)」という例えがある。
麻は生育するときは、天に向かってまっすぐに伸びる。
蓬は「もち草」ともいわれ、若葉が草もちに使われる植物だ。
蓬は麻の中で育てると、麻と同じようにまっすぐ天に向かって育つという。
生育が周りの環境・風土の影響を受けることはもちろん、方向性の影響も受
けるのだ。
職場の環境・風土も、方向性の合致した「成長」を進める上で、きわめて重
要な要素なのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
新入社員に語る理念を、中堅もベテランにも語れ。
「絵に描いた餅」を、噛み付きたくなるほどリアルに描け。
計画して実行だけでは、カルシウム(Ca)不足。
骨が折れないように、チェックと見直しが不可欠だ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 強い現場とは何か
第2章 強い現場のつくり方―成果と成長のマネジメント
第3章 「ユートピア指数と自己実現力」の総合診断(ワークシート)
第4章 超「トヨタ式」改善活動の実践ノウハウ
第5章 職場の「磁場」の整え方
第6章 成果を出すための心のマネジメント
第7章 職場ユートピア、リーダーの使命
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◆ 関連ページ ◆
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August 04, 2006

【今週の一冊】
●『超 クルマはかくして作られる』
著:福野 礼一郎 (二玄社)
2003.01 / \2,310
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『私は職人の一品作りよりも大量生産の方が何千倍も偉大だと思う。
ロールス・ロイスやフェラーリを作るよりヴィッツやフィットを
作る方が何千倍も難しく厳しい仕事だと思う。
100万円の1L車だったとしても、現代のクルマはまさしく
設計と生産の技術の英知の結晶だという事実である』
-----------------------------------
ついに到達した「100冊目」。
取り出したるは、本メルマガの発刊前から、必ず紹介すると決めていたこの
一冊。
すでに紹介した「クルマはかくして作られる」の続編であり、
その名の通り、自動車部品の製造工程が、豊富な写真と詳細な解説、そし
て福野氏の熱いレポートで綴られています。
前作がシートやガラス、塗料などの、いわば「外堀」を攻めたのに対し、本
作はいよいよ「本丸」へと攻め上がります。
ボディから始まり、ブレーキ、タイア、ばねなどの足回り、トランスミッシ
ョン、スパークプラグ、インジェクションと駆け上がり、エンジンの天守閣
まで暴れこみます。
その過程に現れるあらゆる部品が、それぞれにドラマと哲学を語るため、い
きおいキャプションも写植級が下がり(文字が小さくなり)、情報量は膨大
です。
毎日乗っている「クルマ」について、私たちは何を知っているのでしょう?
エンブレムの「樹脂」は、どうして「めっき」できるのか?
ハロゲンランプの5気圧のガスは、どうやって封じ込めるのか?
タイアは、なぜ「11種類」ものゴムを組み合わせて作るのか?
クルマが「へたる」のは、「ばね」や「ダンパー」がへたるから?
ベアリングの玉は、どうやって作る?
モータの銅線は、どうやって巻く?
エンジンのクランクシャフトは、どうして焼きつかない?
・・いずれも、100%、種も仕掛けも「ある」のです。
それは、材料と化学と物理に支配された自然現象を、バカ正直に追求し、そ
れを「学問」ではなく「商売」にできるまで、寄り添い、なだめすかし、手
なずけた「技術者」たちの「知恵と魂」の結晶です。
これまで多くの書籍を読み、紹介してきましたが、そこには必ず「現場」で
ものづくりに情熱を注ぐ「エンジニア」がありました。
本書にも、多くの無名の技術者、作業者たちが登場しますが、主役は彼らで
はなく、現場で姿を変えていく「もの」です。
しかし、「もの」に命を吹き込む「エンジニア」の熱き思いは、福野氏を通
して語られるプロセスの難しさや、エンジニアのコメント、そして何より、
薄汚れながらも懸命に働く機械の写真から、強烈に伝わってきます。
泥臭く、リアルな現場の姿こそが、ニッポンのエンジニアを熱く、元気にさ
せる最大の原動力であることを、今、改めて感じています。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「エンジンを運ぶために生まれてたようなクルマ」
自動車マニアにとって、V12エンジンのように、バランスが取れて馬力が出る
エンジンを極めたクルマこそが、理想のように思える。
しかし、現実のクルマ作りでは、それは冗談以外の何者でもない。
それに変わって、「最適化設計」「トータルバランス重視」という、何とも
味気ない、月並みな言葉に支配されている。
だが、本当に現代のクルマは「月並みで平凡」だろうか。
マッチ棒の先ほどのスペースに7つの部品を詰め込んだタイアバルブ。
解析とシェーディングで配光制御を突き詰めるヘッドランプの反射鏡作り。
100分の1ミリ、1000分の1ミリの公差を追求するピストンやインジェクタ
の加工技術。
それらは月並みどころか、繊細で緻密で神経質で徹底的で、思慮も配慮も研
究も、底知れぬほど奥深い、死ぬほどエキセントリックな世界だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「現場」に宝はある。
我ら技術者が相手にすべきは、現場の現物であること、ユメ忘れるな。
チャンピオン品を作ることと、量産技術は違う。
量産可能なチャンピオン技術をつくるのだ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
手作りボディ工場/めっき工場/照明機器工場/ブレーキ工場/タイア工場
/ばね工場/ダンパー工場/ベアリング工場/燃料タンク工場/
鉛蓄電池工場/ニッケル水素電池工場/AT工場/MT工場/排気管工場/
モーター工場/エンジンメタル工場/スパークプラグ工場/
インジェクタ工場/ウォーターポンプ工場/ピストン工場/エンジン工場/
リサイクル工場
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◆ 関連ページ ◆
・著者 福野 礼一郎
・出版社 二玄社
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August 03, 2006

【今週の一冊】
●『ガンプラ開発真話』
著:猪俣 謙次(メディアワークス)
2006.03 / \1,890
----ものづくりを応援!技術士やまさんの「えんぢに屋本舗」-----
◆ 燃える一言 ◆
『ガンプラブームが巻き起こってから四半世紀。
人気の秘密やブームの分析を語る出版物は数多く発行されている。
しかし、爆発する需要に応えるために、当時、生産ラインを支えた
人たちが味わった、気力体力を使い果たすほどの
苦労や努力については、ほとんど語られたことがない。』
-----------------------------------
やまさん含む30代エンジニアにとって、ものづくりに携わることに大なり
小なり影響を与えたのが、「ガンプラ」です!(断言。)
※「ガンプラ」=ガンダムのプラモデル。念のため。
1982年、日本中が空前の「ガンプラブーム」に沸き上がり、子供たちは、大
人も巻き込んで、「ガンプラ」を求めて模型店へ、おもちゃ屋へ、そしてバ
ンダイの工場まで押し寄せました。
やまさんも、早朝からダイエーの前に並んで、ようやく「1/100 グフ」を手
に入れた時の感動を、今でもハッキリ覚えています。
「バンダイは出し渋りをしているのではないか」と、一向に欲しいプラモデ
ルが手に入らない苛立ちを、皆が募らせていましたが、その裏側の生産の現
場では、「嬉しい悲鳴」を通り越した、悪戦苦闘があったのです。
ガンプラブーム以前、さらに宇宙戦艦ヤマトブーム以前、バンダイ模型の生
産ラインは自社工場内に3本しかなく、それで十分でした。
ところが「ヤマトブーム」「ガンプラブーム」を迎え、工場ラインは15本に、
更には新工場の建設と急拡大を繰り返します。
新工場建設当初は、仕事を確保できるかを心配していたのが、ブームによっ
て「フル操業の試練」へと180度変わります。
三交代24時間フル操業となったものの、スタッフは必要最低人数であり、16
時間連続勤務が当たり前のようにあり、せっかくの休日も16時間後には再び
出社という状況が続いたのです。
現場スタッフの壮絶な頑張りによって、「ガンプラブーム」は支えられたの
でした。
24時間操業の成型機では、1台につき毎日4,800ショット成型されており、金
型の一部が破損した場合には、気付かずに稼動し続けて、大量の不良品を発
生させる恐れがあります。
そこで、不良品の発見、品質管理のために、製造部の課長は「全てのスタッ
フが検査員だ。時間があったら組み立てろ!」と激を飛ばし、設計者を中心
に、毎日、当日の成型品を組み立て、不良の早期発見に努めました。
また、部品の破損やクレームに対応する「お客様相談センター」には、毎日
部品請求が山のように届きました。
中には「改造したいからパーツを分けて欲しい」という、本来なら対応しな
くても良い要求も多々ありましたが、丁寧にパーツを梱包して送るという、
ユーザーに優しい対応をしてきました。
そしてお客様の声を開発、設計にフィードバックすることで、ガンプラは「
進化するプラモデル」とまで呼ばれるようになり、ブームに拍車をかけてい
ったのです。
プラモデル作りの楽しさや、開発秘話など華々しい物語の裏側で、喜ぶ子供
達のためにと汗を流したエンジニア達の地道な活躍に、一層「ガンプラ」が
好きになった、やまさんでした。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「多色成型」とは、異なる成型色や素材の樹脂を、一体に成型する技術だ。
バンダイ模型は、1982年、ドイツのログ社から「多色成型機」の第1号を導
入した。
日本国内初の4色機であり、部外者へは公開せずに、極秘裏に開発は行われ
た。
バンダイ模型は、他メーカとの差別化を、この多色成型技術に求めたのだ。
1983年、「1/250 色プラGアーマー」として商品化された。
今にして思えば、決して満足できる完成度ではなかったが、とにかく第一歩
を踏み出したのだ。
2006年、成型工場で稼動している16台の成型機のうち、多色成型機は15台に
もなっている。
多色成型機はもちろん、設計者や金型技術者も日進月歩を続けた。
バンダイ模型の高度な多色成型技術は、他のメーカーの追随を許さないまで
になった。
そして、「スケールモデル専門メーカーこそが最高の金型技術を持っている」
という、一昔前のイメージは、完全に払拭されたのだ。
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◆ 熱い行動 ◆
熱きエンジニアの執念で、「ガンプラ、大地に立つ」。
実用品でなく、趣味のものづくりだからこそ、妥協ない緻密さが必要だ。
急変動する市場の要求にどう応えるか。
「明確な目標(喜ぶ子供のために)」が、現場を動かす。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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第1章 プラモデルの歴史―ガンダムへの道
第2章 ガンプラ誕生夜明け前
第3章 ガンプラ開発物語
第4章 パッケージデザイン物語
第5章 模型情報物語
第6章 ブームと渡り合った黒子たち―営業・生産ライン物語
第7章 特別寄稿 ガンプラブームに立ち会った編集者たち
「HOW TO BUILD GUNDAM」への道(柿沼秀樹)
「ホビージャパン」そして「電撃ホビーマガジン」(佐藤忠博)
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◆ 関連ページ ◆
・バンダイ ガンダムパーフェクトウェブ
・出版社 メディアワークス
・アマゾン 『ガンプラ開発真話』
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July 26, 2006

【今週の一冊】
●『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録』
人生に「自分の哲学を持つ人」になれ!
著:岩倉信弥(三笠書房)
2006.06 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『君たちは、腹が減って死にそうな人に、
『すき焼きの肉を買いに行きます』なんて言うのか!』
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2006年も半分を過ぎました。
当然、年初に立てた目標も、半分以上達成している・・はずですが・・。
未達成な人も、取り組めてない人も、はたまた目標を忘れてしまった人も、
ここは一つ、中だるみを反省して、本田先生に叱って頂きましょう。
冒頭の言は、自動車のデザインを担当していた筆者が、ホンダが勢いを失っ
ていた時に、宗一郎に一喝された言葉です。
当時、上級車志向が進んでいたときで、ホンダは従来よりも高性能なクルマ
や、アメリカ向けの大型車を日本市場に投入しており、お客様の動向をとら
え切れていませんでした。
「腹が減っている人には、先々の『すき焼き』より、いまの『おにぎり』だ。
やれ技術だ、性能だなどと頭でっかちになって、今この瞬間にお客さんが
本当に欲しいと思っているものを、提供できていない!」
という、的確な鋭い指摘に、著者は「モヤモヤが一掃され」、以後、仕事が
うまくいかなくなると、「おにぎり」「おにぎり」と言いまくったそうです。
また、筆者がデザインした試作車を、宗一郎が「格好悪い!」と言い、早速
呼びつけられたときのこと。
「ずっと見ていたんだろう?」と問われ、「いえ、はじめてです」と答える
と、「すぐ直すんだ!」と怒り爆発。部屋を飛び出していきました。
筆者がデザインしたモデルとは試作車は格好が異なっており、設計者に噛み
つくと、モデルは人や荷物の乗った状態であって、試作車とは車高が異なる
ことが原因と分かりました。
こんなクルマのイロハも知らなかったことを恥じるとともに、宗一郎の怒り
は、試作の過程を「見ていない」点にあったことに気付きます。
自分の仕事は「モデルまで」と思っていた筆者に、「会社で働いているもの
は、全員が商品に責任を持っている」のだから、完成車になるまで自分の目
で確かめるのが責任だと、痛切に教えられたのです。
「君は人殺しか!」
強烈なカミナリは、接合に使うハンダを削る作業を、宗一郎が見た時に落ち
ました。
デザイン上、表面の凹凸は削らねばならず、また他社もやっていることでし
たが、ハンダの削りカスの鉛の粉塵が、職人の肺を悪くすると感じた本田は
黙っていませんでした。
今から思えば、環境問題への取り組みの走りとも言えますが、彼はただただ、
人間を愛し、従業員の身体を心配しただけなのです。
人間関係が希薄になり、殺伐としたニュースがめぐる今、身体を震わせるほ
ど真っ赤になって叱ってくれる人があるでしょうか。
本田宗一郎が生まれて100年。
彼のきつく、暖かい「叱咤激励」に、我々も耳を傾けましょう。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
本田は、「叱り上手」であると同時に「たとえ話上手」でもあった。
「スタイルの基本は、やっぱり四角だな。
世の中には『形』は3つしかないんだ。丸と三角と四角だよ。
『丸』は円満、『三角』は革新を連想させるよな。
それでいうと『四角』は堅実な感じがする。
企業の経営も、円満だけでは会社はつぶれる。
革新だけを追い求めるのも危険だ。
やはり、基本は堅実で、そのうえで時代の動きをよく見て、円満さや革新
を適量混ぜ合わせていくことが大事なんだよ」
一見、本田は「革新」のイメージだが、実際は「堅実」に「円満」、「革新」
を混ぜ合わせるさじ加減に心を砕いていた。
名車シビックのデザインは、基本の四角に、丸、三角を取り入れた、宗一郎
お気に入りのバランスだった。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
言い訳の前に、現物を見よ!
手を動かす前に、考えよ!
叱ってもらって喜べるほど、素直な人間はいない。
しかし、叱ってもらえることは、喜ぶべきことだ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
1章 仕事には「哲学」が必要だ
―原理原則の貫き方を覚える
2章 「見ていて飽きないもの」をつくれ
―「人間好き」がいい仕事をする
3章 本当にそういうことをしたいと思っているのか
―考えて考えて、考え抜く
4章 自分が感動できないものは、人を感動させられない
―「夢と目標と志」は高く、大きく!
5章 一歩先でなく半歩先
―大事なのは、先見、先取、先進!
6章 休みの日には「高いもの」を見てこい
―現場・現物・現実がすべて
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◆ 関連ページ ◆
・著者 岩倉信弥
・出版社 三笠書房
・アマゾン 『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録』
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June 07, 2006

【今週の一冊】
●『価格競争なき ものづくり』
著:多喜 義彦(日経BP社)
2006.01 / ¥2,520
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◆ 燃える一言 ◆
『創造の「創」にはキズの意味があります。
創造は従来のものを破壊するほどの強い意志が伴う開発行為です。』
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一部の大手電機メーカや自動車業界は景気回復の波に乗り、好況を呈してい
ますが、本当に「儲かっているか?」といえば、利益率は、数パーセント。
まして中小企業となれば、原材料費の高騰を受け、青息吐息が実態です。
そんなときに言われる解決策といえば・・
「人と違うことをしろ!」
「ニッチを狙え!」
「ナンバーワンよりオンリーワン!」
・・そりゃ、ごもっとも。 で、どうすんの?
本書はそんなアドバイスとは一味違う切り口で、成功事例を挙げます。
まずは「あきらめるな」。
スピードの時代と言われますが、事例を見れば、執念を持って同じところを
掘り続けている人が、実は成功しています。
例えば、救急車のストレッチャー用の除振台に、磁石の反発を使った製品。
磁石の反発力は距離の関数だからバネ要素になるが、減衰の効果があるとは
誰も思わないから、「できるはずない」と断言されてしまいます。
しかし試行錯誤でやっていくと、良いデータが出てきたのです。
ところが、救急車に磁石なんて、患者や機器に影響あったらどうするんだ!
とまたもや大反対を受けます。
では、と調べてみると、携帯電話の方が2倍も危ない、というとんだ「濡れ
衣」だと分かり、製品化に踏み切ったのです。
「定性的」判断を、「定量的」な裏付けで覆した事例です。
次に「こびるな」。
多軸を精密に制御し、転造で研削並みのギアを加工してしまう転造盤を作っ
たメーカは、あまりにも高効率で高精度な加工ができてしまうため、設備を
「売らない」という選択をします。
もし外販すれば、全世界の需要を「200台」程度で満たしてしまうほど能力が
あり、また装置をばらされてコピー品が出てしまうことを怖れたのです。
そこで、ユーザには「使用料」を頂いて加工をし、「所有権」は渡さないこ
とで、メーカも、ユーザも満足できています。
そして「力を抜け」。
これは結構、難しいですが、力のある会社が、あえて力を抜くことで成功し
た事例です。
たとえば、自動車のパワーウィンドのモータを買ってきて、ちょこっと部品
を追加してトラック用の自動ドア部品を作ってしまった事例などが紹介され
ています。
いずれも携帯電話や薄型テレビのような派手さはなく、しかも五重苦(少量、
多品種、異形、不定期、低頻度)を抱えたようなものが目立ちます。
だからこそ、その逆境を切り抜けた一癖ある事例は、エンジニアを元気にさ
せるパワーに溢れたものばかりです。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
自動車エンジンの常識になってきた樹脂製の吸気マニホールド。
そのキーテクノロジーが、DSI(Die Slide Injection)だ。
射出成型中に金型をずらし、もう一度締め直してまた成型する。
これを開発した張本人は、射出成型の門外漢だった。
もともと組立専門であった彼のアイデアだったが、射出成型の道の常識で考
えれば、金型をスライドさせるなんて荒唐無稽な提案だ。
細々と研究を進めていたが、3年の後、急に脚光を浴びるようになる。
そして前述のマニホールド、あるいはドアミラーに内蔵されたウィンカーラ
ンプなど、適用事例がどんどん出てきている。
成熟産業と思われている分野(=ダメだダメだと言っている業界)でも、視
点を変えれば新しい可能性は広がっているのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
教科書や前例には、「五重苦」を克服する力はない。
本当に創造的なことに、似た話などありえない。
最初から問題点指摘で進めるのは、大量生産時代。
問題点があれば走りながら解決するのが、これからだ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 あきらめるな
(爆発を味方にする―アモルファス
マニア恐るべし―電動ヘリ
仲間も営業も敵だけど―防振架台 ほか)
第2章 こびるな
(一生ものはこう作る―トイレ浄化
良いものは売るな―転造盤
「問答無用」なときもある―コーティング ほか)
第3章 力を抜け
(よそ者だからできること―金型内組立
「ダメもと」が生んだもの―接着性樹脂
あるものは何でも使え―宅配便用自動ドア ほか)
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◆ 関連ページ ◆
・磁気浮上除振台 メディックマスター
・転造盤 (株)ニッセー ギャラクシーCNC転造機
・出版社 日経BP社
・アマゾン 『価格競争なき ものづくり』
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June 01, 2006
【今週の一冊】
●『目からウロコ 自動車リサイクルでみんなが得する本』
廃車は100%よみがえる
著:森 剛(ごま書房)
2004.10 / ¥1,365
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『現状を知り、危機感を持っているものが、
いまやらなくてはならないことなのだ。
だれかがやらねばならない。
だとしたら、私は喜んで、パイオニアとしての苦しみなど
引き受けようと思う。』
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昨年から完全施行となった「自動車リサイクル法」。
車検時などにリサイクル料金をすでに納めた方も多いことでしょう。
これは廃車のリサイクル率を、2005年1月1日には85%、2015年
には95%を自動車メーカーが行なうことを定めています。
ところが、すでにリサイクル率100%を実現している「中古車屋」がある
のです!
それが、本書の著者、森氏が経営する「オートセンターモリ」です。
日本では年間500万台もの自動車が廃棄され、その大半がシュレッダーダスト
という、細かく砕かれた廃棄ゴミとなって埋め立てられています。
その際、車に使われていた不凍液やオイルが適切に処理されず、垂れ流しと
なり、自然環境を汚染していることが少なくありません。
この現状を食い止め、きれいな地球を取り戻す―こうした使命感に突き動か
され、森氏は「自動車の100%リサイクル事業」という「正売」を始めた
のです。
リサイクルの流れは、独自に構築したシステムにより、まず中古車の年式や
傷の程度から、商品としての価値を評価します。
そこで自動車、あるいは部品が販売できるかを判断し、どこにも売れず、し
かも素材にすれば合計○○円で売れる、と判断したら、車を会社に持ち込み
ます。
そしてコンピュータの指示に基づいて、部品を「手作業で」外していくので
す。
解体は一人屋台方式(セル方式)で、処理終了まではたった1時間!
しかも、従来はニブラという破砕機で破砕した後、取り外す部品は50品目以
下であったのに対し、200品目もの部品を解体、いや再生部品として「生産」
しているのです。
丁寧に部品を外したあとのボディは純度の高い鉄くずとなり、やがて鉄の原
材料として完全にリサイクルされるのです。
不用になったものを浄化したり、新たに蘇らせる「静脈」産業は、循環型社
会実現に必要でありながら、未だ模索状態です。
森氏が事業を軌道に乗せるまでの苦労は一方ならぬものでしたが、中古車業
を通して、自動車を「ゆりかごから墓場まで・・・そして墓地から蘇らせる」
ことを“使命”とした信念が、大きな潮流となっていることを感じます。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
車のシートは、硬質ウレタンを土台としており、10年使ってもほとんどヘタ
リがこないほど耐久性が高い。
また、人が長時間座ることを前提とし、疲れないよう人間工学的に研究され
て作られている。
しかも普通のソファには絶対ついていないヘッドレストまで着いている。
このような優れた性能を備えたシートを捨ててしまってはもったいないと、
応接セットとして活用することを、森氏は思い立った。
まずシートの汚れを取り、サンドペーパーで丁寧に磨き、ニス塗りをする。
この後、大工や木工所の協力で、仕上げていく。
こうして、運転席や助手席のシートからは一人掛けの椅子が、後部座席から
は二人掛け、三人掛けのソファができる。
あるみにシアターでは、全座席を自動車シートで作り、好評だという。
自動車部品を、カーグッズ以外へのリサイクルも考える視点が、今後廃棄車
両の利用価値を高めていくことになるのである。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
リサイクルはボランティアではなく、事業だ。
カイゼン・5Sを徹底し、ムダとりで効率は上げられる。
信念は、人を動かし、会社を動かし、国を動かす。
熱い使命感が、困難を克服する原動力だ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
プロローグ 日本を、地球を甦らせるビジネスとは…
―私が自分の人生を、自動車再生に賭けたわけ
第1章 ただの商売ではない、「正売」だ
―人権と環境を結びつける
第2章 世界に誇る、自動車解体・再生の技術革命
―技術と理念が結びついたとき
第3章 人が好き、車が好き
―だから、いろいろな思い出のつまった車を「廃車」にしない
第4章 「やっぱりモリは違う!」その一言のために
―お客様は神様、そして社員は宝
エピローグ 夢は、「世界再生」に向けて羽ばたく
―「静脈」が機能すれば、地球も人間も元気になる
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◆ 関連ページ ◆
・オートセンターモリ
・出版社 ごま書房
・アマゾン 『目からウロコ 自動車リサイクルでみんなが得する本』
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May 17, 2006

【今週の一冊】
●『キヤノン方式のセル生産で意識が変わる 会社が変わる』
著:酒巻 久(日本能率協会マネジメントセンター)
2006.03 / ¥2,100
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◆ 燃える一言 ◆
『極論すれば、生産方式は工場の生産性にはほとんど影響しない。
セル生産は、コンベアラインのように画一的ではないだけに、
働く人の意識が成果を大きく左右する。
そこがセル生産の強みであり、怖さでもある。』
-----------------------------------
「キヤノンのセル生産」といえば、今や「トヨタ生産方式」と並んで、日本
の優れたものづくりの代表です。
さぞやセル生産の高い生産性が説かれていると思いきや、子会社キヤノン電
子でセル生産を押し進めた酒巻社長曰く、
「セル生産とコンベア生産は、純粋に生産効率だけを比較してみれば、それ
ほど大きな差はない」!
ではなぜ、全社にセル生産を徹底し、実際に7年間で経常利益10倍、利益率
8.8倍という驚異的な成果が生まれたのでしょうか?
それは、同じ作り方を続けていると「垢」が溜まるからです。
かつて効率的であったコンベアラインには、ムダが蓄積し、本質が見えなく
なっています。
そこで「セル生産」を改革の旗印にし、まずは工場を変え、そして製造に直
接関わらない開発や営業も含めた、全社的な「意識改革」にまで広めたのが、
キヤノンにおける「セル生産システム」なのです。
あまりの遅さから、社長が「涅槃工場」と呼び、全社一遅かった生産ライン。
工場の移転によるスペース縮小などをきっかけとし、現場の試行錯誤で独自
のセル生産を編み出し、ついには3年で一人当たりの出来高が4倍以上に向
上し、全社一早いラインに生まれ変わります。
また同じく社長から「太極拳工場」と皮肉を言われたラインは、「K-1工場を
目指そう!」(格闘技のように素早く!)の掛け声の下、目立たないが着実
な「亀の歩み」で生産性をやはり4倍に伸ばしています。
こうした成果は、「ピカ一運動」「朝の挨拶運動」など、精神論とも思える
地道な活動が源泉です。
「ピカ一運動」は、課や係などのグループ全員が、「出前迅速(すぐやる)
一番」「朝の出社一番」など、遊び心をもった挑戦テーマに取り組む活動。
また「朝の挨拶運動」は、コミニュケーション不足の風土を変えるべく、ひ
とりの部長が、朝玄関で「おはようございます!」と声をかけて始まった運
動で、次第に気持ちのいい挨拶ができる習慣が広まったものです。
これらの活動で、積極性、コミニュケーションの改善が進み、やがては製造
ラインでの不良率激減(不良率166PPMが、5年で1PPM=100万個に1個!)と
いう形で現れたのです。
セル生産を導入した企業は数あれど、キヤノンのように「企業改革」にまで
結びつけた事例はわずかです。
目先の成果を求めて、形だけ「狭義の」セル生産を導入するのではなく、ト
ップから従業員一人ひとりの意識を変革する「カギ」が、セル生産方式であ
ると気づかされた、目からウロコの一冊です。
-----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
現場以上に生産性が低いのが、オフィスの業務だ。
IT化でパソコンに向かっていると、遊んでいるのか仕事をしているのか分
からない。
そこで、キヤノン電子ではパソコン業務のログ(記録)を取るシステムを自
社開発した。
抜き打ちでログ解析を行ったところ、驚くべき結果が出た。
アダルトサイトを1日3時間以上も見ている社員、9時間近くもチャットを
続けていた社員、その他、株の売買、ゲーム、ネットオークションなど、業
務に無関係なパソコン使用の実態が明らかになった。
これではオフィスの生産性が高いはずがない。
実態を管理職に明らかにし、直ちに社外のインターネット接続を全面的に停
止した。
必要な社員のみ申請書を出させたら、半数になった。
半数以上の社員には、業務にインターネットは不要だったのだ。
そして、同じフロア、また上下のフロアの相手とはメールのやり取りを禁じ、
直接か電話でやり取りするようにした。
くだらないメールに時間を使うより、仕事のスピードは格段に上がったのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
生産方式は、「手段」だ。
手段に合わせて目的を見失わず、かつ新方式の断行で旧習を見直そう。
よその改善事例を、「真似て」みよう。
机上や耳学問ではなく、足と目と手で学び取ろう。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
序章 キヤノン方式のセル生産システムは意識改革のマネジメントである
第1章 セル方式とコンベア方式の常識を疑え
第2章 セル生産システムで意識は変わる!
第3章 最速手組みライン・美里事業所
第4章 意識改革で工場敷地面積を70%削減・秩父工場
第5章 オフィスもセル生産で改革せよ!
終章 セル生産システムで経営を変える!
-----------------------------------
◆ 関連ページ ◆
・キヤノン電子(株)
・出版社 日本能率協会マネジメントセンター
・アマゾン 『キヤノン方式のセル生産で意識が変わる 会社が変わる』
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April 24, 2006

【今週の一冊】
●『クルマはかくして作られる』
いかにして自動車の部品は設計され生産されているのか
著:福野 礼一郎(二玄社)
2001.04 / ¥2,310
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『革巻きのステアリング、本皮革張りのシート、
ボックスカーフのかばんにシープスキンのブルゾン。
私たちは動物の皮革が大好きだ。
しかしそれについては何もしらない。』
-----------------------------------
・・・鼻血が出そうになりました。
いや、もう、なんというか、膨大で繊細な写真の数々と、細かなキャプショ
ン、充実したコラムと、何より福野氏の「熱い」記事に、圧倒されっぱなし
です。
自動車部品に関わる やまさんとしては、少しは「クルマの作り方」をかじっ
たつもりでしたが、トンでもない「井の中の蛙」であったと思い知らされま
した。
3万点の部品から構成される「自動車」。
その一つ一つの部品は、いかにして作られるのか。
少々クルマにうるさい方なら、ボディのプレス加工や、インパネなどに使わ
れる樹脂成型の方法などはご存知でしょう。
では、プレス加工に使う「金型」や、樹脂成型の原料となる「樹脂材料」の
作り方は?
さらに、プレス加工の原料となる「鉄鋼材料」、あるいはインパネ表面の皺
のような「シボ加工」の作り方は??
そこまでくると、予想とはかけ離れた、いや予想だにできない「ものづくり
」の地平が遥かに広がっているのです。
一例を挙げれば、「バルブコア」をご存知でしょうか。
別名「ムシ」。
そう、タイヤのエアバルブの中に入った、直径5.1mm、長さ19.5mm、重量およ
そ1グラムの小さな部品です。
日本の太平洋工業はバルブコアの世界シェア25%を占めるトップメーカーで
あり、その生産数は月産4000万個!
しかも「バルブコア」は、さらに小さな7つの部品から構成されているので
すから、ざっと部品は日産1400万個!!
もちろん、精密に作らねばたちまち「パンク」ですから、精度と速度とコス
トを究極まで追い求めた姿が、目もくらむ膨大な部品と加工機の写真から、
ビシビシ伝わってきます。
幾度となく撮影禁止が出た中で収められた工場の写真には、各社のものづく
りの英知がにじみ出ています。
本書は以前から紹介したかった1冊ですが、ひとたび手に取ると、1枚の写
真でご飯3杯いけそうなくらいの情報量に、おなかが一杯になってしまうた
め、なかなか取り上げられませんでした。
レザー加工や織物工場まで出てくる本書は、自動車関係だけでなく、ものづ
くりに関わる方ならば、きっと「目を丸くする」こと請け合いの、おススメ
の書です。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「バルブコア」太平洋工業の写真には、自動旋盤がズラリと並んだ工場内の
レイアウトが分かるような写真は「撮影NG」であり、掲載されていない。
それは、機械の台数がカウントできてしまうからだ。
日産本数、工場の稼働時間は公表されているから、メンテナンス等に費やす
時間がどのくらいのものなのかを知っている人間ならば、1本あたりの切削
時間が推察できてしまう。
切削は、現物の表面粗度から、だいたいどういう切削条件なのかが見当がつ
く。
だから、もし1個あたりの切削時間が判明すれば、どんな刃物を何回転で回
し、だいたいどのくらい切り込んでどのくらいのスピードで送っているのか、
切削条件が全て分かってしまうも同然だ。
そこにはインチキもウソもなく、バカが付くくらい正直な世界だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
何気なく手にしているものが、どのように作られているか。
生産数量と精度とコストから、まじめに試算してみよう。
百聞は一見にしかず。
ライバル達の熱い現場の記録に轄目せよ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
はじめに /トヨタ・センチュリー工場 /ウッド・パネル工場 /
レザー工場 /インストルメントパネル工場 /アルミ鋳鍛工場 /
内装材専門工場 /ガラス工場 /金型工場 /樹脂成型工場 /
エアバルブ工場 /塗料工場 /エアコン工場 /ファブリック工場 /
シボ(エッチング)工場 /キーロック工場 /ワイアハーネス工場 /
ウェザーストリップ工場 /シートベルト・エアバッグ工場 /製鉄所 /
ボディ工場 /あとがき
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◆ 関連ページ ◆
・バルブコア製造 太平洋工業(株)
・出版社 二玄社
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April 10, 2006

【今週の一冊】
●『「段違い品質」を実現する現場力』
著:酒見 和行(日本実業出版社)
2005.11 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『品質管理・改善活動は、時代がどんなに変わろうとも
「不変のセオリー」があります。
これらセオリーが活動に十分に反映されない限り、管理・改善効果は
期待することができません。』
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JIS規格に、「品質」とは何か、以下のように定義されています。
「品物又はサービスが、使用目的を満たしているかどうかを決定するための
評価の対象となる、固有の性質、性能の全体」
つまり、品質には「品物」と「サービス」の二つがあるのです。
「品物」とは、ハード面としての「製品」そのものです。
一方、「サービス」とは、換言すれば「仕事」と言えます。
通常、品質=「製品の品質」と考えられ、面倒見るのは品質管理部門と、設
計や製造部門、となりがちですが、「仕事の品質」と考えれば、あらゆる部
門で「品質」は作りこまねばならないと分かります。
本書は、品質の厳しさでは有名な、ホンダの現場で35年にわたり鍛えられた
品質管理のセオリーがまとめられています。
一体どんなスゴイノウハウがあるのか気になるところですが、結論から言え
ば・・
・セオリー84:品質改善は特別なことをやることではない。
当たり前のことの積み重ねである。ウルトラCはない。
・・え、がっかりしました?
しかし、もし素人が「4回転ジャンプ」や「イナバウアー」をやろうとして
も、ひっくり返ってしまいますが、特別なことをやらないのだから、誰でも、
どんな現場でも実践できるのです。
品質の女神のお住まいは、「現場」です。
そして、彼女は「人の足音」を聞いて育ちます。
設計担当者、金型担当者、設備担当者らが現場に出向き、これらの人の数が
多く、何度も足音を響かせると、「品質」は育つのです。
また、品質の女神は、机の上や、パソコンの前が嫌いだそうです。
パソコンでの報告のマトメ、プレゼン資料作りが忙しければ、現場の実践活
動時間が減少します。
品質改善活動は現場力の強化の活動ですから、例えば、報告資料作りを廃止
して、生データ中心の報告を行い、まとめは実務で使ったデータ中心とする
などの対策が有効でしょう。
「当たり前」「セオリー」を徹底的に理解し、実践するためのガイドとして、
そして「その場、そのとき」にすぐ適用するために、読みやすい本書を手に
してみてもよいかもしれません。
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◇ カンドコロ! ◇
本書巻末に掲載されている、「品質の十戒」を紹介しよう。
「仕事の品質」が上がること、請け合いだ。
1.やっているはずと言うことなかれ
○タラレバ、デモシカ、ハズは禁句
2.言いっぱなしにすることなかれ
○指示や評価のフォローを怠るな
3.聞きっぱなしにすることなかれ
○指示、アドバイスの放置、忘れることなかれ
4.まかせっぱなしにすることなかれ
○確認、管理を怠るな
5.やりっぱなしにすることなかれ
○PDCA管理のサークルを回して確かめろ
6.問題の先送り、することなかれ
○「日々完結」を基本としろ
7.計画倒れになることなかれ
○成功は実行したかどうかが分岐点
8.聞き流しにすることなかれ
○指示、アドバイスは無視せず活用しろ
9.ほったらかしにすることなかれ
○仕事と環境は「3S」の基本を忘れるな
10.「やってます」に安心することなかれ
○中身と精度とスピードが重要
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◆ 熱い行動 ◆
現場の3S(整理・整頓・清掃)を徹底せよ。
仕事も整理(やるべきこと明確化)整頓(進捗管理)清掃(報連相)せよ。
品質の源流は人にある。
人にある、とは「私のこころ」にある、ということだ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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第1章 製品の品質は仕事の品質から
第2章 現場力の改善から始まる
第3章 問題解決のための環境づくり
第4章 改善活動のためのリーダーシップ
第5章 失敗に学び、失敗を活かす
第6章 人が育つ、人を育てる
第7章 行動主義と現場主義が品質を育てる
第8章 「日々完結」が品質管理・改善の基本
第9章 衆知を集めて結果を出す
第10章 当たり前のことを積み重ねる―本書のまとめ
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・出版社 日本実業出版社
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March 29, 2006

【今週の一冊】
●『アジア自動車産業の実力』
世界を制する「アジア・ビッグ4」をめぐる戦い
著:土屋 勉男, 井上 隆一郎, 大鹿 隆(ダイヤモンド社)
2006.01 / ¥2,310
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◆ 燃える一言 ◆
『アジアは、日本企業にとって、米国や欧州と並んで、あるいは
それ以上に今後は収益性の高い地域になる可能性がある。
焦点市場である米国に加えて、アジアで比較優位を発揮した企業が、
今後のグローバル競争における勝者であることは間違いなかろう。』
-----------------------------------
北米、ヨーロッパ、そして日本の自動車販売台数は、それぞれ頭打ちとなっ
ていますが、グローバルで見ると右肩上がりの傾向がはっきりしています。
それは近年、BRICsと称される新興市場が急激に存在感を増しているか
らに他なりません。
中でも、I(インド)、C(中国)に、ASEANを加えたアジア市場が、自動車
メーカにとって魅力の高い市場、というよりも主戦場になってきています。
本書は、今後5~10年後をにらんで、激変するアジア事業、中国事業展開
の羅針盤となるべく起こされています。
中国市場については、著者らが描いたシナリオでは、2010年以降「アジア・
ビッグ4」時代が出現すると見ます。
厳密に言えば「アジア・ビッグ4」にGM、フォード、VWを加えた「アジ
ア・ビッグ4、プラス欧米3」時代ですが、なかでもホンダ、トヨタ、日産
自動車、そして韓国の現代自動車の「アジア・ビッグ4」が中国市場をリー
ドすると考えます。
ここ数年は、先行したVWにホンダ、GM、現代自動車が急速に追い上げて
きており、これに加えて05~09年は、出遅れていたトヨタ、日産が総力をか
けて追いかける展開となります。
これはまさに、80~90年代に米国市場で起こった、グローバル競争時代の再
現と言えるでしょう。
しかしこれら企業の能力増強投資は累計すると異常な規模に膨らんでおり、
中国の高度成長経済をもってしても、消化しきれない生産能力が計画されて
います。
これを乗り切るためには、アジア大の視点で製品・部品の国際分業戦略が重
要となり、中国をASEANと共に、ものづくりの拠点と位置づけて、国際競争力
のある製品を育て上げる戦略が問われることとなります。
例えば、トヨタ自動車は、新しいピックアップ・トラックと多目的車(IMV)
を開発する「IMVプロジェクト」を進めており、日本にベース車を持たず、か
つ日本製部品にほとんど頼らないことなどを特徴としています。
この結果、トヨタのASEANでの生産台数は、04年には前年比28%増となり、05
年以降もIMVシリーズをタイ、インドネシアを中心として生産能力を拡大する
勢いです。
こうして見ると、BRICsの進出に遅れた日本企業にとって、長期間かけ
て育成してきたASEAN市場競争でのポジションが、アジア全体をにらんだ戦略
の中で重要となります。
中国は市場規模も大きいですが、事業リスクも大きいのに対し、ASEANは市場
規模は中国ほど大きくないものの、日本企業にとってリスクは小さいのが魅
力です。
アジア各国に長年技術協力をしてきた日本のメーカーにとっては、ようやく
先行投資の果実を刈り取る絶好のチャンスが到来しているのです。
中国一極集中に相乗りするのではなく、また安易な国内回帰でもなく、「ア
ジアにおける国際分業」が、これからのものづくりのキーワードといえるか
もしれません。
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◇ カンドコロ! ◇
タイはASEANでは最大の自動車市場規模の国だ。
ASEAN諸国の中で最も自由化政策を進めたので、日本・欧米の自動車、部品メ
ーカーが集中し、「東洋のデトロイト」と呼ばれる。
トヨタ自動車は、前述のIMVの開発・生産拠点としてトヨタタイの工場を位置
付け、さらにIMVを世界各地10カ国でのグローバル生産車種とする計画だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
5年後、10年後の姿(市場、製品)を描き出せ。
最善、最悪、その中間のシナリオを挙げ、対策を講じよ。
自ら、「アジアの時代」を足を運んで目に焼き付けよう。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1部 アジア自動車産業の成長構造と市場展望
アジアを取り巻く自動車産業環境の変動
アジア自動車市場の将来展望
中国の自動車産業
ASEANの自動車産業
第2部 アジアをめぐる自動車産業の実力と日本企業の戦略
韓国の自動車産業―構造改革とグローバル・リーダー企業の誕生
アジアが引き金となる国際再編企業ランキング2005
アジアをめぐる国際競争、国際再編のシナリオと日本企業の戦略
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◆ 関連ページ ◆
・著者 土屋 勉男、井上 隆一郎
・出版社 ダイヤモンド社
・アマゾン 『アジア自動車産業の実力』
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March 08, 2006

【今週の一冊】
●『トヨタ生産方式』
脱規模の経営をめざして
著:大野 耐一(ダイヤモンド社)
1978.05 / ¥1,470
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◆ 燃える一言 ◆
『なお、一部の人たちのこの方式を曲解しての批判に対しては、
弁明・釈明は一切しておりません。
世の中のことはすべて歴史が立証すると確信するからです。』
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「ものづくり」に関する書籍の中で、これだけは外せない、というものがい
くつかありますが、本書はその筆頭ともいえます。
30年近く前に刊行されながら、なんと先日、ついに第100刷まで到達した、ロ
ングセラーです。
それもこれも、トヨタ生産方式の生みの親、大野耐一氏がその「思想」をま
とめた貴重な一冊であり、冒頭の言葉が示すがごとく、NO.1企業トヨタの源
流だからです。
トヨタ生産方式の2本の柱は「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」。
ではその関係は?
大野氏は、これを野球にたとえて、前者をチームプレー、後者を個人技を高
めることに当たると説明します。
「ジャスト・イン・タイム」によって、生産現場の各工程に当たる、グラウ
ンドの各選手は、必要なボールをタイミングよくキャッチし、連係プレーで
ランナーを刺します。
全工程がシステマチックに見事なチーム・プレーを展開するのです。
生産現場の管理・監督者は、野球の監督・コーチに当たります。
強力な野球チームが、どんな事態にも対応できる連係プレーを展開するよう
に、「ジャスト・イン・タイム」を身につけた生産現場は機能するのです。
一方の「自働化」は、重大なムダであるつくり過ぎを排除し、不良品の生産
を防止する役割を果たします。
そのために平生から各選手の能力=「標準作業」を認識し、これに当てはま
らない異常事態、つまり選手の能力が発揮されないときには、特訓によって
その選手本来の姿に戻してやります。
こうして「自働化」によって「目で見る管理」が行き届き、生産現場すなわ
ちチームの各選手の弱点が浮き彫りにされ、直ちに選手の強化策を講じるこ
とができるのです。
ちょうどWBC真っ盛りですが、強い野球チームは必ずチーム・プレーよし、
個人技よしであるように、「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」の両立
が、強い現場を生むトヨタ生産方式の真髄です。
これら全ては、「原価を下げる」というニーズから生み出されたものであり、
しかも単なる願望ではなく、自分をぎりぎりの線に追い込んで、掴み取った
ニーズです。
カンバンや上辺をまねて、おいしいとこ取りしようという浅薄な「ニーズ」
では、到底理解できない境地です。
「トヨタ生産方式は、考え方を根本から改める、意識革命である」との至言
を痛感する本書は、ニッポンのものづくり人ならば、必読・必携の書である
と断言します。
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◇ カンドコロ! ◇
「フォード・システム」と「トヨタ生産方式」。
片やロットを大きく、段取り替えを少なくする方式であり、片やロットを小
さく(1個流し)、段取り替えをすみやかに行う方法だ。
全く対照的な生産方式だが、意外なことに、大野氏はヘンリー・フォード1
世に敬服して止まない。
例えば、フォード1世は、「標準」に関して、「相手が国であっても、企業
トップであっても、どのような上司であっても、上から与えられるものでは
なく、『標準』を設定するのは生産現場の当事者がせよ」と述べている。
また、「産業の終着点は、人々が頭脳を必要としない、標準化され、自動化
された世界ではない。その終着点は、人によって頭脳を働かす機械が豊富に
存在する世界である」とも書き残している。
これらを通して、大野氏は、「ヘンリー・フォード1世がいま生きていたら、
トヨタ生産方式と同じことをやったに違いない」と言い切る。
フォードの後継者達は、必ずしも彼の意図した生産の流れを作らず、間違っ
て解釈していたのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「トヨタ生産方式」はツールではない。マインドだ。
しかも生みの親が数10年かけて浸透させたことを、知らねばならない。
「データ」以上に、「現物」を見よ。
「原因」ではなく、「真因」を追究せよ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
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第1章 ニーズからの出発
第2章 トヨタ生産方式の展開
第3章 トヨタ生産方式の系譜
第4章 フォード・システムの真意
第5章 低成長時代を生き抜く
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◆ 関連ページ ◆
・著者 大野耐一先生の言葉
・出版社 ダイヤモンド社
・アマゾン 『トヨタ生産方式』
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February 15, 2006

【今週の一冊】
●『明日のものづくり』
CAEによる新しい文化の創造
著:サイバネットシステム(日経BP社)
2005.10 / ¥2,100
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◆ 燃える一言 ◆
『デザイナーが「こんな曲線になる布」、あるいは「こんな条件下で
こういう形状になるものが欲しい」と言ったとき、
それを作り上げるのが設計・製造に携わる技術者の仕事である。
そして、そういう技術者がものをつくるのを支援する道具が
CAEなのである。』
-----------------------------------
実は私、やまさんは、大学時代はFEM(有限要素法)を使って「切削シミ
ュレーション」の研究をしていました。
・・と書くとたいそうですが、教科書のおまけのプログラムをちょこちょこ
いじった程度で、5インチフロッピーのPC98で無理矢理動かしていまし
た。
もちろん本書で取り上げられている現在の、そして明日のCAE(Computer
Aided Engineering)とは天地雲泥の差です。
この一冊で、CAEの基礎から最新動向まで、一通り俯瞰することができま
す。
CAEの役割は、実際のものづくりの前に、コンピュータ上で仮想的にもの
を作り、仮想実験を行うことで、実際の試作や実験回数を減らし、コスト・
開発期間を短縮することにあります。
例えば、マツダでは、設計図面の精度を高めて、多岐にわたる評価項目をコ
ンピュータ上の仮想試験に置き換えることで試作車作りを不要にし、デザイ
ン決定から量産開始までを、12ヶ月という驚異的な短期間にしました。
また適用分野も、構造力学、流体力学、熱工学などの構造解析分野、また電
子回路設計、あるいは光学系のレンズ設計などの分野で利用が進み、更に広
がりを見せています。
これは近年の「C(Computer)」の、ハードとソフトの能力向上が大きく寄
与していることは明らかです。
一方で、あくまでCAEは「A(Aided)」であって、「Automatic」ではな
いことを自覚せよ、と登場する方は口々に述べています。
人間は雰囲気を感じることが出来ますが、CAEはできません。
一方、CAEは中身を見ることが出来ます。
だから、エンジニアはリアリティを体験して、頭に描きながら道具として使
うのが望ましいのです。
引張試験で材料が破断するときの音や雰囲気、破断したものを見ずに、コン
ター図だけで判断するのは危険です。
道具が便利になったからこそ、「E(Engineering)」の部分に磨きをかけね
ばなりません。
今ならば、例えば5階建てのビルの地震時の振れを解析する場合、実態形状
に基づいた細かな分割モデルで表現することは可能です。
しかし、工数が増えるばかりで解析精度がよくなるとは限りません。
それならば、各階を集中質量、階をつなぐ柱や壁をばねと考えた、5質点系
の簡単な串団子状のモデルで考えることが実用的であり、本質を理解できま
す。
CAEは未だ発展途上であり、技術者が思いつかなかった答えを導き、すご
い発見が出来る「夢の手法」ではありません。
あくまで「何が知りたいか」「結果をどう利用したいのか」が明らかなエン
ジニアのための「見える化」のツールであることを知った上で、「明日のも
のづくり」を加速すべく、大いに利用しなければならないでしょう。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
油圧関係装置の製造などに早くからCAEを導入したカヤバ工業。
同社の切削機械が、早朝、機械の温度が一定にならないうちに稼動させると、
ひずみが出て軸がずれてしまうことがあった。
要求精度が向上した現在では、無視できない問題になってきた。
やむを得ず、工場では早朝40分間はランニング時間に充てていたが、どう
考えてももったいない。
そこで、機械内の温度変化のデータを収集し、どこにどういう潤滑油を回せ
ば温度が一定となるかを解析した。
こうして原因を突き止め、現在ではランニングなしで稼動できるようになっ
たという。
製品に対するニーズや技術が高度化できれば、それだけCAEを活用する場
面が増えるのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
設計・実験・工作を結びつけるのがCAEだ。
「よく一致させる」解析のための解析では意味が無い。
現物の少ない失敗と、コンピュータ上での沢山の失敗を経験せよ。
リアルだけ、バーチャルだけでは、どちらも不十分だ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 CAEによる新しいものづくり文化の創造
第2章 CAEとは?
第3章 CAEを活用する人たち
第4章 CAEを支援する人たち
第5章 CAEを支援するツール
第6章 CAEの将来
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January 18, 2006

【今週の一冊】
●『勝つ工場』
モノづくりの新日本モデル
著:後藤 康浩(日本経済新聞社)
2005.06 / ¥1,470
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◆ 燃える一言 ◆
『日本の製造業はこれからも工場や生産現場の細部に意識的に
こだわっていくべきだ。
もちろん重要なのは、細部の表層ではなく、その下に隠れた発想、精神、
こだわり、現場のモチベーションなどであることは言うまでもない。
細部に宿る本質が大切なのである。』
-----------------------------------
筆者の前著「強い工場」では、「中国危機」が、日本のものづくりの自己変
革を進める原動力となった点を詳しく描き出しました。
(昨年メルマガでも紹介しました⇒ http://tinyurl.com/9rfuq )
そして実際に中国危機を力に変え、更に力強く「勝つ工場」へと進化した日
の丸企業の様々な「勝ち方」を、本書では紹介しています。
キャノンをはじめ、中国から国内生産に回帰する動きが鮮明になってきまし
た。
かつては無尽蔵とも思われる人材供給で、圧倒的な低人件費を誇っていた中
国ですが、「一人っ子政策」や「農村保護政策」により、早くも神話は崩れ
去りました。
高騰する人件費、「政冷経熱」といわれる不安定要因、また輸送コストやタ
イムラグを勘案すると、もはや中国生産は、低コスト化の切り札にはなりま
せん。
一方、国内生産で得られるメリットの一つが「コンカレントエンジニアリン
グ」です。
製品寿命が短縮化し、「発売から9週間が勝負」と言われるデジタル家電に
おいては、世界同時の垂直立ち上げにより、発売直後の売り時に、大量に製
品を供給することが肝心です。
そのためには、「作りやすさ」を盛り込んだ最適設計が必要であり、松下電
器では、現場と隣接した開発部門が、工場の意見を取り込んだ設計により、
見事DVDレコーダーで高いシェアを獲得しました。
また、自社・グループ内でキーデバイスの生産を完結する「囲い込み」がで
きる点も見逃せません。
シャープの亀山工場は、「ライン全工程を歩けるのは社長だけ」と言われる
ほど、徹底した守秘にこだわります。
かつて、装置メーカーが韓国・台湾に技術を売ったために起きた、液晶モニ
ターの技術流出に歯止めをかけるためです。
液晶生産のための技術はあえて特許にせず非公開にしますが、後に公開され
た他社特許に訴えられないために、それら技術を「公証文書」として封印し、
いざというときには先に発明していたことを証明する手段をとっています。
こうした「作り方」の改善のみならず、製品そのもののイノベーションが、
今の日本のものづくりの「勝つ」力となっています。
特にハイブリッドカーに代表される、「異種技術の統合・複合化」に強みを
発揮しており、まさに「擦り合わせ」技術です。
ハイブリッドカーには、元来、自動車メーカが持っていなかったモータやイ
ンバータ、電池などの技術が必要ですが、あえて内製化することで、キーデ
バイスの主導権を握り、高いレベルで統合化を実現しています。
現場で起きているこれらの事象は、非常に細かなものですが、細部の戦術に
徹底的にこだわった「勝つ工場」がなければ、「強い本社」を担ぐことは出
来ません。
愚直に「ものづくり」を掘り下げるトップ企業の事例を収めた本書は、大き
な刺激を与えてくれること、請け合いです。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「SPS(セット・パーツ・システム)」。
トヨタの新しい部品供給方法だ。
これまでなら各工程の部品を作業者がライン脇から選んで取り出していた。
部品をあらかじめ1台分そろえておくSPSでは、セットする人手が増える
ため、「ムダ取り」のトヨタ生産方式に逆行するように見える。
これは、ハイブリッド車まで含めて5車種もを混流させるために起きた弊害
の改善だ。
一つの弊害は、部品棚の膨張。
もう一つは、部品選択ミスの発生、またそれを怖れる作業者の負荷増加だ。
実際、多品種混流に伴い、正味の作業時間が減少していた。
これを空きスペースを利用した事前セット「SPS」により改善したのだ。
また、セットする作業者は、トヨタを定年退職した人を派遣会社が再雇用し
ている。
トヨタは、まだまだ自己否定を繰り返し、進化している。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
キャッチアップの時代も、失われた10年も終わった。
プロセスと製品のイノベーションが、勝ち残りの必須条件だ。
エンジニアは、まず細部に徹底的にこだわり抜け。
その上で、市場(特に高機能品と、BRICs向け普及品)を意識せよ。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
1章 中国から日本へ
2章 日本生産の新たな強み
3章 シャープ亀山の闘い
4章 白物ルネサンス
5章 日の丸パソコンの挑戦
6章 日本から世界に
7章 日本製造業の勝ち残り
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November 09, 2005

【今週の一冊】
●『誰も知らないトヨタ』
著:片山 修(幻冬舎)
2005.10 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『困ってないヤツほど、困ったヤツはいない。
その男が困るほどいじめなければダメだ。』
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「トヨタはいま、歴史的危機にある」
連結純利益1兆円、GMを抜いて世界一の自動車メーカーになる日も目前に
もかかわらず、トヨタ自動車副会長の張富士夫氏の言葉は、あまりにも意外
です。
外からは絶好調に見えますが、いったい「誰も知らない」トヨタの実状とは
どんなものでしょうか。
具体的に「危機」の意味するところは、「伸びきった兵站」であると指摘し
ます。
26ヶ国51箇所もの海外の生産拠点を抱え、さらに再来年までにチェコ、中国、
アメリカ、タイ、ロシアに新たな工場が稼動する予定と、トヨタの戦線は急
速に拡大しています。
開発、設計から製造、販売、サービスまでの機能を全世界でどう維持するの
か。
全世界的にどう「人的資源」を確保するか。
かつてない世界規模のスケールと切実さをもって課題が迫っていることを実
感して、トヨタの経営トップは危機感を募らせているのです。
しかし、真に注目すべきは、最高益を続けながらも自社の現状を「危機」と
認識し、現状打破を目指すトヨタの「自己変革の体質」です。
「変えないこと、変わらないことは悪」
「毎日を最悪と思え」
「三年間、何も変えなければ会社は潰れる」
トップから現場まで、口々に「変わる」ことの重要性を述べ、「変える」こ
とを促します。
それは、問題があるから「変える」のではなく、問題を探してでも「変える
」のです。
「変える」エネルギーを生むために、あえて社員に無理難題を突きつける。
答えを現地現物で、徹底的に見つけ出すために、有名な「5回のなぜ」を繰
り返します。
「なぜ、なぜ」を追求するときには、「ああ、そうか」は禁句です。
安易に納得すると、そこで思考が停止。粘り、執着心の不足です。
トヨタの現場では、「真因」にたどり着くまで、思考し続けることを、入社
時から徹底的に叩き込まれるのです。
では、急速にグローバル化する大トヨタに、「トヨタウェイ」を浸透させる
秘策はあるのでしょうか。
まず、これまで暗黙知であった「トヨタウェイ」を「知恵と改善」「人間性
尊重」の2本柱にまとめて明文化し、価値観の共有を図っています。
そして「トヨタウェイ」の伝承機関「トヨタインスティチュート」を設立し、
経営と実務の人材を育成しています。
もちろん、海外に日本と同じようにトヨタウェイが浸透するかは未知数です。
だからこそ、問題点を具体的に抽出し、改善のスパイラルを上昇させるので
す。
今や誰も追いつけないほど、地平の遠くを歩み続けるトヨタは、それでもな
お着実に、その歩みを止めずに突き進み続けています。
本書や、数ある「トヨタ本」を読んで、真似をして改善をしても、そのころ
には、もっと「誰も知らない」ところにトヨタは進化している。
苔むす間もなく転がり続ける彼らに、追いつくことは難しいと痛感します。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
現場作業の基本動作の勘やコツを教え込むため、トヨタでは作業の「ベスト
技能」のマニュアルを映像入りで作っている。
例えば、ボルトの締め付けを学ぶためのテキストでは、作業のポイントを分
解している。
ボルトをとって指の中で送る動作のコツは、指の中でうまくボルトの頭を出
すことだ。
手には4,5個のボルトを持っているから、落とさないようにボルトの頭を出
すにはコツがある。
ボルトの頭の部分が手前になるように、左手の送りを繰り返し訓練する様子
が動画で映し出される。
ボルトを手に取る際の手首の返し方や握り方などが、誰にでもわかるように
紹介されている。
この映像に従って、繰り返し練習する。
コツをつかんだら、メトロノームを使って作業をリズミカルに行い、1分間
に20本のボルトを締め付けられるかどうかが評価基準となる。
こうした「ベスト技能」のマニュアルが、2,000種類も用意されている。
無駄な動きは疲れるが、洗練されたならば動作が楽になり、生産の安定性や
品質のばらつき抑制に役立つのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「2002年11月」以前に設定されたままの「作業標準」はないか。
3年も改善されていなければ、働いているとは言えない。
「時間」とは「命」だ。
自分の、社員の「命」を有効に使わねば申し訳ない。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
第1章 問題点を探してでも変える
第2章 困っていないヤツほど困ったヤツはいない
第3章 “トヨタ現人”のつくられ方
第4章 労務管理の失敗はすべてを失う
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November 02, 2005

【今週の一冊】
●『ものづくり魂』
この原点を忘れた企業は滅びる
著:井深 大 編:柳下 要司郎(サンマーク出版)
2005.9 / ¥1,995
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◆ 燃える一言 ◆
『会社では「ものをつくりたい」という欲求が、
最大・最良の「絆」となる。』
-----------------------------------
昨年から今年にかけて、全国で「本田宗一郎と井深大展」という展示会が開
催され、やまさんも大阪の会場に訪れました。
(そのときの感想はブログにあります⇒ http://tinyurl.com/c3p9x )
自転車にエンジンを取り付けた「バタバタ」や、おひつにヒーターを貼った
だけの「電気炊飯器」といった、創業期のホンダ、ソニーの「製品」を実際
に見ることができる、貴重な機会でした。
それらの製品からは、とても現在の両社の姿は想像すらできませんが、「も
のづくり」で世の中に貢献したい、という創業者たちの熱き志が、その後の
躍進の原動力となったことは、ひしひしと伝わってきました。
本書は、ソニーの生みの親、井深大が、その盟友、本田宗一郎について語っ
た内容と、井深と共にソニーを育てた盛田昭夫との対談を軸に、日本を元気
にする三人の「ものづくり魂」を描いています。
本田と井深は共通して、まず最初に「こういうものをつくりたい」と、今ま
でにない大きな目標を掲げてしまいます。
こんな技術があるから、ではなく、とにかく目標にあった技術を探していく
のです。
ソニーが初めてテープレコーダを開発したときも、何も分からない全くの素
人ですから、紙に磁石の粉をご飯粒で貼り付ける、なんてことを大真面目に
やっていくところからのスタートでした。
本田宗一郎も、まだ日本の片田舎のオートバイメーカーであったときに、世
界最高峰のマン島TTレースに出場すると宣言してしまい、その後現地で見
たレベルの格段の差にショックを受けます。
そこから、当時の常識を2,3倍も上回る、8,000回転以上も回るエンジンを
つくると狙いを定め、出てくる問題を全て解決して、高速回転エンジンをつ
くり上げ、TTレースを制覇してしまったのです。
本田はその後、自動車用のエンジンでも、排気ガスを後で浄化するのではな
く、完全燃焼により排気をクリーンにする、従来とは全く異なる発想のCV
CCエンジンをつくり上げます。
その根底にあったのは、「多くの人に喜ばれるもの、多くの人を幸せにする
ものをつくりたい」という信念です。
ソニーも、トランジスタの周波数をどんどん上昇させ、世界初の短波ラジオ、
FMラジオを生み出し、新しいものをつくり出す事に徹底的にこだわりまし
た。
昨今のソニーの低迷は、この「ものづくり」へのこだわりが薄らいだからで
はないでしょうか。
では、「ものづくり魂」を育むために必要な教育とは何でしょうか。
それは、「見たり、聞いたり、試したり」することであり、特に「試したり」
が欠けていると、井深氏は指摘します。
会長になっても白のつなぎで現場に降り、ハンマーで左手を傷だらけにして、
宗一郎は現場で自ら「試して」みました。
こう聞くと無鉄砲になんでもやってみたように思いますが、いざ試すときは
細かいところまで慎重に気を配り、優れた洞察力や見識を養ったのです。
「怖いのは失敗することではなく、失敗を恐れて何もしないことだ」
本田氏の言葉を肝に銘じ、今一度、「ものづくり」の喜びという原点に立ち
返ろうではありませんか。
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◇ カンドコロ! ◇
井深は、本田に「牛の角はどうやってついているか、知っているかい」と訊
ねられた。
雄の牛には角が生えていることは知っているが、角が前か耳が前かと聞かれ
て、目をシロクロさせてしまった。
実は牛の角のことを知らないのは井深だけではなく、普段、牛をよく目にし
ている農村の若者まで「さあ、どうやってついていたかなあ」と分からない。
本田は得意になって絵を描きながら説明した。
彼がいろいろな人に聞いて回ったところ、答えられたのは画家だけだったそ
うだ。
我々は、目を開けてものを見ているようで、案外、見ていないことが多い。
これでは創意工夫なんかできっこない、普段からものを良く見ることが大切
だと本田は言いたかったのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
あなたは誰のために、何のためにつくるのか。
「自分が儲けるため」か、「人を幸せにするため」か。
スタート(今の技術の延長)から考えるな。
ゴール(達成した製品機能)から考えよ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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I部 わが友・本田宗一郎
1 本田さんと私
2 技術者として使命感
3 ものをつくることへのこだわり
4 見たり、聞いたり、試したり
5 「日に新た」
6 論より直感
7 本田さんの遊び・私の遊び
8 好奇心に限度なし
9 競争のないところに発展はない
10 本田さんがだいじにした“商売の心”
II部 わが相棒・盛田昭夫
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October 12, 2005

【今週の一冊】
●『町工場こそ日本の宝』
著:岡野 雅行、橋本 久義(PHP研究所)
2005.7 / ¥1,470
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◆ 燃える一言 ◆
『金型はまさに「まごころ」だ。
いいものをつくりたい、お客さんに喜んでもらいたい、という一心で、
金型づくりの現場では、切る、削る、穴を開ける、磨く、という
作業をひたすら繰り返しているのである。』
-----------------------------------
やまさんの勤める工場では、大量生産の部品加工の主力は、材料取りにムダ
の少ない「冷間鍛造」と呼ばれるプレス加工です。
数千トンもの圧力で、金属の塊があっという間に、粘土細工のように変形す
る様子は圧巻ですが、その金属を形作るための金属=「金型」には、強度、
精度、表面状態など求められる機能は多岐にわたります。
本書の対談に登場する「岡野工業」の岡野社長は、隅の破れやすい角型のリ
チウムイオン電池の深絞り加工や、蚊の針と同じくらい細い「痛くない注射
針」を、プレス加工で製品化してしまうという、日本一の金型職人とも言え
る方です。
「痛くない注射針」は、全長20ミリに対して、針穴の直径が80ミクロン、針
の外径が200ミクロンと、ほとんど「蚊」の針と同じ太さで、しかもテーパー
状なのです。
そしてこの針を、円柱状に「引き抜く」のでも「絞る」のでもなく、平板を
「丸めて」、合わせ面を溶接せずに材料のスプリング力で締めて、なおかつ
液が漏れないように作るのですから、その精度たるや想像を絶します。
更に驚くのは、これが技術力を示すためのF1マシンのような「サンプル」
ではなく、大衆車のごとく、すでに量産化されている点です。
岡野社長の手がける製品は、科学的には「できない」という常識を、ことご
とく超えて実現しているのです。
なぜ、この限界を超えた精度が実現できるのでしょうか?
曰く、「結局、数字じゃない。“気持ち”だ。」
「この材料のツラをひとなめしといてくれ」「気持ち取ってくれ」という言
葉で表される“気持ち”。
竹のヘラに油をつけて金型の表面をひとこすりしただけで、金型の寸法は変
わらないと普通、思います。
「ところが変わるんだよなあ、“気持ち”だけ(笑)」とのこと。
町工場で鍛え上げ、一人前になるまで10年といわれる、この研ぎ澄まされた
感覚が、最先端の技術を生み出します。
そしてもう一つ、岡野さんは「仕事」が楽しいのです。
遊びに行くよりも、朝から晩まで金型のことを考えるのが楽しく、本で勉強
するのは嫌いだけれど、いい仕事のためにはカタログや洋書も読んで学びま
す。
「あそこにもここにも断られてどうしようもなくて来ました。岡野さん!な
んとかしてください!」と頼られることを喜びとし、「なんとかしてやろう
じゃないか」と立ち上がるのです。
若い人が腕に覚えのある職人として成功するためには、「一つのことを決め
たら、ずっとそれをやること」が大事だと、岡野社長は説きます。
セミも地面にもぐっている間が長く、成虫になって外に出るのには時間がか
かるように、人生悪いときが長くても大丈夫だから、決して途中であきらめ
るな―。
日本一熱い町工場から、明日のものづくりを担う世代への、熱いメッセージ
です。
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◇ カンドコロ! ◇
岡野社長が常識を超えたプレス加工を実現する「秘薬」がある。
「潤滑油」だ。
同じ金型でも、絞りをかける前に材料の金属に塗る潤滑油を変えれば、金属
が切れずにうまく延びる。
世界で誰もやったことのない、難しい深絞りができるかどうかを左右するの
は、油の差も大きい。
例えば、電池ケースの深絞りをするときには、材料に施したニッケルめっき
を、潤滑剤として使うのだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
自分の仕事を愛し、熱中しよう。
「あいつならなんとかしてくれる」と頼られるまで、経験と実績を積もう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 | | (炎3つが満点)
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第1章 日本の製造業を語る
第2章 機械を越える「ローテクの技」
第3章 日本のものづくりのために
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September 21, 2005

【今週の一冊】
●『工場を歩く』
ものづくり再発見
著:加藤 正文(文),綱本 武雄(画)(神戸新聞総合出版センター)
2005.7 / ¥1,680
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◆ 燃える一言 ◆
『ものづくりの魂は 自足しない。(小関智弘)』
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私やまさんは、兵庫県の片隅の工場で、日々汗を流しています。
日ごろは自分の働く現場や、関連工場しか目にすることはありませんが、辺
りを見渡せば、製菓工場やビール工場、製鉄所や造船所など、多種多様な工
場で働く「同志」がいることに気づきます。
近くても、なかなか覗くことのできない兵庫県下の「ものづくり」の現場を、
精緻なペン画のイラストとレポートで、紙上見学会といきましょう。
「鉄と船以外はすべて包む」といわれるほど、段ボールのユーザーは、飲料、
食品、家電、その他あらゆる産業部門を網羅します。
段ボールの生産量は景気のバロメータとしても利用されており、実際2003年
秋からの生産量は前年を上回り、景気回復を裏付けています。
レンゴー三田工場のラインでは、ロール状の原紙から波状の中芯を作り、表
と裏にライナーと呼ばれるシートを貼り付けて、実に毎分260mの速さで
張り合わせていきます。
それを「すべてオーダーメード」といえるほど「多品種“変量”」の形状に
打ち抜き、1日350品目の注文に即応できる体制をとっています。
しかも段ボールのリサイクル率は9割以上であり、繰り返し再生されている
環境にやさしい製品なのです。
金物の町・三木にある岡田金属工業所は、替え刃式のこぎりのトップメーカ
ーですが、これまでの栄光にすがることなく、生産性向上に取り組んでいま
す。
刃の輪郭をつくる「自動ヒガキ目立て機」は、手作りで仕上げていた刃の整
形を自動化し、更に刃幅の自動測定結果をフィードバックして補正します。
冒頭の言のごとく、現状に満足せず、常に上を求め続けるのが職人の気概で
あり、ITも道具として有機的に使いこなす柔軟さが必要です。
描きこまれたイラストの、自動研磨機の機構をじっくり眺めると、汎用機に
はない独特の「知恵」をひしひしと感じ、飽きさせません。
また松下電器のパソコン組立のセル生産の様子を描いたイラストには、お金
をかけずに作業性を上げた道具=「からくり」が紹介され、組立に使うセル
=屋台が、「整然」でも「雑然」でもなく並べられている様子も表されてい
ます。
こうしてみてみると、工場内のイラストは、廃れ行く職人芸を味わい深く描
くため、という「後ろ向き」な意味よりも、最新の生産技術情報を写真では
流出させられないために絵にした、という「攻め」の意図が感じられます。
身近なところで、こんなにも「熱い」ものづくりを仕掛ける工場があること
に誇りを感じ、同時にイラストや他人の文章ではなく、この目で現場を見た
くてウズウズしてきます。
見学の申し込み先まで丁寧に記載されているので、関西地区の方、お気に入
りの工場に、この連休にでもお子さんを連れて、訪れてみてはいかがでしょ
うか。
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◇ カンドコロ! ◇
パイプの製法には、鉄板を丸めて溶接する方法と、鉄の棒を伸ばして作る「
継ぎ目なし(シームレス)」がある。
後者は継ぎ目がない分、作り難いが強度は高い。
「パイプの住金」と呼ばれる住友金属工業のシームレスパイプ製造現場の様
子が描かれている。
「押し抜き」といわれる製法は、円柱状の鋼塊の中央を芯金で押し、リング
状の型に押し込んでいく。
型を通すときに、すべりを良くするためにガラス粉をかける。
人が歩くのと同じくらいのスピードで、象の鳴き声のような摩擦音を響かせ
ながら外周が絞られていく。
一つ目の型を通り抜けたら、鋼塊を引き抜き、通したリングはワイヤで引き
上げる。
そうして2つ目、3つ目の型に通して、段々と外径を狭めて細くしていく。
文字では分かりにくいが、イラストならば一目で分かる。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
地元の工場に、足を運んで、じっくり見てみよう。
小学生だけに工場見学させていては、もったいない。
現場の「楽しさ」「面白さ」を、文字や絵、言葉を駆使して伝えよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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工場を歩く(55工場の紹介)
コラム・休憩時間
1 工都クルージング
2 工場を歩く装い
3 働く環境
4 建築ウォッチングで温故知新
5 おみやげ
6 「工場を歩く」メーキング
インタビュー 小関智弘さんに聞く
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August 17, 2005

【今週の一冊】
●『技術屋たちの熱き闘い』
組織の壁、開発の試練を突き破れ!
著:永井 隆(日本経済新聞社)
2005.8 / ¥730
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◆ 燃える一言 ◆
『日本が世界に貢献するのは経済でも、
まして政治なんかではない。技術なんだ』
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お盆休みを終え、休みボケと残暑のけだるさに、どうも調子が出ない・・。
そんな頭に、猛暑より「熱い」エンジニア達の燃える闘志を、ガツンとお届
けしましょう!
本書は、主に最近のヒット商品の開発現場で、技術者たちが乗り越えてきた
数々の「闘い」が描かれています。
TOTOのユニットバス、といえば、「カラリ床」と「魔法びん浴槽」。
インパクトのあるユニークな技術は、同じ開発者が立て続けに打った「ホー
ムラン」でした。
開発者の北角氏は、まずユニットバス特有の「乾かない」という致命的欠点
の克服に取りかかります。
床材料のFRP(繊維強化プラスチック)に、カッターでガリガリと傷をつ
けると、水滴が形成されず、乾きやすいことを突き止め、独特な溝形状を成
型することを思いつきます。
金型を起こし、発売直前となったところで、急に「乾かない」テスト結果が
出てしまい、カタログ印刷直前でストップがかかります。
脱力した北角氏でしたが、自宅の風呂でおもちゃの人形を手にして「長考」
していた時にふと気づきます。「原因は人の『皮脂』だ!」
皮脂がワックスのように作用したために、効果が出なくなったことを突き止
め、加工法を含めたブレークスルーにより、あのヒット商品が生まれたので
す。
周囲は北角氏に「次のホームラン」を求め、強烈な周囲のプレッシャーの中
で、「保温できる浴槽」を提案しますが、「カラリ床」ほどのインパクトに
欠け、反応は冷ややかです。
そこで「冬場に6時間経過しても2℃しか下がらない」という突き抜けたタ
ーゲットを示し、開発に突き進みます。
開発の実行部隊は、あれこれ「できない」言い訳を述べ、彼は「俺がやる」
と自ら引き受けますが、強度を満たす保温材の選定は、難航を極めます。
1年に及んだ「長考」の末、息子のおもちゃの飛行機の「発泡ポリプロピレ
ン」に光明を見出し、見事に目標の性能を達成したのです。
ダイハツ工業で、自動車の排ガス浄化に用いる「触媒」に、自己再生機能を
与えたエンジニア、田中氏は、世界を放浪した後に29歳で入社するという、
一風変わった経歴を持ちます。
「管理職になるなら辞める」と上司に言い、「会議に出て1時間無駄にする
なら、10分怒られて50分実験に使う」と朝礼等一切出ない、という偏屈者で
すが、放浪体験から学んだ東洋思想を元に、独自の環境技術を切り開きまし
た。
彼の「インテリジェント触媒」によりダイハツは環境技術の先陣を切り、後
にライバル会社が追い上げることで、自動車の排ガス浄化は大きく前進した
のです。
北角氏、田中氏を始め、トップエンジニア達の共通の思いは「売れる商品」
を作ること以上に、「ものづくりを通して世の中を良くしたい」という信念
です。
プロジェクトXや、すでに紹介した書籍に登場した事例も含まれていますが、
熱き「技術者仲間」の想いは、一服の清涼剤となることでしょう。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
スズキの「チョイノリ」は、国内生産ながら中国製より安いスクーターだ。
常識破りの「破格値」を実現するために、既存技術にとらわれない発想が必
要となった。
アルミ合金のエンジンのシリンダー内面に、焼きつき防止のため通常は鋳鉄
製のスリーブを用いるが、大型化し、放熱性も劣る。
アルミの表面をめっきする方法もあるが、工程が複雑で、コストが大幅に上
がる。
そこで、シリンダ内面を「陽極電解エッチング」と「高速めっき」という新
しい手法により、インライン化も可能な、安価で革新的な技術を開発したの
だ。
F1と同じ手法を、安価なスクーターに使う、逆転の発想だ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「どうつくるか」の前に、「なぜつくるか」を問い直せ。
技術者は、技術の前にロマンを語れ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 人々を幸せにするものづくり
松下電器産業/ななめドラム式洗濯乾燥機
TOTO/魔法びん浴槽
第2章 本当は凄い日本の技術力
ダイハツ工業/インテリジェント触媒
日産自動車/フェアレディZ
サントリー/発泡酒
第3章 埋もれた研究と才能を生かす
スズキ/チョイノリ
キリンビール/キリンチューハイ氷結
ホンダ/ASIMO(アシモ)
第4章 挑戦せずにはいられない
東京めたりっく通信/ADSL
トヨタ自動車/燃料電池車
燕市/磨き屋シンジケート
第5章 「ゼロから一を」生むために
富士通/フルカラーPDP
カシオ計算機/デジカメ
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July 20, 2005

【今週の一冊】
●『シマノ 世界を制した自転車パーツ』
堺の町工場が「世界標準」となるまで
著:山口 和幸(光文社)
2003.6 / ¥1,680
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◆ 燃える一言 ◆
『三年先のところへ意思をおいて、どれだけエキサイトして、
血を燃やして、そこへ突っ込んでいくか。
それがないと開発の仕事はできないね。
それが新製品として花が開いていく。』
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日経新聞の「私の履歴書」に、今月はシマノ会長の島野喜三氏が連載をして
います。
「自転車界のインテル」と呼ばれるほど、ロードレースからMTB、大衆車
に至るまで、世界中の自転車の変速機やブレーキなどのキーパーツを生み出
す「株式会社シマノ」。
昨日の朝刊には、シマノの名を世界に知らしめした代表ブランド「デュラエ
ース」について述べられていました。
「デュラエース」は、素材の超硬ジュラルミンと、耐久性(デュラビリティ
)から喜三氏が付けた名前で、その名の通り、強度と耐久性を高めたアルミ
合金のジュラルミンを用いました。
航空機などに用いられるジュラルミンを独自に研究し、最適な組成を編み出
し、これを当時最先端の加工技術である「冷間鍛造」を駆使して生産ライン
に乗せたのです。
トヨタ自動車や東洋工業(現マツダ)の技術者とも競い合って、常温のまま
金属を叩いて成型する冷間鍛造技術を開発したお陰で、精度と強度、そして
生産コストを兼ね備えた、芸術的なまでの部品群が生み出されます。
製造技術と並ぶ、シマノのものづくりのもう一つの特徴が「革新性」です。
自転車競技の本場ヨーロッパのメーカーは、現場で選手の要望に応えること
で発展してきました。
軽い部品が求められるから、鉄をアルミへ、アルミをチタンへと置き換えて
いく発想です。
シマノは、ある時から「機能」を磨く路線へと変更し、例えばそれまで選手
が「ギアチェンジでハンドルから手を離すのは当たり前」と思っていたとこ
ろに、ブレーキレバーと変速ギアを一体化した「STI」などの製品を投入
します。
ほとんど常識はずれともいえる発想は、人間が使う道具である自転車は、ま
だまだ不便な乗り物だ、という考え方から生まれてくるのです。
独自の機能を盛り込んだ製品を次々と発表し、気がつけばそれが「走る世界
標準」となったのです。
時速100キロのスピードで峠を下り、フルブレーキングするような、世界最高
峰の舞台で、スーパーマンたちが実戦の中で使うと、普通のテストでは起こ
らないことが起きます。
その実戦の中で揉まれ、そして信頼を得てきたシマノ・デュラエースは、オ
リンピック、サッカーのワールドカップと並ぶ世界的イベント、ツール・ド
・フランスで、1999年、ついにランス・アームストロングという最高のアス
リートにより、総合優勝の栄冠を掴むのです。
以来、アームストロングとシマノは、ツール・ド・フランス6連覇の栄冠を
手にし、そして今まさに、この最強タッグが前人未到の7連覇に向けて、走
り続けています。
ランス引退の花道を、シマノの技術で切り開くことができるか。
ゴールは3日後、7月24日、パリ・シャンゼリゼです。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
シマノの変速機は、ギアの真下にプーリー(歯車)がなくてもちゃんと変速
する。
レバーを1段階動かすと、ケーブルが2ミリ引っ張られて変速機が1段分動
く。
その誤差は2%、0.04mm。これが安定した変速領域となる。
ただし、ずれても変速するように、ケーブル、アウター、グリス、変速レバ
ーと全部に仕掛けをしてある。
この精度のこの材料で作るとこういう精度になって、こういう取り付け方を
するとここまでのズレが出る。
介在するケーブルや変速機のプーリーのズレも出てくる。
最終的に生じるズレを予測した上で、ひとつひとつの規格を作る。
誤差の集積をデータとしてつかんでいて、その誤差を設計の中に織り込んで
いるのだ。
だから、シマノの変速機は、泥が詰まっても雨が降っても、ちゃんと変速す
る。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「伝統」や「ブランド」に対抗するには、「機能」と「生産性」を磨け。
進化と深化に限界はない。限界を追及する先に未来がある。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
stage1 常識を打ち破るSTIの衝撃
stage2 デュラエース誕生
stage3 エアロの挫折
stage4 SIS搭載
stage5 ライバル
stage6 レーシングチーム
stage7 MTBで大ブレーク
stage8 アトランタ・プロジェクト
stage9 新たな歴史
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July 11, 2005

【今週の一冊】
●『中小企業ですがモノづくりでは世界でトップです』
世界を制するオンリーワン中小企業
著:木村 元紀(洋泉社)
2005.05 / ¥1,575
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『ピンチはチャンスといいますが、ピンチは乗り越えられなかったら
ピンチのまま。会社もつぶれてしまう。
追い込まれて、必死になって頭をフル回転させ、
難題を解決して初めてチャンスになるのです』
-----------------------------------
日本の製造業のうち、資本金3億以下の中小企業が99%、そのうち約半数は
資本金1000万円以下の、いわゆる「町工場」です。
それら町工場では、「製造業の空洞化」が進行し、ここ5年間で約15%も減
少しています。
そんな厳しい環境におかれた中小企業の中で、世界を制する「ナンバーワン
企業」が、実は結構あるのです。
一つの特徴は、ニッチな分野で独自技術をもって突き抜けた企業です。
精密加工の「スパロール」などが有名な「スギノマシン」は、もともと石油
精製プラントのパイプを洗浄する水圧チューブクリーナのメーカでした。
水圧を活用する技術と、精密加工の技術を土台として、「水でモノを削る」
ウォータージェットという独自の技術を開発したのです。
水を約3000気圧という超高圧状態にし、ノズルから糸のように噴出させるこ
とで、高硬度のチタンや大理石、逆にゴムや食品など変形しやすいものも、
発熱を伴わず一刀両断するこの加工法は、医療分野などにも適用されていま
す。
樹脂、金属、ゴムの複合体である携帯電話が真っ二つになった背表紙の写真
は圧巻です。
こうしたコア技術、コア製品を持った中小企業が勝ち抜くことは、これまで
にも紹介してきましたが、本書では、大量生産の標準品でも、徹底した生産
性の向上でコスト競争力を維持するという、もう一つの特徴を持った企業が
紹介されています。
「スイッチ」という、あまりにありふれた部品で、100%国内生産で中国製や
東南アジア製に対抗している「サガミ電子工業」は、試作品やニッチ部門だ
けではなく、「多品種大量生産」で競争力を持つ希有な存在です。
同社は、生産管理の方法ばかりを追求するISO9000認証は取得していません。
逆に「余分な管理の必要がない」作り方を設計段階から研究し、生産設備、
金型、治工具、検査機まで、自前で開発しているのです。
こうしてシンプルな設備ながら、生産性を3倍、4倍に上げるアイデアを盛
り込んで、「品質・コスト・納期」の3拍子そろった製品を生み出していま
す。
冒頭の弁にあるように、一度ピンチが訪れれば、波に飲まれてしまう恐れが
中小企業にはありますが、その波を乗り超える機動性も、また町工場の特徴
です。
輝く企業群を眺めてみて、「整理・整頓」の徹底という、当たり前のことを
当たり前にやり続ける地道さの上に、こだわりの技術を徹底した「ものづく
り」が、企業の大小に関わらず、世界に伍していくための「必要条件」だと
実感させられました。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
防犯用などに用いられる凸面鏡のメーカー「コミー」は約10年前、販社や同
社に在庫を抱えて販売していた。
新製品開発やマーケットの開拓に重点を置いていた小宮山社長が、トヨタ生
産方式の異業種展開を説いた『NPSの軌跡』という本に衝撃を受け、生産シス
テム作りの重要性を知った。
早速このシステムを採り入れ、多品種少量・短納期へのチャレンジを行った。
種々の改善により、受注生産による完成品在庫ゼロをほぼ実現したが、問題
が残った。
製品ラインアップ増加とともに、梱包用の段ボールが溢れ、手間や欠品が激
増してしまった。
そのころ、小宮山社長は再び衝撃を受けた本に出会う。『デルの革命』だ。
外注先と情報を共有した連鎖的な生産システムであるSCMをそこから学び、協
力してくれる段ボールメーカを見つけた。
こうして段ボールの在庫、欠品ゼロを実現したのだ。
書籍に込められた問題を解決するヒントを、実際に活かすかどうかだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
規模、人数、資本の大小ではない。
問題を見つけ、問題を解決する「信念」の有無が勝負を決する。
読みっぱなし、聞きっぱなしにせず、実際にやってみよ!
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 中小企業、世界標準
第2章 光る熟練工の職人技
第3章 中国に負けない最強の工場
第4章 コア技術を磨き、高付加価値を極める
第5章 未来へ踏み出す!異能のベンチャー
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June 15, 2005

【今週の一冊】
●『カタツムリが、おしえてくれる!』
自然のすごさに学ぶ、究極のモノづくり
著:赤池 学, 金谷 年展(ダイヤモンド社)
2004.4 / ¥1,680
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『自然はわれわれの知性にとっては限りなく驚嘆すべきことを、
最高の容易さと単純さとでつくっている』
-----------------------------------
明日は我が家の地域の「資源ごみ」の日です。
溜まりに溜まった空き缶やペットボトル、壊れた電話や梱包材などを(今度
こそ)一気に片付けようと、ウチの奥さんも張り切っています。
こうして分別回収して再資源化することは良いことですが、化石エネルギー
を大量消費していることは紛れもない事実です。
果たしてこの生活、この技術で、人類は「持続可能」なのでしょうか?
その一つの回答として、「ネイチャーテック」という概念が提案されており、
実践している企業として、トイレなどで有名なINAX社が採り上げられて
います。
「ネイチャーテック」の一つ目の定義は、「持続可能な自然素材を活用して、
従来の人工素材を上回る性能を実現させた技術で、かつ、ライフサイクルで
著しい環境負荷の低減を可能にしたもの」です。
例として挙げられた、「エコカラット」と呼ばれるタイルは、ナノレベルの
微細な空孔を持つため、抜群の吸放湿性と有害物質や悪臭成分の吸収力を持
った、優れた内装材料です。
いわゆる「ナノテク」と呼ばれる技術が、莫大なエネルギーを使用するのに
対し、厳選した天然の土を、従来のタイルよりも低温で焼き上げた「焼き物」
ですから、「自然素材」「従来を上回る性能」「環境負荷の低減」の三拍子
揃った、スーパータイルなのです。
しかも、この開発が、日本家屋の蔵の「土壁」を徹底的に分析・調査し、そ
の機能をタイルとして再現しようとしたところから生まれた技術であったこ
とに驚かされます。
もう一つの「ネイチャーテック」の定義は、生物や自然の持つ機能に学び、
模倣する技術です。
タイトルにもあるように、カタツムリの殻は、どうしていつも汚れずにツヤ
ツヤ光っているのでしょう?
カタツムリの殻は、材料的に「撥水性」(水をはじきやすい)があり、表面
に形成されたシリカの細かい凹凸によって、油汚れを落としやすい性質も有
していることが分かり、水周り製品には欠かせない「防汚性」の優れたお手
本だったのです。
このカタツムリにヒントを得て、INAXは実際に外壁、キッチンシンク、
そしてトイレの防汚技術として応用、製品化しています。
これまでの「ものづくり」は、石油から精製された「ベンゼン」や、精錬さ
れた「炭素鋼」に、高温高圧をかけて「力任せに」創り出す技術が主体です。
しかし、人間は37度の体温で、高度な化学反応を起こし、クモは石油繊維よ
り軽く、鋼鉄より強い糸を紡ぎ出し、地中のマグマは岩石を「蒸し焼き」に
して溶かしています。
いずれも、人工的なものづくりよりも、ずっとエントロピーの低い、エネル
ギーや資源の無駄がない変化です。
自然の美しさに感動し、体験し、学び、模倣する。
これまでの技術とは異なるアプローチの「ネイチャーテック」という視点が、
21世紀のものづくりには必要です。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「人間」という自然の一部に学ぶためには、人の感覚的な評価を測定するこ
とが必要だ。
人の感性を数値化することを、官能評価という。
INAXでは、人の感覚と、物理量との相関を指標としている。
例えば、「すべりやすさ」の評価。
縦軸に、「すべりやすい」「すべりにくい」という実際に人が歩いたときの
感覚をとる。
横軸に、モデルで実験した「すべり抵抗係数」をとる。
この関係をグラフ化すると、曲線が現れて、相関があることが分かる。
これさえあれば、「すべり抵抗係数○~△」のタイルを開発しよう、と決め
ることができる。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
あなたの技術の、ライフサイクルを通じた環境負荷はどれほどだろうか。
「ネイチャーテック」でブレイクスルーはできないか。
子供と一緒に、「ムシキング」ではなく、本物の「ムシ」を観察しよう。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
序章 新たな、モノづくりのパラダイム ネイチャーテック
第1章 土に学び、土を活かす
第2章 水に学び、水を活かす
第3章 生き物に学び、生き物を活かす
第4章 人に学び、人を活かす
第5章 歴史に学び、歴史を活かす
終章 科学者よ、技術者よ、そして経営者よ、ネイチャーテックのドアを開
け!
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May 11, 2005

【今週の一冊】
●『デンソー 世界の車を支える最強技能集団』
モノづくりの原点・人づくりの源流
著:大河 滋(マネジメント社)
2004.3 / ¥1,680
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◆ 燃える一言 ◆
『技術者は、もっと勉強してアタマ(頭脳)を鍛えたいと思う。
技能者は、まだ技能が足りない、もっとウデを磨きたいと思う。
それがデンソー人間です。』
-----------------------------------
愛知万博の開催、中部国際空港の開港と、いま、中部が注目の的です。
中部と言えば、今や日本経済を支えるトヨタ自動車がその中心ですが、トヨ
タグループの最大手である「デンソー」を忘れてはなりません。
その名の通り、自動車用の電装品=発電機や始動機、カーエアコンやカーナ
ビなどを供給しており、トヨタのみならず、世界中の自動車メーカーにとっ
て、デンソーの製品なしに車の製造はままならないまでになっています。
トヨタの電装品部門から生まれた同社が、世界のトップに肩を並べるまでに
なった秘訣は何なのでしょうか。
石原都知事が黒鉛入りのペットボトルを振りかざして、「ディーゼル車NO
」を叫んだように、ディーゼルエンジンの排ガスをクリーンにする事は、待
ったなしの問題です。
その切り札と言えるのが、燃料を高圧にして霧状にエンジンに噴射する「コ
モンレール」システムです。
この「高圧」とは1,800気圧にも達し、しかも1ミリ秒の噴射を1万分の4秒
の間隔で5回繰り返す、というのが1回の燃焼のサイクルになるのですから、
気の遠くなるような精密加工技術、電子制御技術などが必要です。
これを実現したのが、デンソーの技術と技能からなる総合力なのです。
特筆すべきは、「技能者」を育てる徹底した仕組みです。
生産現場を支える人材を育てるために、中卒者のための工業高校過程、高卒
者のための1ヵ年の専門過程、そして高卒後2ヵ年の短大課程と、三つもの
企業内教育の体制を採っています。
更にその中から選ばれた特待生を、ベテラン技能者がマンツーマンで指導す
ることで、国際技能競技会(技能オリンピック)で金メダルを取れる技能者
を次々と排出しています。
世界NO1の腕を持った彼らが、「工機部」や「試作部」に入り、製品を生
み出すマザーマシンや、高精度な試作品の製作にいそしむことで、デンソー
の、生産技術を重視する土壌が形成されているのです。
「人を大事にする」と、どんな会社でも称えますが、デンソーのこうした人
材育成は、他社が機械化や合理化で縮小したのと対照的に、50年に渡り一
貫して持続しています。
「トヨタ生まれの三河育ちは、みな、真面目に働く」と社長が言うように、
派手なM&Aや、安易な中国進出よりも、こつこつと技能を磨き、伝承し、
製品に昇華することが、日本のものづくりの原点であることが知らされます。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
二輪車用のフライホイールをネジ締めしていた二十歳の女子作業員が、「今
日のネジは変だ」と声を上げた。
寸法やネジ山の形状、材料など調べても全く異常がない。
「大丈夫だから作業をして良い」と言っても、「絶対に変だ」と頑として言
うことを聞かない。
彼女を納得させるためにも、念のためネジを切断してみると・・、ネジの首
下にクラックが入っていた!
もし、フライホイールを締めたネジが振動を受ければ、ネジが破断して大事
故に繋がることは目に見えていた。
若い女の子が身につけた熟練技能の鋭い感覚と、自身が担当する製品が果す
役割を理解した上でクレームをつけた勇気に、救われたのだ。
二十歳の女子従業員も、「技能のデンソー」を支えている。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
会議の報告やメールではなく、現場で触れ合って、心を伝えよう。
図面通り作るのが品質ではない。
品質を決めるのはお客さんだ。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 | | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 コモンレールに賭けた「モノづくり世界一」
第2章 「技術×技能=デンソー」の源流を探る
第3章 技能オリンピック金メダリスト続出の背景
第4章 メーカーの原点は「人」にあり
第5章 いまこそ「モノづくりニッポン」再び
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April 20, 2005

【今週の一冊】
●『強い工場』
モノづくり日本の「現場力」
著:後藤康浩(日経ビジネス人文庫)
2005.03 / ¥750
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◆ 燃える一言 ◆
『中国の人件費が日本の三十分の一と考えると諦めが先に立つが、
日本の人件費が中国の三十倍と考えると対策を考える余地が生まれる。』
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昨年から、日本経済の復活が実感できるようになりました。
原動力となったのは、間違いなく「ものづくり」の底力でしょう。
トヨタを筆頭とする自動車産業の活況、デジタルブームや高付加価値の白物
家電による電機製品の復調、また素材産業の好調振りも目を見張ります。
「失われた10年」と言われたバブル崩壊後、いかに地道にカイゼンを重ね
た現場の努力があったのかを、豊富な事例を通して描き出しています。
好調を取り戻した企業の事例からは、「現場の力」を「自社に合った形で」
取り込むことがカギであると知らされます。
かつての100メートルに及ぶコンベア生産では、多品種少量生産には対応で
きません。
有効な手段として「セル生産」が取り上げられていますが、セル生産自体も
不断の進化が必要です。
NEC埼玉での5人一組のセル生産では、5人の間隔が肩を寄せ合うほど狭まった
り、広く開いたりと変幻自在。
前後工程の遅れを支援する「工程フリー型ライン」によって、作業の遅い人
がボトルネックとなることを、自律的に解消する独自の仕組みなのです。
一方でリコーの複写機ラインでは、コンベアを残しつつ、部品の自動供給装
置を人が台車で配送する方式に変えるなど、「人を活かした自動化」へと切
り替えています。
巨大投資をした自動化工場を無駄にせず、多能工の作業者の柔軟性で再生す
ることが現実的です。
「現場の力」の活かし方として、キヤノンでは部品点数一万点もの複写機を
一人で組み立てることができる「マイスター」を認定しています。
そしてマイスターを、設計・試作・量産などの混成部隊からなる「コンカレ
ント・エンジニアリングチーム」の一員に迎え、新製品の設計に現場の智恵
を取り込んでいます。
新製品の直行率(手直しせずに合格する割合)が90%以上になるまで、従来
であれば1年近くかかっていたものが、現在は1ヶ月まで縮まっています。
筆者は、90年代末から2002年頃までの「中国脅威論」は、戦後の「石油危機
」「円高危機」に並ぶ、第三の危機だったと説きます。
これらに共通するのは、危機は逆に日本を強くしているということです。
「中国危機」は、バブル経済と社会の成熟化で生じた高コスト体質を映し出
し、日本のものづくりの自己変革を進める原動力となりました。
乾いた雑巾を絞る、とも例えられますが、冒頭のコメントで社内を鼓舞する
スズキの鈴木会長は、「まだまだやれる」と胸を張ります。
私も豊富な事例に刺激されて、アイデアが沸々と溢れてきました!
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
マツダでは、自動車部品の樹脂成型によるモジュール化を実現するため、強
度の高いプラスチック樹脂の開発が必要だった。
強度を増すためには、ガラスなどの長繊維を樹脂に混ぜれば良い。
しかし、10ミリのガラス繊維を混ぜて射出成型しても、細かく寸断されてし
まう。
繊維が短くしか残らない以上、樹脂の粘度を上げて強度を出すしかないと誰
もが考えた。
「味噌汁にそうめんを入れても切れないが、味噌にそうめんを入れてかき混
ぜたら全部切れてしまう。」
突拍子もない意見だが、粘度を下げた樹脂で成型してみると、果たして繊維
は長いままで残った。
成型品は、十分な強度を有していた。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
仕掛かり品など在庫は工場の万病の元。
「目と目」「手と手」で前後工程を分かり合えるレイアウトに変えよう。
電気・水・空気は金がかかる。
タダで使える太陽の照明と、重力の動力を活かそう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
1章 世界最強の現場―ニッポンの自動車の底力
2章 生産現場を救え―業師たちの想い
3章 小粒で強い現場―こだわりのコストダウン
4章 セルが工場を変える―リードタイム・イズ・マネー
5章 マイスターの誇り―人材活性化への道
6章 部品こそ命―完成品メーカーを超える
7章 ネットワークに活路―目指すは世界市場
8章 日本回帰―これからの「強い工場」
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March 30, 2005

【今週の一冊】
●『工場のしくみ』
イラスト図解シリーズ
著:松林 光男, 渡部 弘(日本実業出版社)
2004.07 / ¥1,470
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◆ 燃える一言 ◆
『工場は製造現場を周りの部門が支援する形で、各部門の役割を持ちながら、
工場の基本的役割であるQCD(品質、コスト、納期)を
全体で改善していく組織になっています。』
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05年度が間もなく始まり、全国の工場に新たなエンジニア達が生まれるこ
とでしょう。
一口に「工場」と言っても、全国に約65万の大小様々な工場があり、ユー
ザーに届く製品を製造する工場と、素材や工作機械のメーカーではその様子
も大きく異なります。
また、一つの工場でも、開発・生産管理・購買・製造・品質管理と部門が異
なれば、業務の違いは長く工場で努めていても、なかなか把握できないもの
です。
入社前に本書を開けば、多彩な図解も手伝って、最新の「工場」の姿が俯瞰
できます。
工場といえば、当然、製品を作るので「もの」の動きがあり、その流れ方が
「フロー(流れ)生産」であったり、「バッチ(間歇)生産」だったりしま
す。
例えば、石油精製のようにパイプを製品が流れ続けたり、組立製品でもライ
ンがよどみなく流れる製造方法は前者であり、反応釜で加工するビールや薬
品は後者の例です。
このようなものの流れは目に見え、また工場見学でも分かりやすい部分です
が、同時に「情報」の流れが工場では重要です。
開発・設計から、顧客に手に渡り、最後生産打ち切りに至るまでの製品のラ
イフサイクル全体のコスト管理を行ったり、複数の製品を同一のラインで組
み立てる工程の管理など、現在の工場では、膨大な情報を日々収集し、適切
に処理せねばなりません。
しかもサプライチェーンマネジメント(SCM)と言われるように、自社だ
けではなく、原材料から製品まで、そして販売代理店から小売、消費者まで
の「供給の連鎖」を管理することは、もはやITなくしては不可能です。
一昔前の3K職場、というイメージからは、巨大なシステムで運営される現
在の工場の姿は、様変わりしています。(もちろん例外もありますが。)
製造技術の開発に関わっている私としては、「コア技術」や「新開発」こそ
が工場を支える!という信念で日々業務に当たっています。
それは一面正しいのですが、前提として、原価管理や生産管理、品質管理が
あってこそ、技術は花開きます。
品質や性能を落とさず、製造や販売にかかる費用(原価)をいかに低減して
利益を生むか、という「原価管理」。
品質・原価・納期をバランスよく管理し、工程や在庫を適切に運営する「生
産管理」。
製品を含むあらゆるサービスを、顧客の望む品質を満足するように、製品と
仕事のやりかたを維持・改善する「品質管理」。
一見地味なこれらの活動がなければ、お客さんに満足してもらえる工場であ
り「続ける」事はできないと、改めて知らされました。
新年度にあたり、新入社員はもとより、ベテランエンジニアにも、自身の役
割を確認し、他部署との連携を深めるために、一読をお勧めします。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
工程管理を正しく行うために最も重要なのは、ものと情報の一致。
しかし、システムのためにデータを集めても製品は作れない。
ある半導体工場では、工場長命令でデータの収集を強制したところ、全ての
作業が、シフト(昼勤・夜勤)の間の1時間の休み中に完了したことになっ
ていた。
無理やりデータ収集したため、手が空いてからまとめて入力したからだ。
必要なデータは、工程内にすでに存在している。
それを、自然な形で受け取り、上手く解釈すれば、真実が見えてくる。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「おらが部署」が一番大事、という過剰な帰属意識はないか。
顧客を意識し、高所大所から自己の役割を見直そう。
できるだけ自分の仕事と違う製品の、工場見学に行こう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
1章 工場とは何か
2章 工場見学!モノがつくられる工程をみる
3章 さまざまな生産のしくみ・タイプ
4章 工場全体のしくみ
5章 レポート・工場の各部門担当者の1日
6章 開発・設計のしくみ
7章 生産管理のしくみ
8章 生産現場のいま
9章 原価管理のしくみ
10章 品質管理のしくみ
11章 自動化とIT活用
12章 工場が拓く未来
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March 16, 2005

【今週の一冊】
●『製造現場から見たリコールの内側』
日本のクルマは安全か?
著:五代 領(日本実業出版社)
2005.1 / ¥1,365
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◆ 燃える一言 ◆
『自信と誇り、自分が作った車を前にすれば、
「これに乗る人には事故がなく走って欲しい」、そして
「より多くの人に楽しんで乗ってもらいたい」と願うのは当然だ。
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トレーラの前輪が脱落し、死傷者が出た事故に端を発して、三菱ふそうのリ
コール隠しが、昨年明るみに出ました。
分社前の2000年に、内部告発によって発覚した、組織的なリコール隠しと共
に、三菱自動車の信頼は地に落ちました。
他の国内自動車メーカが売上を伸ばしている中で、その影響の大きさはあま
りにも際立っています。
自動車業界にとって、まさに死活問題といえる「リコール制度」とは、「欠
陥車による事故を未然に防止し、自動車ユーザー等を保護する事」を目的と
したもので、不具合の原因が設計や製作過程にある場合には、メーカが無料
で回収修理する事を定めた制度です。
一方で、「改善対策」や「自主回収」といわれるものは、「基準不適合状態
ではない」が、安全上などで問題がある場合に、メーカが自主的に不具合の
届出をして修理するものです。
この、リコールか自主回収かは、あくまで製造したメーカに判断をゆだねら
れており、自動車個々の使用条件が異なった上でのクレームに対応するため
に、多分にグレーゾーン的な要素が入っているのが実情なのです。
そのためか、三菱自動車のリコール隠しが発覚した後、昨年のリコール件数
は過去最高を記録しました。
では、リコールが多発する原因はどこにあるのでしょうか?
品質の不具合は、設計そのものに起因する「設計品質」と、図面通りの製造
できているかという「製造品質」とがあり、リコールに至る不具合は、設計
における不具合が明らかに多い傾向があります。
この背景として、頻繁なモデルチェンジによる開発期間の短縮化が、設計・
試作段階での評価の甘さを生んでいることを指摘しています。
時間の欠乏と多くの要求、コンピュータ上の仮想部品による評価。
多忙のあまり現物からの距離が遠くなっている設計者。
しかし、与えられた環境で最善を尽くすしかない。
過労とストレスで疲弊した、設計現場の生々しい様子は、余りに痛々しく、
テレビで華やかに流れる新車のCMや、好調を喧伝するメーカーの業績とは
懸け離れた、一方の現実なのです。
しかし、仕事が厳しければ厳しいほど、自分が設計した車は世界中の誰にも
負けないという思いがあります。
自らが作った車への自信と誇りから湧き上がる、この車を購入する見も知ら
ぬユーザーへの善意こそが、自動車の安全と品質を支えているのです。
自動車業界の中に身を置く私としては、あまりにも身近で、日頃痛感してい
る部分も多々あり、身につまされます。
単にギョーカイの裏側を覗き見するのではなく、企画から製造に至る開発の
流れや、最新の安全対策技術なども盛り込まれており、タイトルから想像し
た後ろ向きな感じはしません。
むしろ、現状の問題点を直視した上で、果敢に高品質と低コスト、短納期の
実現に挑戦するための、貴重な警鐘と受け取りました。
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◇ カンドコロ! ◇
メルセデスベンツのテールストップランプは、段付きの形状になっている。
光の均一性と、成形コストの低減のため、平滑に作るのが一般的だ。
なぜ、余計なコストをかけてまで、ベンツではあえて段を付けるのか。
それは、泥や雪が付着した場合、平滑な面は全て覆われて、光が見えなくな
る恐れがあるが、段付きならば、窪んだ部分からは光が漏れ、後続車が視認
できるからだ。
この安全性のために、段付きを採用している国内メーカーは無い。
欧州車に学ぶべき点は、まだありそうだ。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「なんか気持ち悪い」「嫌らしい」と感じたならば、できるだけ騒ぎを大き
くして早めに不良の芽を摘もう。
「電子制御による安全」と「過度の機械依存」の背反をどう克服するか。
新たな領域に踏み出した「安全」の解を、常に考えよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
1章 リコールの正体
-日本車の品質はどこまで信頼できるか
2章 知られざる自動車開発の実体
-クルマは以下に真面目に作られているか
3章 世界一を誇る日本車の品質
-厳しいユーザーと気候条件が育むもの
4章 自動車の安全を脅かすのは誰か?
-クルマの快適さがはらむ危険性
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March 02, 2005

【今週の一冊】
●『大野耐一の現場経営』
著:大野耐一(日本能率協会マネジメントセンター)
2001.5 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『かくすれば、かくなるものと分かりなば、
やむにやまれぬ改善魂(トヨタダマシイ)』
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今年3月での通期の純利益に、1兆2,000億円を見込むトヨタ自動車。
販売台数では世界一のGMに対し、利益は3倍に達する勢いです。
どこまで強いのか!と世界が注目する「トヨタウェイ(トヨタ生産方式)」
の生みの親が、大野耐一氏です。
今でこそ「トヨタ方式」と言ってはばかりませんが、大野氏が立ち上げた当
時は、あくまで「大野方式」と呼ばれていました。
ジャスト・イン・タイム、かんばん方式という「危なっかしい」「一つ間違
えば会社が潰れる」方法を、「腹切る覚悟で」完遂するために、自らの名前
を冠して実行したのです。
大野氏の眼には、現場の「常識」の中に潜む「錯覚」が映ります。
量産すれば原価は下がる、というのは「適正な量」の場合であり、ほとんど
の場合、増産すると「高くつく」。
極端な例では、100個しか使わないのに、200個作る能力があるから、「たく
さん作った方が安くなる」と信じて在庫を積み上げてしまう。
「できちゃった」から、在庫を管理するために倉庫を作る。
どこに何があるか分からないから、自動取り出し設備を追加する・・・。
「要るものを要るときに要るだけ、できるだけ安く」作るための理屈で考え
れば、錯覚がムダを産む温床になっていると気付きます。
逆に少量生産は高コスト、という「常識」があるから、安く作って儲ける。
そのためには、仕事ができない時間を極力排除するのが「理屈」であり、段
取り替え時間の短縮が必須になります。
結局、量の多少にかかわらず、「限量生産」(限られた量を、できるだけ安
くつくる)のための理屈から、「大野方式」を考え出したのです。
だから「理屈」が分からずに、中途半端にかんばん方式を使うことを禁じ、
分からせるためには工場長自らが、現場の班長に語りかけ徹底します。
限量のための理屈だから、今のトヨタのように大量生産ではなく、生産量の
少ない中企業にこそトヨタ方式は相応しい、というのが大野氏の主張です。
たいしてデメリットもないがメリットもないことを、錯覚の固まり同士が、
こうなるより仕方ないと「常識化」したものが相当あります。
「脱常識」のためには、議論や数字の上で侃侃諤諤やっても埒があかない。
大きなメリットには必ず大きなデメリットがあるから「やらない」のではな
く、デメリットの大きな口を塞いでしまえば大きなメリットだけ残る、と考
え方をひっくり返す「意識改革」が必要なのです。
「トヨタ本」は、あまた世に溢れていますし、大野氏自らが語りかける本書
は、体系化されておらず、読みやすい文章でもありません。
しかし、現場=会社を変える「トヨタ方式」の原点であり、世界随一のもの
づくりの智恵と経験が散りばめられた、必読の一冊です。
----------------------------------
◇ カンドコロ! ◇
「自動停止装置付きの機械を自働機という」というのが、ニンベンの付いた
「自働機」の定義。
不良が出ても、止まらずに「自動」でつくるのは働いたことにならない。
不良を減らせば、原価が安くなる。だから止める。
自動で止まらなければ、ストップボタンをたくさんつけて、作業者が遠慮な
く止める。
止められたら困ると考えるのが、品質改善にどんどんつながる。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
算術や常識に惑わされず、「こうあるべき」から発想する。
あるべき姿を試してみて、自分の目の前で「失敗」してみよう。
失敗したら、する前より、もう一つ改善すればいい。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
君子豹変す
間違ったら素直に認める
錯覚が能率を下げる
失敗は目で確かめる
常識の中にひそむ錯覚
算術計算の盲点
機会損失を恐れるな
限量経営とは安くつくること
在庫減の仕掛増
量産は安いという錯覚〔ほか〕
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January 26, 2005

【今週の一冊】
●『マツダはなぜ、よみがえったのか?』
ものづくり企業がブランドを再生するとき
著:宮本 喜一(日経BP社)
2004.11 / ¥1,575
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『現場は自分たちの技術を信じ、モノづくりに妥協をしなかった。
経営陣は自分たちの方針を信じ、経営に妥協をしなかった。
それでも、両者は物別れに終わることはなかった。』
-----------------------------------
ルノー傘下に入った日産は、カルロス・ゴーンの「リバイバルプラン」によ
り、劇的な復活を遂げました。
その様子は、『エンジン屋たちのDNA』(中経出版)を通して、「燃える
100冊」No.1でもご紹介しました。
一方、日産よりも3年早く、外資フォードに経営を握られたマツダには、具
体的な再生プランも、大鉈を振るう経営者も、外からは見えませんでした。
いえ、当時は「再生プラン」が描けないほど、マツダは病んでいたのです。
雪だるま式に膨れ上がった赤字、闇雲に増やした販売チャンネル、魅力の薄
い車種ラインナップ。
マツダブランドが消え、フォードの単なる日本の生産拠点に成り下がる危険
さえありました。
当然、少量生産のスポーツカー「RX-7」と、他の車種に使えず燃費の悪い、
同車に積まれたロータリーエンジンの開発には、「待った」がかかります。
しかし、RX-7とロータリーに憧れてマツダに入社したエンジニアは、より高
性能な、より完璧な、より純粋なロータリーエンジン搭載の2ドアスポーツ
カーの開発を目標にし、一歩も引きません。
「実車を作って経営者を乗せて納得させる」という直球勝負で挑みますが、
トップの判断は、「4ドア4シーターのスポーツカーを作れ」でした。
無理難題には違いありませんが、マツダ再生を賭ける「売れる」車にするた
めに、絶対避けては通れない条件です。
この難問を、技術者たちが、自分たちが克服すべき課題として、積極的に取
り組む決意を固めた瞬間、世界に類のない、4ドアスポーツカー「RX-8」の
開発が、そしてマツダの復活劇が始まったのです。
ロータリーの弱点をサイド給排気で克服し、観音開きの4ドアの剛性不足を
独創的な骨格で支え、重量増加をボンネットやドアのアルミ化で抑える。
4人乗りとは思えない流麗な、そしてアスリートのようにスマートなフォル
ムを身にまとい、新生マツダのブランドイメージである「スポーツ」を象徴
する1台が誕生しました。
発売後、販売店に押し寄せたのは、これまでのスポーツカー「マニア」では
なく、「これなら買い物にも使えるから…」と、奥さんを説き伏せた子連れ
のお父さんであり、「ファミリーカー」としての「スポーツカー」という、
新しいライフスタイルを創造したのです。
「ものづくり」に長けていたマツダが危機に瀕し、そして這い上がることが
できたのは、「ものづくり」の技術と、それをビジネスに変える経営とが、
がっぷり四つに組み、「ものがたり」へと昇華したからです。
荒唐無稽とも思える目標を経営陣が掲げ、現場はその目標を超えようと智恵
を絞り、目標以上のものを創り出す。そのスパイラルがマツダを復活へと導
きました。
RX-8を始め、主力車をフル生産状態だった宇品工場で、昨年12月15日に出火
し、操業停止に追い込まれた衝撃は、好調マツダに冷や水を浴びせてしまい
ました。
更なる再生を念じてエールを送ると共に、経営と技術の成功に、現場の体制
が追いついていたのか、徹底した検証を望みます。
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◆ 熱い行動 ◆
「うちの売りは何か」「我が社のDNAとは」と、技術者が話し合おう。
そのイメージと、経営の目標が一致しているか、検証しよう。
安易な妥協で、「ものづくり」をしていないか。
妥協から「ものがたり」は生まれない。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
はじめに ~なぜ、マツダの復活をとりあげるのか?
第1章 RX-8開発物語
~フォードの「無理難題」にマツダの現場が「答え」を出した
マツダは、いかにして堕ち、いかにして再生したのか?
第2章 一本目のトンネル とにかく火を消せ
第3章 二本目のトンネル マツダブランドを再構築せよ
第4章 三本目のトンネル フォードが導いたマツダの経営改革
第5章 マツダの成長はマツダ自身の手で行う
~井巻久一マツダ社長インタビュー
おわりに ~モノづくり企業のブランド戦略とは
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● ひとこと ●
帰り際、すれ違ったRX-8のカッコ良さに、思わず振り返りました。
さてさて、もちっとお安めの我が愛車も、車検から帰ってきました。
しっかりリサイクル料金も納めましたが、キャンペーン中とかで、念願のETC
をおまけでつけてもらいました。
ノンストップで通過するヨロコビを感じに、ドライブしましょうか。
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January 12, 2005
【今週の一冊】
●『リサイクルプラントが主役! 動き出す「逆モノづくり」』
作って、戻して、生かすテクノロジー
著:門脇 仁(日刊工業新聞社)
2003.3 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『近い将来、「資源循環はモノづくりの王なるかな」
という時代がくるかもしれない。
資源の再生は、ことほどさように産業の再生をもたらす。』
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今年1月1日より、「自動車リサイクル法」が施行されました。
資源循環に向けた取り組みを規定した、2000年制定の「循環型社会形成推進
基本法」の大きな柱が「リサイクルの推進」と「廃棄物の適正処理」であり
、これを個々の物品等へ展開した法律の一つです。
自動車リサイクル法も、すでに施行されている「家電リサイクル法」も、「
使った人が費用負担、売った人が引き取る、作った人がリサイクル」という
分担になっており、廃棄の際に費用を納めた方も多いでしょう。
タイトルにもある「逆ものづくり」と聞くと、これら「リサイクル」をイメ
ージしますが、語源である「インバース・マニュファクチャリング」とは、
順工程(製造→使用→廃棄)と逆工程(回収→再生)を統合する事を意味し
ます。
つまり「戻す」だけではなく、「作る、使う、戻す、生かす」ライフサイク
ル全体に渡り、生産者が環境負荷の少ない資源ループを作ることなのです。
しかし、商品価値としてのサイクルがどんどん加速される現在、5~10年
先の廃棄品の行く末まで見込むのは、容易なことではありません。
例えば、富士ゼロックスでは、コピー機の部品に「ワンモアライフ」という
手法を導入しています。
統計や機械の分解調査により、部品それぞれの寿命を予測し、リース先での
使用年月との差が更に「ワンライフ」あれば、その部品はリサイクルパーツ
として使えることになります。
通常、品質保証といえばワンライフに止まるものですが、部品ごとの寿命の
正確な判断と、回収した製品をあたかも「原料」のように供給する情報シス
テムにより、逆工程を組立工程に取り込んでいます。
また、「環境経営では儲からない」と言われますが、企業である限り、利益
がなければ継続的な取り組みはできません。
ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)を掲げたINAXの榎戸工場の例では、一旦
廃棄物の処理コストが増大したものの、靴の裏の泥を回収して原料に戻すよ
うな地道な取り組みにより、処理費用を上回る原料コスト削減が可能となっ
ています。
あるいは業界内、地域で回収ルートや再資源化ルートを共有することでコス
トを削減することが有効であり、家電や自動車メーカの「競争」と「協調」
が機能し始めています。
資源を持たず、廃棄物の処理場も残り少ない日本にとって、3R(排出抑制
:Reduce、再使用:Reuse、再利用:Recycle)は避けて通ることができませ
ん。
真に「循環型社会」を実現するためには、一事業所、一企業だけでサイクル
を構成することは不可能ですが、かといって体制が出来上がるのを待ってい
ては、環境負荷は増大するばかり。
なればと、規制に先んじて10年先を見越した対応を始めた企業・団体は、
環境経営という「名」と、コストダウンや環境ソリューションの提供という
「実」を手にしています。
「逆ものづくり」の背景と現状を、本書の前半にまとめられた資源循環の制
度や技術、後半の事例をテキストとして学び、「小さな事からコツコツと」
まず、始めませんか。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
もっと、使う材料・エネルギーを減らせないか。
もっと、廃棄物・不良を減らせないか。
もっと、再使用・再利用できないか。
自分の一日(生活と仕事)を、見直そう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
プロローグ 工場で生まれた資源循環システムそれが「逆モノづくり」
第1章 循環型社会をリードする製造業
第2章 確立される制度上のプラットフォーム
第3章 逆モノづくりの製品戦略
第4章 どこから来てどこへ行くのか、環境負荷
第5章 「眠れる資源」を再生せよ
第6章 逆工程をサプライチェーンに直結
第7章 「鉛フリー」と「不良率ゼロ」へのステップ
第8章 実証ラインは「気づき」の宝庫
第9章 徹底した環境行動が実益を生む
第10章 モノづくりの火を消すな
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◎ お知らせ ◎
技術士・技術士補と、技術士を目指す受験者のネットワーク「Net-P.E.Jp」
では、平成17年度 技術士二次試験受験者や受験を検討している方に向け
て、下記の予定で合格ポイント講座を開催いたします。
・開催日時:平成17年2月19日(土)10:00~17:00
(講座終了後、懇親会を開催)
・開催場所:神戸センタープラザ西館6F(JR三宮駅すぐ)
・参加費 :2000円(飲み物、資料など)
・申込み先: http://www.formzu.jp/formgen.cgi?ID=c8388157
・詳細は… http://www.kikaipe.com/point.html
私も講師をさせて頂きますので、技術士二次試験受験を考えている方は、是
非お申込ください。
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● ひとこと ●
今月、愛車を車検に出します。
早速、1万円ほどの「リサイクル料」を納めて、自動車リサイクル法を体験
することになります…。
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January 05, 2005

【今週の一冊】
●『日経ビジネス総力編集 徹底予測2005』
日経ビジネス アソシエ増刊号(日経BP社)
2004.12 / ¥650
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◆ 燃える一言 ◆
『成長持続は単なる継続を意味するものではない。
不断の革新がなければ売上や利益の持続的な成長は手に入れられない。』
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年始に当たり、今年の「ものづくり」の動向を予測してみましょう。
表紙には「日本経済、大転換点へ。」の文字が躍ります。
04年、日本経済は長いトンネルを抜け出し、復活の歩みを始めました。
今年のキーワードは「復活から持続へ」。
本書では主要な業種の動向や、昨年のアンケート結果からみる未来予想を展
開しています。
この中で、製造業において重要な視点を3つ挙げるとすると、以下が読み取
れます。
(1)資源・エネルギーの供給不足
鉄鋼材料の不足により、自動車メーカのラインが停止し、銅やアルミニウ
ムも需給が逼迫しています。
原油価格も右肩上がりに上昇しており、イラクの情勢不安などもあり、今
年も高値で推移するという予測もあります。
(2)“消費地”中国
これまで、世界の工場であった中国が、市場としての存在感を急激に強め
ています。
資源やエネルギーも、中国ががぶ飲みしており、すでに発電所の容量は日
本を越え、2020年には更に倍以上になると見込まれています。
国内需要が減少する中、重電メーカはこぞって中国へ進出する模様です。
(3)不断の「革新」
DVD、薄型テレビに代表されるデジタル家電は、04年後半には既に過当
競争の様相を呈しており、価格下落による勝敗が現れています。
デジタルカメラや携帯電話も市場が成熟し、技術革新の踊り場に来ていま
す。
また、京都議定書が発行され、これまで以上に省エネルギー・低燃費な製
品と、製造工程やリサイクル方法が必要です。
これら3項目は互いにリンクしており、経営者はもちろん、現場の技術者に
とって避けては通れない課題でしょう。
一方、興味深い記事として、青色LED特許に関する「中村裁判」の背後に
「技術者の士気低下」がある、というレポートが掲載されています。
この5年で士気が低下していると約6割の技術者が感じ、会社への不満や不
信感が満ちており、このまま看過すれば、「技術立国ニッポン」は画餅に終
わります。
しかし、成果に対する報酬だけをエンジニアが求めているのはなく、それ以
上に「専門性を生かせる」「技術戦略の先見性がある」場合には、士気が高
まるという集計もあります。
「大転換」の時代だからこそ、そのターニングポイントの鍵を握るのは、我
ら現場の「えんぢに屋」です。
眼差しを高く上げ、変化を先取りし、自らの智恵と行動で、「ものづくり」
を通して世界を明るく、元気にしようではありませんか!
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
「エネルギー」「中国」「技術革新」それぞれ自分の業務に求められる対応
を思いつく限り挙げてみよう。
今年の目標を机の前と手帳に大書して、行動計画を立てよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
・賢者と読み解く2005年の日本と世界「復活から持続へ」
・主要30業種 激戦の焦点
・厳選22問 3分で未来が読めるQ&A
・日経ビジネス独自のランキングデータ集
・日本の今と明日を知る必須キーワード20題
・戦後史略年表&主要経済データ
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● ひとこと ●
短い正月休暇を終え、仕事始めを迎えた方も多いことと思います。
せっかくの年初め、まっさらな気持ちで今年の目標を家族や同僚に宣言して
はいかがでしょうか。
私も、毎週「燃える100冊」をお届けすること、そしてブログをメルマガ以
外に必ず更新する事を、まずは宣言いたします!
今年も、どうぞよろしくお願い致しますm(__)m
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December 15, 2004

【今週の一冊】
●『インクス流!』
驚異のプロセス・テクノロジーのすべて
著:山田眞次郎(ダイヤモンド社)
2003.8 / ¥1,680
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◆ 燃える一言 ◆
『10年以内に製造業に30倍程度の生産性の向上が起こることは、
もはや夢でも何でもない。原価30分の1の世界が出現する。』
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背筋に寒気を感じ、鳥肌が立ちました。
空恐ろしさすら感じる、すさまじい「ものづくり革命」の姿が、ここに描か
れています。
自動車や、携帯電話を始めとする量産品を生み出す「マザー」となるのが、
樹脂や金属を成形する「金型」です。
金型が出来上がるまでには、まず製品図面があり、それを反転した金型図面
を起こし、その図面に基づいた加工指示を作成し、実際に加工機で金属を切
削して作り上げます。
その間に、何人もの設計者や作業者、また商社や業者が入り、例えば携帯電
話の金型ならば、通常45日程度を要します。
その金型製作工程を、「インクス」という会社は、始めに6日に短縮し、更
に「45時間」に短縮したのです。
実に、24倍の生産性の向上!!
はじめは、その桁違いのスピードに、全く実感が伴いませんでしたが、読み
進むにつれ、これまでの「カイゼン」や「かんばん」とは異なる、ITを加
速装置とした製造・工程の革新を痛感しました。
インクスが実現した手法とは、「3次元CADによる製品設計データで、試
作、金型データ及び加工データを一貫して作成、製造する」プロセスです。
こう書けば教科書のようなお話ですが、現実は様々な壁が立ち塞がります。
つまり…
・設計者が、3次元CADに習熟せねばならない
・3次元CADの製品設計が、金型設計につながらない
・金型製造の「職人技」が、金型加工データに乗らない
・中小企業の高齢金型技術者が、3次元CAD、CAMを使えない
等々の問題が即座に現れ、工程の短縮が実現しません。
多くの企業がここで立ち止まり、3次元CAD・ITの本質、つまり生産性
を加速する「エンジン」としての能力を引き出せないでいるのです。
インクスでは、金型設計、加工データ作成のためのCADを独自に開発し、
そこには金型職人が暗黙知として築き上げた「神業」を、何の経験もない19
歳の若者が同じく仕上げられる「技術」として構築しています。
そして、徹底した工程分析により、工程間のムダ取りはもちろんのこと、「
工程」と一括りにしているものを、「人の判断を要するもの」と「判断を要
しない作業」に分割し、作業はプログラム化します。
更に人が判断している内容も、ベテランの暗黙知を引き出してルール化し、
「判断しない=判断が必要ない」ところまで落とし込み、工程を人の手から
コンピュータに渡すことで、劇的な高速金型製造工程を確立したのです。
その様子は、映画「マトリックス」を見ているような、めまいすら感じます
が、これは理想論ではなく、現実に稼動しているのです。
そして生産性を加速する「ITエンジン」は、金型に留まらず、あらゆるも
のづくりに展開できると説きます。
中国の低価格製品の追い上げ、職人技能者の引退、人口減少による労働力の
不足、そして製品ライフサイクルの短命化といった、今後の日本が間違いな
く直面する問題に対する、明確な、しかし大変革を伴う一つの回答が明示さ
れています。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
ITによる製造・工程の革新の、先頭を走るか。
変化を恐れて、現状に甘んずるか。回答が迫られている。
飛びぬけた目標を設定し、強い意志で実行しよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 光造形システムとの衝撃的出合い
第2章 モノ作りの定義が変わった
第3章 開発工程「2分の1」から「30分の1」へ
第4章 驚異のプロセス・テクノロジー
第5章 かくして「知的産業革命」は、日本から始まる
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◎ お知らせ ◎
日刊工業新聞社の月刊誌「機械設計」にて、2005年1月号(12月10日発売)
より12回に渡り、コラム“機械技術士のよもやま話”を、『Net-P.E.Jp』
(技術士・技術士補と、技術士を目指す受験者のネットワーク)のメンバー
が、リレー連載を開始しました。
「機械設計」2005年1月号 http://tinyurl.com/5m4bk
ちなみに私、やまさんも登場する予定ですので、乞うご期待!
-----------------------------------
● ひとこと ●
ついに今年も、残すところあと2週間です。
といっても、あと400時間もありますから(12/15朝8時現在)振り返りつつ、
バトンを来年に渡せるようにスパートしていきましょう。
さあ、これからすべきことを因数分解すると・・
・(今年の目標-現状)=残り2週間のスパート!
・(今年の目標-現状)-(残り2週間の見込み)=2004年の反省!
・((04年の反省)+(10年後の目標)/10)×(決意)=2005年の目標!
それと、年賀状ですね…。
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December 08, 2004

【今週の一冊】
●『発見!!ものづくり魂(スピリッツ)』
松下電器を支える現場の底力
編著:isM書籍化プロジェクト(翔泳社)
2004.11 / ¥1,580
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◆ 燃える一言 ◆
『ものづくりに対する熱い想いって、「誰かを喜ばせたい」という
人間の基本的な欲望と深く繋がっている気がします…!!』
-----------------------------------
松下電器のホームページに、「ものづくりスピリッツ発見マガジン『isM』」
というページがあります。
パナソニック製品や、技術開発の現場の様子を紹介していますが、単なる広
報を越えた、非常に凝った作りとなっています。
コミックあり、小説あり、またドキュメンタリータッチの動画もありと、そ
こらのメーカの、カタログの焼き直しのようなサイトとは一線を画したクオ
リティーを誇っています。
同HPを見て惚れ込んだ編集者が、口説き落として書籍化した本書には、選
ばれた8編のコンテンツが掲載されています。
中でも興味深かったのが、「鉛フリーはんだ」について。
すず63%、鉛37%の共晶はんだは、183℃という低温で融け、電気部品の固定
と導通の接続に実に使い勝手の良い材料であり、これまでほとんどの製品で
当たり前のように使用されています。
一方で、鉛は人体に有害であることが明らかになり、使用量の削減が求めら
れています。
しかし、あらゆる製品と工程が、鉛入りはんだを前提に設計されており、一
朝一夕には「鉛フリー化」は進みません。
実際、ほとんどの企業では2002年の時点でも、「社内製造品では」(外注は
ちょっと無理)、「鉛フリーはんだを採用」(鉛入りもあるけどね)といっ
た注釈付きがやっとです。
松下電器では、94年から一人のエンジニアが当初アンダーグランウンドで研
究を開始し、その後99年に世界初の100%鉛フリーはんだ使用のMDプレーヤ
ーを発売しています。
それ以来、松下電器は鉛フリー化では世界のトップを突き進み、ついに2003
年には、国内海外の全ての松下ブランドの製品から、鉛はんだの全廃を達成
したのです。
そのスローガンは「スーパー正直」。
一切の言い訳を絶ち、日本や欧米だけでなく、全世界の工場で鉛フリー化の
設備、教育を徹底し、愚直なまでに厳密に推し進めるという宣言です。
ビジネスとしての重要さはもちろんですが、ものづくりが環境に、子孫に与
える影響を思えばこその英断であり、それを実現した努力に拍手です。
おまけとして、はんだ作業時に用いるフラックスが混入し、不純物のかたま
りになったはんだをリサイクルする方法として、なんとはんだ槽に「ごま」
を入れる方法が紹介されています。
フライパンで炒めたごまを入れて、かすをお玉ですくう様子は、なんともコ
ミカルですが、大真面目に装置が開発されて、実績をあげているそうです。
他には、マンガで描かれた「銅釜IH炊飯ジャー」の開発ストーリーや、モ
デルチェンジをせずに数十年に渡って活躍している長寿製品の紹介、また現
在開発中の「砂糖電池」の原理など、多岐に渡る物語が展開されています。
先週紹介した『製品開発の知識』とは対照的に、個々の製品とそれに関わる
人にスポットを当てており、また自社のアピールのために作られた記事です
から、あくまで「いいところ」が紹介されています。
だからこそ、おそらくこのコンテンツの一番の読者である、松下電器の社内
の方や、ご家族を含めた関係者の方は、自らの、またお父さんの仕事に誇り
を持ち、「ものづくり」に励むことができることでしょう。
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◆ 熱い行動 ◆
自分の仕事の、熱いストーリーを(結果が出る前に)考えてみよう。
きっと、人に伝えたくなる物語(=過程と結果)が生まれるはずだ。
仲間の仕事の、熱いストーリーを聞き出し、共有しよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
第1部 毎日使うものだからこそ 家電・生活編
01 釜を改革せよ!~銅釜IHジャー炊飯器~
02 主夫は見た!コツコツ洗って43年~食器洗い乾燥機~
03 時代を超越した名品たち~ロングセラー製品~
第2部 夢と想いを支えに 映像・音響編
04 映画史100年・沈黙の革命~デジタルシネマカメラ VARICAM~
05 真空管、音の記憶。~真空管カーオーディオ~
第3部 執念と意思がつくるもの 材料・燃料編
06 5000年の歴史を塗り替える、環境を守るモノづくり技術
~鉛フリーはんだ~
07 食べ物からクリーンエネルギー?~砂糖電池~
08 目指そう!魔法瓶を超える究極の断熱!~真空断熱材~
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● ひとこと ●
松下のHPのように立派ではありませんが、身内の仕事ぶりストーリーを、
イントラネットで公開したことがあります。
部長、課長にインタビューし、若かりし頃の失敗談を紹介したところ、上司
の素顔が垣間見えて、(手前味噌ですが)なかなか好評でした。
「ナレッジ・マネージメント」とか肩肘張る前に、隣の人や先輩の、ものづ
くり物語を聞くことが、技能・知識の伝達になるのかもしれません。
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November 24, 2004

【今週の一冊】
●『田宮模型の仕事』
木製モデルからミニ四駆まで
著:田宮 俊作(ネスコ)/(文芸春秋)
1997.6 / ¥1,575(単行)/¥550(文庫)
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◆ 燃える一言 ◆
『模型屋という仕事のおもしろさは、模型を通じて大人とも子どもとも
夢とロマンを分かちあえるということです。』
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現役のエンジニアならば、タミヤのタイガーI型か、バンダイのガンダムの
プラモデルを作ったに違いありません!(断言)
もう少し若ければ、やはりタミヤのミニ4駆でしょうか?
幼少に「ものづくりの楽しさ」を教えてくれたのが、プラモデルでした。
プラモデルを作る(といっても「組み立てる」のではなく「生産する」)裏
側を語る田宮氏の筆致からも、心底、模型づくりを楽しんでいる様子がひし
ひしと伝わってきます。
もともと木製の戦艦模型などを製造していた田宮模型が、世界のタミヤにな
るまでの半世紀は、日本のプラモデルの歴史そのものです。
田宮模型の初ヒット作となったのが、ドイツのパンサー戦車でしたが、「直
線的で金型が作りやすかった」とうのが選択理由でした。
そのときに、モータを仕込む大きさの関係で寸法を決めたから、1/35という
中途半端なスケールになり、その後の基準となってしまったのです!
タミヤの精巧なスケールモデルの支えの一つは、金型の製造技術です。
当初は社外の町工場に委託していたものの、昭和39年には自社で金型製造を
手がけるようになり、当時としては贅沢ともいえる工作機械を導入していき
ます。
機械化が進んでも、「一人前になるのに10年」といわれる金型屋の育成を行
い、最終仕上げには人手を入れることで、シャープでありながら温かみのあ
る成形が可能となるのです。
そして根底に、模型に対する深い愛情があるからこそ、芸術品ともいえる製
品が生み出されています。
特に、実物の戦車を取材するときの興奮ぶりは、読んでいてもワクワクして
しまいます。
アメリカやイギリスの戦車博物館では、広大な敷地の100台を越す戦車の大
群を、登ったりもぐり込んだり、なめ回すように嬉々として撮影。
また、冷戦当時、ソ連の戦車を取材するために、回りまわって中東戦争直後
のイスラエルまで飛んで行きます。
その溢れる情熱が製品に宿り、手にしたファンが更に思いを注ぎ込んで完成
させると、タミヤは「兵士人形」や「ジオラマ」など、期待の更に上を行く
企画を送り出す、という循環が、日本の模型文化を育てていったのです。
先日、とある大学の校長が講演で、「昔は鉛筆を手で削っていたから、もの
づくりを身につけることができた。電動なんか使った子どもは、加工が理解
できない」と話していました。
しかし、すでに必要も面白みもないことを強制したところで、ものづくりに
興味が持てるでしょうか。
モータで走る「ミニ4駆」でレースに勝つために、小学生が創意工夫して、
ニッパーやピンバイスを器用に使い改造をする様子を知ると、夢中になって
自分で手を動かして「遊ぶ」ことこそ、ものづくりの喜びの原点だと知らさ
れます。
たかがプラモと言うなかれ。この小さな箱の中には、明日のえんぢに屋を育
む「情熱」が封じ込まれている。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
人に、夢や感動を与える仕事をしよう。
自分の情熱を、具現化したものづくりをしよう。
…部屋の片隅の、埃が積もったプラモを作ろう!(笑)
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 炎 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 木製模型との幸せな出会い
第2章 泣く泣くプラモデル製作に転向する
第3章 プラモデルは金型が命
第4章 取材こそ模型づくりの基本
第5章 とことんやるのがホビーの世界
第6章 山あり谷ありミニ四駆の十八年間
終章 一外国人の見たタミヤ模型―二十一世紀のタミヤ ※文庫版で追加
-----------------------------------
● ひとこと ●
今回の一冊は、メルマガの読者さんから紹介いただきました。
良い本教えてくれてありがとう!じゅん君!
…私の弟ですが(笑)
皆さんも、おススメの「燃える1冊」をご紹介下さい!
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November 17, 2004

【今週の一冊】
●『キヤノン特許部隊』
著:丸島儀一(光文社新書)
2002.2 / ¥714
-----------------------------------
◆ 燃える一言 ◆
『特許のような知的財産権というのは、攻撃にも使えるし防御にも使える、
そうやって事業を有利に展開するというのが本来の使い方』
-----------------------------------
年間の特許収入が200億円を越え、アメリカでの特許登録数がIBMに次ぎ
2位を誇る、キヤノンの特許ビジネス。
同社が特許戦略を重視するきっかけとなったのは、特許部門を入社以来築き
上げた丸島氏による、複写機事業でのゼロックスとの一戦でした。
当時、「20年間は破られない」と言われた、ゼロックスの複写プロセスの
600件に登る関連特許を原文で徹底的に読み破り、何をすれば抵触するか
を熟知します。
その上で、開発の現場に特許担当者が自ら入り込むことで、開発担当者と一
体になって、事業展開を考えながら特許網を構築していったのです。
こうして、わずか3年でキヤノン独自の複写方式の開発に成功すると、今度
は相手の参入を阻止し、事業を守る「攻め」の特許戦略を進めます。
そして、ついにゼロックスとのクロスライセンス(互いの特許の仕様許諾)
を結び、「勝利」を収めたのです。
初めて外国を相手とし、しかも鉄壁の特許を誇っていたゼロックスと闘った
生々しい記録は、丸島氏、そしてキヤノンが早くから特許ビジネスの世界で
揉まれ、今日の礎を築いたことを物語っています。
一方、「特許収入200億円」というと、特許を切り売りしているような印象
を持ちますが、「企業における特許は商品ではない」と言い切ります。
現に特許で稼いでいながら、稼ぐ事を目的に特許部門は仕事をしていない。
つまり、「技術を稼ぎ」「事業で稼ぐ」ために、相手が持っている有効な技
術をもらうのが特許ビジネスのあるべき姿であり、そのときのクロスライセ
ンスの差額として、現金の収入があるのです。
だから、多額のライセンス料を得ることが知的財産部門の手柄ではなく、「
いかに自分たちの技術を出さないで、相手の重要な技術をもらうか」を考え
ろ、と説きます。
例えば、他社の特許が使いたい場合には、相手の特許や製品を調べ尽くした
上で、先に相手が自社の特許を侵害している、と攻撃します。
その上でクロスライセンスに持ち込んで、相手の特許をスーッ、ともらって
くる。
あんなことに使われたのか、と相手が思うようのは契約した後。
実に巧妙な、しかし合理的な交渉手法に唸ってしまいます。
逆に、訴訟に持ち込むのは、自分で解決する能力がないからであり、妥協こ
そが特許交渉の本質だとも言います。
開発の現場と連携し、欲しいものは頂いて、一切損せずに妥協するのが交渉
の「勝利」なのです。
やはり、修羅場をくぐって世界の先端の特許戦略を構築してきた「交渉術」
は一筋縄ではありません。
国家としてのプロパテント(特許重視)政策や昨今の職務発明の問題などに
も言及した、特許を考える格好の入門書です。
───────────────────────────────────
◆ 熱い行動 ◆
ライバルメーカの特許内容を、一度じっくり調べてみよう。
自身の技術や製品の、パテントマップを特許担当者と作り、強み・弱みを認
識しよう。
-----------------------------------
◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
-----------------------------------
◎ 目 次 ◎
第1章 巨人ゼロックスとの闘い
第2章 戦略的特許ビジネスとは
第3章 交渉
第4章 何のためのプロパテントか
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● ひとこと ●
キヤノンといえば、プリンター。
プリンターと言えば・・年賀状!
1ヵ月後には完成しているくらいの余裕を、今年は持ちたいと思います。
(と、毎年思っているのですが・・・。)
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October 20, 2004

【今週の一冊】
●『ものづくりをあきらめるな!』
小さな町工場「三鷹光器」世界への挑戦
著:新井 洋(すばる舎)
2004.06 / ¥1,470
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◆ 燃える一言 ◆
『何でみんなが困っているか、それを知ることに尽きます。
誰も困っていないならば、そもそもものづくりはいらないんです』
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「元気な中小企業」といえば、痛くない注射針のプレス加工「岡野工業」、
100万分の1グラムの歯車を樹脂成形する「樹研工業」などが有名ですが、本
書の「三鷹光器」も、負けず劣らずユニークな町工場です。
従業員は37名という、決して大きくないこの工場が、世界最王手の光学機器
メーカ「ライカ」と提携し、またスペースシャトルに搭載されたカメラの製
造を手がけるなど、大手企業を向こうに回して大活躍しています。
その原動力は、「必要なものをつくる」というシンプルな企業理念と、製品
に込められた「仕掛け」にあります。
「必要なものをつくる」のに対して、「便利なものはつくらない」。
そのこころは、「便利なものは我慢すればいい。必要なものはつくらなけれ
ば仕方がない」から、例えば外科手術に用いる医療用の光学機器に、天体望
遠鏡で培った技術を反映させています。
便利なもの、安いものを大量に作っていては、大手との価格競争に飲み込ま
れてしまうため、手を出さないのです。
一方の「仕掛け」とは、技術者が、自分でものづくりをして捻り出すアイデ
ィアです。
製品についてはあまり議論せず、設計者がまず1台、自分の手で作る。
その現物を本人がいじりまわすから、問題点の把握も、その解決も早い。
その解決に、ひと知恵「仕掛け」を入れるのが、三鷹光器流なのです。
このように、自分で手先を動かせる「職人」が、設計から製造、営業そして
修理までこなして一人前になっていきます。
だから、一流大学を出たかどうかではなく、地味な仕事を真面目に続けられ
るか、手先が器用かを見るために、採用試験では「模型飛行機」を作らせる
そうです。
紙と竹ひご、バルサ材の小片でできる簡単なものですが、その出来栄えで「
全てわかる」と言い、飛ばなければ「お帰んなさい」。
(十数年?数十年?前に作って遊んだけれど、今試験を受けたら、とても合
格する自信ないなぁ・・。)
入社後は、徹底して現場で技能、技術を叩き込み、宇宙空間から脳内の構造
に至るまで、「広く深い」分野に精通する事が求められます。
規模は追わず、さらに一つの開発にのめり込まず、常に大企業の考えている
「先の先」を睨んで、開発を継続していく。
本書の取材時には、10数の新しいテーマに取り組んでいたようです(社員
37人で?!)。
21世紀の中小企業の、あるべき姿の一端が描かれています。
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◆ 熱い行動 ◆
少なくとも、3つの仕事をマスターしよう。
その技術に軸足を置いて、問題をオリジナルの「仕掛け」でやっつけよう。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
第1章 今、どうして三鷹光器が注目されるのか
第2章 頑固なまでにものづくり一徹!
第3章 小よく大を制する!小さな町工場の経営理念
第4章 ユニークな採用方針と一貫した職人育成
第5章 やるべきことはたくさんある!三鷹光器の新たな挑戦
第6章 三鷹光器を通して見えてきた中小企業の生きる道
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September 08, 2004

【今週の一冊】
●『エンジン屋たちのDNA』
著:河野浩一と「日産パワートレイン開発本部」取材班(中経出版)
2004.06 / ¥1,575
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◆ 燃える一言 ◆
『できないから、あなたが、やるんでしょう。
誰にでもできるんだったら、エンジニアなんかいらない』
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98年には2兆円を越える有利子負債を抱え、倒産の危機にまでさらされた
日産自動車。
ところが4年後には負債を完済し、驚異的なV字回復を遂げた。
その“奇跡の”復活は「コストカッター」カルロス・ゴーンの経営手腕によ
るもの、との評価が多く聞かれる。
ところが当のゴーン氏曰く、「日産の復活は無から生まれたものではない。
日本企業の成功の鍵である“現場の力”を引き出しただけである」と断言し
ている。
本書は、その日産の「現場」の技術者達の姿を追ったものだ。
日産のエンジニア最高役職である「技師長」大城義孝氏が、入社以来エンジ
ン開発に携わった経験を軸として、日産の歴史が語られています。
実は大城氏が技師長になるまでの日産では、経験を積んだエンジニアでも、
“誰かが部長になれば同期の誰かがいなくなる”という、まるで役所のよう
な職制になっていたようです。
「エンジンの開発は経験工学」と言われるほど、既に成熟した技術であるガ
ソリンエンジンの開発は、現場で蓄積した経験こそ命。
命である技術を伝承するために、赤字に陥った昭和60年頃やバブル崩壊後の
リストラの中で、先行開発を死守する悪戦苦闘ぶりが生々しく描かれていま
す。
その逆境の中で経験を受け継いできたからこそ、今の日産を支える技術が花
開きました。
例えば・・
・10年連続ベストエンジンに選ばれたVQエンジン
(新型フェアレディーZに採用されているエンジンですね)
・3.5リッターカーのCVT(無段変速機)
(もうすぐ日本でも発売になるムラーノに積まれています)
・超低排出ガスシステム
(炭化水素は大気並という、ガソリン車で世界最高のクリーン度)
等々、よくぞここまで!と驚く成果をユニークな技術で実現しています。
華々しい新技術の開発舞台裏では、大城氏のようなヒーローだけではなく、
プロジェクトの調整を行う管理職など、等身大のエンジニアの姿が垣間見え
ます。
「もしかして解がないんじゃないか」と不安になりながらも、ひたすらに現
物を観察し、考え、あきらめない―。
その技術を脈々と受け継いだ土壌の上に、ゴーン氏のマネージメントが加わ
ってのV字回復だ、と胸を張る、熱き「エンジン屋」が目に浮かびます。
「不具合の予兆は研究所の試作現場にある」「身に付かなければ教育とは言
わない」など、さりげない言葉の中にも、経験に裏付けられた、ものづくり
のヒントが散りばめられた一冊です。
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◆ 熱い行動 ◆
開発や生産性・品質の向上は、決して途切れてはならない。
不断の研鑚からしか、明日の技術は生まれない。
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 炎 | 火 | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
第1章 エンジン屋のDNA
第2章 エンジニアに求められる三つのC
第3章 排出ガス規制との闘い
第4章 四気筒を担うエンジニア魂
第5章 三リッター無段変速機への挑戦
第6章 躍進するVQエンジン工場
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August 16, 2004

【今週の一冊】
●『捨てよ!先端技術』
日本企業が、再び世界で勝つために
著:森谷正規 (詳伝社)
H16.6 / ¥1,500
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◆ 燃える一言 ◆
『日本に「合う」方向には多様な可能性があり、
どの企業もそれを探し出すことができる』
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刺激的なタイトルに、反発と興味を感じて手にとってしまった!
おそらく、著者の思うツボだったのでしょう。
翻訳すれば、「先端技術は依然必要だが、先端技術依存では、もはや世界で
は勝ち残れない」ということ。
80年代までは、「メイド・イン・ジャパン」が技術とコストで圧倒的な力を
誇り、「Japan as No.1」と評されていた。
ところが、90年代に入ると、それまでお家芸であったDRAMや液晶の分野で、
韓国・台湾勢の猛烈な追い上げにあい、あっという間に勢力図は塗り替えら
れてしまった。
一体、先端技術に強かった日本が、なぜ一敗地に塗れてしまったのか?
その要因を本書では、日本に「合う/合わない技術」と「良い/悪い経営」
という切り口から解説しています。
日本に「合う技術」とは、蓄積の活かせる「すりあわせ型」の技術であり、
これは必ずしも先端技術ではありません。
その「合う技術」の代表は、30,000点の部品から成る乗用車です。
しかし、「合う技術」である乗用車でも、「悪い経営」では成り立たないこ
とを、日々のニュースが証明しています。
反対に、「合わない技術」の例としては、DRAM・液晶ディスプレイ・パソコ
ン・家電・金型などが挙げられます。
「え!俺の仕事は日本に合わんのか!」
いえいえ、そんな悲観的になる必要はなく、全般的に「合わない」中にも
「合う技術」を見出すことはできます。
そのために、「良い経営」=技術の蓄積を活かす変革が必要であり、また継
続的な開発により蓄積し続けねばならないのです。
具体例として、「合う/合わない技術」と「良い/悪い経営」の4通りの組
み合わせについて、代表的な企業を挙げて解説が加えられています。
現状分析と結果論としては分かりやすいのですが、今後の戦略を描くとなる
と、なかなか難しいですね。
筆者オススメの「合う技術」として、こんな提案が挙げられています。
・高級品 ・・・一般消費者でも、少しの背伸びで届くゾーンが有望
・高度な部品 ・・・カギは素材と加工。低価格化には生産技術力が不可欠。
・複数分野の総合力 ・・・機械・化学・電気など多分野技術の融合
・ソリューション ・・・作ったモノの高度な応用で、価値を高める
・環境 ・・・環境破壊や廃棄物処理など、社会問題への対応をビジネスに
自身の業務に引き当てて、進むべき方向を考えるヒントにしてみよう。
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◆ 熱い行動 ◆
自分の携わる製品が、蓄積の活かせる「合う技術」なのか、今後どんな技能
や技術を蓄積していくかを考えよう!
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◆ 燃えるゲージ ◆ | 炎 | 火 | | (炎3つが満点)
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◎ 目 次 ◎
第1章 世界で勝てる技術、勝てない技術
第2章 技術力を活かす経営、活かせない経営
第3章 「合う技術」で「良い経営」の企業
第4章 「合う技術」で「良くない経営」の企業
第5章 「合わない技術」で「良くない経営」の企業
第6章 「合わない技術」で「良い経営」の企業
第7章 これからの日本企業が目指す道
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